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プー あくまのくまさん
Winnie-the-Pooh: Blood and Honey
監督
リース・フレイク=ウォーターフィールド 脚本
リース・フレイク=ウォーターフィールド 原作
A.A.ミルン E.H.シェパード (キャラクター創作) 製作
リース・フレイク=ウォーターフィールド スコット・ジェフリー 製作総指揮
スチュアート・オルソン ニコール・ホランド 出演者
ニコライ・レオン マリア・テイラー ナターシャ・ローズ・ミルズ アンバー・ドイグ=ソーン ダニエル・ロナルド ナターシャ・トシーニ クレイグ・デビッド・ドーセット クリス・コーデル 音楽
アンドリュー・スコット・ベル 撮影
ヴィンス・ナイト 編集
リース・フレイク=ウォーターフィールド 製作会社
Jagged Edge Productions ITN distribution inc. 配給
Altitude Film Distribution アルバトロス・フィルム 公開
2023年 3月10日 [ 1] [ 2] 2023年6月23日 [ 3] 上映時間
84分 製作国
イギリス 言語
英語 製作費
$100,000[ 4] 興行収入
$25,497[ 5] $4,186,127[ 5] 次作
プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち テンプレートを表示
『プー あくまのくまさん 』(原題:Winnie-the-Pooh: Blood and Honey )は、2023年 に制作されたイギリス のアトラクション・ホラー映画 。原作である児童小説 が2010年代 後半から2020年代 前半にかけて、世界各国で著作権の保護期間 が相次いで終了しパブリックドメイン 化されたことで実現した、ザ・ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース(総称:プーニバース)プロジェクトの1作目[ 6] 。PG12 指定。
キャッチコピーは「はちみつはもう飽きた。 」
概要
2017年5月21日にパブリックドメインとなった、A・A・ミルン による児童小説 『クマのプーさん 』[ 3] [ 7] をホラー映画化した作品である[ 9] [ 3] [ 10] 。リース・フレイク=ウォーターフィールドが監督、脚本、編集、製作を担当した。
あらすじ
100エーカーの森でプーさんたちと楽しい日々を過ごしていた少年クリストファー・ロビン。やがて成長した彼は、進学のため旅立っていった。時がたち、大人になった彼は婚約者メリーを連れ懐かしい森へ戻って来る。メリーはプーたちのことをクリストファーの子どもらしい空想だと思っていたが、彼らは実際にそこにいた。だが、クリストファーに捨てられた恨みと飢えを抱えたプーとピグレットは、もはや以前の彼らではなくなっていた。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
クリストファー・ロビン
演 - ニコライ・レオン(石毛翔弥 )
マリア
演 - マリア・テイラー(河村梨恵 )
ジェシカ
演 - ナターシャ・ローズ・ミルズ(横山友香 )
アリス
演 - アンバー・ドイグ=ソーン(夏葵)
プー
演 - クレイグ・デビッド・ドーセット(かぬか光明 )
ピグレット
演 - クリス・コーデル(相馬康一 )
ゾーイ
演 - ダニエル・ロナルド(葛原詩織 )
ララ
演 - ナターシャ・トシーニ(阿部彬名 )
メリー
演 - ポーラ・コイツ
ティナ
演 - メイ・ケリー
シャーリーン
演 - ダニエル・スコット
スタッフ
監督・脚本・編集・製作:リース・フレイク=ウォーターフィールド
音楽:アンドリュー・スコット・ベル
撮影:ヴィンス・ナイト
製作総指揮:スチュアート・オルソン、ニコール・ホランド
製作:スコット・ジェフリー
日本語版スタッフ
公開
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国 では2023年2月15日に劇場公開し、初日は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター 』を抜いて全米3位に入る快挙を見せた[ 11] 。しかし、当初から期間限定を前提とした劇場公開だったこともあり、翌日以降は上映館が縮小し、9日間で劇場での上映を終了した[ 11] [ 12] 。
日本
日本 では2023年6月23日に劇場公開することが同年3月31日に発表された[ 3] 。直訳タイトルは「クマのプーさん 血とはちみつ」だが、邦題については「くまのプーさん」が日本国内で商標 登録されていることに配慮し、前述のタイトルになったとしている。本作品の映画配給 を担当しているアルバトロス・フィルム の宣伝担当者はSNS 上にて話題になった影響で若年層の来場が多いとしている[ 13] 。
香港・マカオ
香港 とマカオ では2023年3月23日に上映を予定していたが、検閲を担当する香港当局による許可が下りていたにもかかわらず、直前の同月21日に急遽上映中止が発表された。クマのプーさんは中国共産党 では習近平 総書記 (最高指導者 )を揶揄するキャラクターとしてあらゆる使用が禁止されていることから、 映画館側が習近平に配慮して上映を中止したのではないかという憶測を呼んでいる[ 14] [ 15] [ 16] 。
評価
興行収入
2023年に最も期待する映画ランキング(IMDb)では上位にランクイン。そして封切られるやいなや全世界でスマッシュヒットを連発、制作費およそ10万ドルの製作費に対して、520万ドルという驚きの興行収入となった。
批評
評価は低く、エンターテインメント情報サイトのIGN は「引きのあるアイデアが多くの人々の注目を集めたが、期待を裏切られた。このおもしろみのないホラーパロディにはもやもやとした気持ちになるだろう。キャラクターデザインのおもしろみもかなり早い段階で失われてしまう。野生化したという設定のはずが、動物らしいのはフルフェイスのマスクだけだ。それも、毛皮などもない上に表情が乏しい。低予算ホラーの基準に照らしても手抜きでしかなく、もっと説得力のあるものにしようとかいった工夫すらない。注意が払われているのは、どれだけ残虐シーンを血生臭くできるかということだけのように感じる。ディズニーパークで働く人の9割がアルバイトであることなどディズニーに対する批判や、皮肉などちょっとしたメッセージも全くない。ただいたずらにオリジナルのプーさんを攻撃しただけになってしまった。さらに、ピントを合わせないカメラマン、異なるトーンを混ぜ合わせる監督、画面も暗く、そもそも映像として見づらい。映画制作の最も基本的な要素さえ押さえていないことにはがっかりした。本家の甘いはちみつ好きのプーさんが許さないほど、すっぱい味わいになってしまった。」と総評されている[ 17] 。
映画評論 サイトのRotten Tomatoes においても、批評家スコア4%の低評価を叩きだし、「史上最低評価の映画100」にランクインしたことが2023年3月に発表された[ 11] 。
本作をめぐる論争と反応
CBS News Miami の報告によると、2023年10月、フロリダ州マイアミ・スプリングスにあるチャータースクールのAcademy of Innovative Educationで、算数クラスの児童生徒が本作を20~30分間鑑賞させられたと保護者から報告があった。この事態に学校側は、「The Academy for Innovative Educationは、2023年10月2日(月)にホラー映画の一部が4年生に対して上映され、その年齢層に相応しくない作品だったことを知りました。当校の管理局は、その教師と共にこの問題に速やかに対処し、生徒の安全と精神状態を安定させるために適切な措置を講じました。我々は積極的に生徒たちを監視しており、メンタルヘルスカウンセラーと校長は、すでに懸念を表した生徒たちと面談しています」との声明を発表した。
この映画を選んだのは生徒たちだったそうだが、保護者のミシェル・ディアスは「何をしたいかは生徒が決めることではありません。内容を確認するのは教師ですから」と述べ、教師に対する怒りを露わにした。児童文学もの作品と知りながら上映する異例の事態に、ウォーターフィールド監督は「どうしてそこまで長く上映していたんでしょうね。教師が映画を再生して教室から出ていったのか、子供たちがイタズラしたのか、何なのかわかりません。彼らの子供時代を台無しにしていないといいんですが」と述べている。
受賞歴
後年の展開
評価の方は散々だったが、興行としては好調な滑り出しを見せたウォーターフィールド監督は、2024年3月に続編となる『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち 』を制作・公開。その後、ザ・ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバースの一作として『Poohniverse: Monsters Assemble 』を2025年に公開予定であることを発表。ピーター・パン のホラー映画『Peter Pan’s Neverland Nightmare 』や殺人バンビ を描く『小鹿のゾンビ 』(原題:Bambi: The Reckoning)、さらにはピノキオ が大暴れする『Pinocchio: Unstrung 』と続き、クロスオーバー企画『Poohniverse: Monsters Assemble 』に直結するという。製作会社であるITNはその後もプーニバースプロジェクトとは無関係であるものの、シンデレラ が『シン・デレラ』
、不思議の国のアリス が『邪悪な国のアリス』のタイトルでホラー映画化を果たしているほか、別会社ではあるが初期のディズニー 作品となる『蒸気船ウィリー 』を題材にした『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』(原題:The Mouse Trap )や『Mickey vs. Winnie 』が制作されるなど、本作を皮切りにディズニーアニメ作品で有名な名作童話のホラー映画化が相次いでいる。
映像ソフト
2023年12月6日にアルバトロス よりBlu-ray 並びにDVD が発売された。日本語吹替版が収録されており、ディズニー版くまのプーさん の実写作品『プーと大人になった僕 』でプー役を担当したかぬか光明が本作でも同役を担当している。
脚注・出典
^ “Winnie the Pooh horror movie confirms UK release in cinemas ”. Digital Spy (2023年2月10日). 2023年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ 。2023年2月16日閲覧。
^ Madden, Emma. “The gory new Winnie the Pooh horror causing a storm ”. BBC . 2023年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ 。2023年2月16日閲覧。
^ a b c d 馬淵寛昭 (2023年3月31日). “「くまのプーさん」のホラー映画が6月23日に日本公開決定!邦題は『プー あくまのくまさん』 殺意にまみれたプーさんが迫りくる ”. IGN Japan . 2023年3月31日閲覧。
^ Yossman, K. J. (2023年2月7日). “'Winnie the Pooh: Blood and Honey': Inside the Viral Micro-Budget Slasher Hoping to Slay the Box Office (EXCLUSIVE) ”. Variety . 2023年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ 。2023年2月8日閲覧。 “Frake-Waterfield’s production company Jagged Edge and ITN Films, which co-financed the project, declined to give the exact budget for "Pooh" but indicated it was under $100,000”
^ a b “Winnie the Pooh: Blood and Honey (2023) ”. Box Office Mojo . IMDb . 2023年2月24日閲覧。
^ “クマのプーさん&ピグレットが登場するホラー映画『Winnie the Pooh: Blood and Honey』予告編” . cinemacafe.net. (2022年9月1日). https://s.cinemacafe.net/article/2022/09/01/80606.html 2023年3月25日閲覧。
^ tks24 (2017年5月15日). “「くまのプーさん」が5月21日にパブリックドメイン入り、注意すべきポイントとは? ”. INTERNET Watch . 2023年3月31日閲覧。
^ Thomas Buckley (2023年2月17日). “「くまのプーさん」、新作映画で殺人鬼に-著作権切れで恐ろしい変貌 ”. Bloomberg.com . 2023年3月31日閲覧。
^ 但し、ウォルト・ディズニー・カンパニー が制作した同社版くまのプーさんは引き続き著作権 の保護期間が継続している[ 8] 。
^ 福井健策 (2022年9月27日). “著作権が切れるミッキー、怖すぎるプー ”. 日経クロストレンド . 2023年3月31日閲覧。
^ a b c 中谷直登 (2023年3月17日). “殺人鬼『くまのプーさん』ホラー映画、米Rotten Tomatoesで4%スコアを叩き出す ”. THE RIVER . 2023年4月1日閲覧。
^ Ritman, Alex (2022年11月1日). “Viral Low-Budget Horror ‘Winnie-the-Pooh: Blood and Honey’ Getting Theatrical Release in U.S., U.K., Canada, Mexico (Exclusive) ”. The Hollywood Reporter . 2023年4月1日閲覧。
^ 浅野英介 (2023年7月3日). “くまのプーさんがホラー映画に 二次創作可能の背景に「著作権切れ」 ”. 産経新聞 . 2023年7月5日閲覧。
^ “Screenings of Winnie the Pooh horror film cancelled in Hong Kong” (英語). The Guardian . Reuters (Guardian Media Group ). (2023年3月21日) ⚠
^ “「くまのプーさん」題材のホラー映画、香港とマカオで上映せず=配給会社” . BBC . (2023年3月22日). https://www.bbc.com/japanese/65035222 2023年3月25日閲覧。
^ “香港で「プーさん」モチーフのホラー映画が公開中止に…「習氏への忖度か」と臆測呼ぶ” . 読売新聞 . (2023年3月23日). https://www.yomiuri.co.jp/world/20230323-OYT1T50111/ 2023年3月25日閲覧。
^ Donatobomb (2023年6月23日). “実写ホラー映画『プー あくまのくまさん』レビュー 血とはちみつは混ぜてはいけないことを教えてくれる作品 ”. IGN Japan . 2023年10月21日閲覧。
^ “Winnie-the-Pooh: Blood and Honey, Megan Fox sweep the 2024 Razzie Awards ”. Entertainment Weekly (2024年3月9日). 2024年3月10日閲覧。
^ 入倉功一 (2024年3月9日). “最低映画賞ラジー「クマのプーさん」ホラーが作品賞含む5部門受賞 ”. シネマトゥデイ . 2024年3月10日閲覧。
関連項目
マッド・ハイジ - 本作品と同じく著作権切れにより製作された映画として、日本ではほぼ同時期に公開された。
外部リンク
1980-2000 2001-2020 2021-2040
1994-2000 2001-2020 2021-2040