ブライトライン (列車)
ブライトライン(英語: Brightline)は、アメリカ合衆国の民間旅客鉄道All Aboard Florida社が運行しているマイアミ中央駅 - ウェストパームビーチ駅 - オーランド国際空港駅を結ぶ旅客鉄道であり、アムトラックのアセラ・エクスプレスに次いでアメリカ史上2番目となる高速列車である。全線開業時には年間530万人の利用が見込まれており[1]、第三期としてタンパまで延伸する構想もある。 概況フロリダ州では過去2回高速鉄道計画が検討されたが頓挫している。まず、2000年11月の州民投票で公営高速鉄道の導入が決定したが、その後費用負担をめぐり2004年11月の州民投票で否決された[2]。次に、フロリダ州がバラク・オバマ政権の鉄道助成金約20億ドルを利用しタンパ - オーランド間(約130km)に高速鉄道を敷設するFlorida High Speed Corridor計画を推進していたが[3]、2011年2月リーマンショックによる財政難を理由に計画が中止された[4]。 2012年3月フォートレス・インベストメント・グループ傘下のフロリダ東海岸産業(略称・FECI)は代替案として時速200km/h以下の旅客鉄道に変更し、既存路線195mile(313km)を流用しつつブレバード郡ココア - オーランド間40mile(64km)を新設する民間高速鉄道計画「All Aboard Florida(AAF)Project」を発表した[5]。FECI社はフロリダ州に不動産王ヘンリー・フラグラーが設立した二級鉄道フロリダ東海岸鉄道(FEC)で石灰岩運搬やインターモーダル輸送といった貨物輸送事業を行っており、この路線を活用するというものであった。 2014年に事業会社All Aboard Florida社が設立され、連邦鉄道局の鉄道復旧改善融資(略称・RRIF)から17.5億ドルの借入れが決まると3回目にしてようやく事業化に至り[6]、2018年1月13日ウェストパームビーチ駅 - フォートローダーデール駅間で先行開業し、[7]2018年5月19日には、マイアミ中央駅まで延伸。マイアミとウェストパームビーチ間の所要時間は約1時間20分である。 2018年11月、All Aboard Florida社はヴァージン・グループと戦略的提携を結ぶと発表した。2019年よりブランド名称をヴァージン・トレインズUSAに改称予定である[8] [9]。この提携によりヴァージン・グループは少数株主となるが、過半数の株式は引き続きFortress Investment Groupが保有する予定[10]。2019年4月4日、ヴァージントレインズUSAに改称した[11]。 現在はヴァージンのブライトラインへの出資額で折り合いなどの理由で、現在両社の提携関係は解消されている[12]。 2019年7月、新しくボカラトン、アベンチュラ、ポートマイアミの3駅を2020年までに開業させる計画を発表[13]。 2023年9月22日にオーランド国際空港駅まで延伸[14]。マイアミとオーランドの間は約3時間半で結ばれた。 2026年以降にオーランド国際空港駅からディズニー・スプリングスへの延伸も予定している[15]。2022年6月、ブライトラインはディズニースプリングス駅への延伸ルートを変更すると発表した。新しいルートは「サンシャイン回廊(Sunshine Corridor)」と呼ばれ、オーランド近郊を結ぶ通勤鉄道「サンレール(SunRail)」との共同運行区間として整備される予定である。この変更により、ユニバーサルが建設中の第4のテーマパーク「エピック・ユニバース(Epic Universe)」やシーワールド(SeaWorld Orlando)などに隣接するエリアに新駅が建設される一方、当初ディズニーの敷地内に計画されていたディズニー・スプリングス(Disney Springs)駅については、敷地外へと変更されることになる[16]。 沿革
停車駅![]()
車両車両はシーメンス・モビリティのディーゼル機関車「チャージャー」と客車「ベンチャー」が用いられている。新設区間の最高速度は時速125マイル (201km/h) だが、既設区間であるマイアミ - ウエストパームビーチ間の最高速度は、法規制により時速79マイル (127km/h) から100マイル (160km/h) に制限される[30][31]。 脚注
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