デニス・ヴァシリエフス(ラトビア語: Deniss Vasiļjevs、1999年8月9日 - )は、ラトビアのフィギュアスケート選手(男子シングル)。
2018年平昌五輪、2022年北京五輪ラトビア代表。2022年欧州選手権銅メダル、2018年世界選手権6位入賞、2020年ネーベルホルン杯優勝。
経歴
初期
2002年にスケートを始め、2010年にはフランスのパリに練習拠点を移した。
ジュニア時代
2013-2014シーズン
ジュニアグランプリシリーズに参戦した。初出場した世界ジュニア選手権では8位だった。
2015-2016シーズン
ジュニアグランプリシリーズのリガ杯で銀メダルを獲得した。ラトビアの選手がジュニアグランプリシリーズでメダルを獲得するのは、全カテゴリーを通じて初めてのことである。また、シニアの選手を含めると、エレーナ・ベレズナヤ/オレグ・シリアホフ組が銅メダルを獲得した、1995年ネイションズ杯以来20年ぶりのISUの大会のメダルであった。続くJGPコペルニクススターズでも銀メダルを獲得。タリントロフィーでは、シニアの国際大会で初めてのメダルを手にした。欧州選手権では12位。リレハンメルユースオリンピックでは銀メダルを獲得した。
2016-2017シーズン、シニアデビュー
2016年8月25日、コーチをアレクセイ・ウルマノフからステファン・ランビエールに変更することを発表した。スイスを拠点に練習。
ロステレコム杯に出場し11位。シニアグランプリシリーズデビューを果たす。11月に行われたチロル杯で優勝し、シニアの国際大会では初めてとなる金メダルを獲得した。欧州選手権は7位入賞。世界選手権では14位に入り、2018年平昌オリンピックにおけるラトビア男子シングルの出場枠を獲得した。
2017-2018シーズン:平昌オリンピック出場
ISUグランプリシリーズロシア杯で8位、NHK杯で6位。チロル杯で優勝し、二連覇を果たす。12月の国内選手権で優勝し、平昌オリンピックの出場権を得た。欧州選手権ではFS(フリースケーティング)で4回転トウループに挑むも転倒。トリプルアクセル2本などをきれいに決め、総合で4位だった。平昌オリンピックではジャンプの転倒が相次ぎ総合19位。世界選手権ではSP(ショートプログラム)/FSともにジャンプをすべて着氷させるなどミスのない会心の演技で6位入賞を果たした。6位入賞は世界選手権でのラトビアのフィギュアスケート選手の過去最高順位である。
2018-2019シーズン
初めてジャパンオープンに出場し、個人では5位、チームヨーロッパとして2位になり銀メダルを獲得した。ISUグランプリシリーズNHK杯で8位、フランス杯で7位。欧州選手権は11位。世界選手権では、ジャンプの転倒もありSP23位発進。FSでは前半のジャンプが乱れるもスピンはすべて最高のレベル4の評価を得るなどして総合で21位に入った。
2019-2020シーズン
ISUグランプリシリーズスケートカナダで5位、ロシア杯で6位。欧州選手権ではSPで5位につけるもFSでジャンプの回転不足があり一つ順位を落として総合6位だった。出場予定であった世界選手権は、同年の1月ごろから急速に世界に拡大した新型コロナウイルス流行の影響により、3月11日にISUより中止が発表された。
2020-2021シーズン
シーズン初戦となるネーベルホルン杯ではFSで4回転サルコウを組み込み、自身初めてISU公認大会でクワドジャンプを成功した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で各大会の出場者を地元選手や開催国に拠点を置く選手らに制限された2020/2021グランプリシリーズは、フランス杯に出場予定だったもののフランス国内での感染増加により大会が中止となった。2年ぶりの開催となった世界選手権では、ジャンプの回転不足がありながらもスピンやステップで高い評価を受けSP14位、FSではスピンはすべて最高評価のレベル4をそろえるもジャンプのミスが相次いで順位を落とした。総合18位となり、2022年北京オリンピックのラトビア男子シングルの出場枠を獲得した。
2021-2022シーズン:北京オリンピック出場
ISUグランプリシリーズイタリア杯で4位、フランス杯で4位。欧州選手権のSPではジャンプすべて着氷、スピンとステップもすべて最高のレベル4の評価で自己ベストを更新する90.24点を出し6位につけた。FSで挑んだ4回転サルコウは回転不足の判定を受けるもきれいに着氷させミスのない演技でFSも自己ベストを更新した。総合272.08点で3位となり、欧州選手権では自身初めてのメダルとなる銅メダルを獲得して、オリンピックへ弾みをつけた。
2回目の五輪出場となる北京オリンピックではSP16位、FSでは冒頭に挑んだ4回転サルコウで転倒するも素晴らしい演技を見せて12位、前回大会より6つ順位を上げる総合13位でオリンピックを終えた。
2022-2023シーズン
シーズン初戦ネペラメモリアルは3位。グランプリシリーズは、スケートカナダ,MKジョン・ウィルソン杯の2戦にエントリー。スケートカナダでは10位で、完成度はまだまだとインタビューで答えていたが[1]、次戦MKジョン・ウィルソン杯では自身のグランプリシリーズ最高位となる2位に入り、初めて表彰台に立った。
主な戦績
シニアクラスの戦績
ジュニアクラスの戦績
- Jはジュニアクラス
- Nはノービスクラス
- ()内は団体戦の順位
詳細
パーソナルベストは太字で表示
2011-2012 シーズン
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開催日
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大会名
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SP
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FS
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結果
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2011年12月17日 - 18日
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ラトビアフィギュアスケート選手権 アドバンスドノービスクラス(リガ)
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1 35.66
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1 67.51
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1 103.17
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2011年11月29日 - 12月4日
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2011年NRW杯 ノービスクラス(ドルトムント)
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3 37.15
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4 64.71
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4 101.86
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2011年11月17日 - 20日
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2011年ワルシャワ杯 ノービスクラス(ワルシャワ)
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2 37.93
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1 56.45
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1 94.38
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2010-2011 シーズン
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開催日
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大会名
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SP
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FS
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結果
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2010年12月11日 - 12日
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ラトビアフィギュアスケート選手権 ノービスクラス(リガ)
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1 38.91
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1 68.48
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1 107.39
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2010年11月18日 - 21日
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2010年ワルシャワ杯 ノービスクラス(ワルシャワ)
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1 36.46
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1 63.10
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1 99.56
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プログラム使用曲
脚注
- ^ “宇野昌磨がもつ「オンオフの能力」はチャーチルにも通じる成功の源…デニスに聞いた”. Nikkan Sports News. (2022年11月3日). 2022年11月13日閲覧。
- ^ “The fourth ISU Grand Prix of Figure Skating event 2022/23 allotted to Sheffield (GBR)”. International Skating Union (ISU). (21-July-2022). https://www.isu.org/figure-skating/news/news-fsk/14180-the-fourth-isu-grand-prix-of-figure-skating-event-2022-23-allotted-to-sheffield-gbr?templateParam=15 2022年7月31日閲覧。 ⚠
- ^ 2021–22シーズンのアジアフィギュア杯は非公認大会。ISUチャレンジャーシリーズの条件に満たない為。“フィギュア北京五輪テスト大会に鍵山優真、紀平梨花ら派遣 10・13開幕”. 日刊スポーツ (2021年9月13日). 2025年2月25日閲覧。
- ^ 「センセイ」と、僕【part2 ステファン・ランビエール編】
外部リンク