女流王座戦
リコー杯女流王座戦(リコーはいじょりゅうおうざせん)は、リコー及び日本将棋連盟主催・日本経済新聞社が特別協力する[1]将棋の女流タイトル戦。2011年創設。10月頃から挑戦手合制の五番勝負が行われ、決勝を制した勝者には女流王座の称号が与えられる。優勝賞金は女流棋戦では白玲戦、大成建設杯清麗戦に次ぐ500万円(マイナビ女子オープンと同額)、準優勝賞金は150万円である。 概要女流将棋界のさらなる発展と将棋の普及活動を目標に、OA機器メーカーのリコーと日本将棋連盟が合意し、2011年3月10日に本棋戦の創設を発表[2]、同2011年4月に開始された6番目の女流タイトル戦である。本棋戦は、マイナビ女子オープンと同様に女性アマチュア選手の出場を可能としているが、将棋関係者から有段者と認められたアマチュアのみ出場可能なマイナビ女子オープンとは異なり、申し込みを行えば[注 1]誰でも出場できる[注 2]完全オープン大会という点で画期的な公式女流棋戦である。 将棋のグローバル化を図るため将棋界初の海外出場枠を設けている(後述)。 優勝賞金はマイナビ女子オープンと同額の500万円(準優勝賞金は150万円)であり、かつては日本将棋連盟公式サイトの棋戦情報ページおよびサイドバーでは、両棋戦を上下に並べず、左右に並べて同格の扱いとしていたが[3]、2016年9月の公式サイトリニューアル[4]に伴い、サイドバーではマイナビ女子オープンの下に並べるようになった[5]。 第4期の西山朋佳-久津知子戦で、棋譜入力にタブレット端末が初めて使用された。 2023年開始の第13期より棋戦名における冠名の表記順に変更があり、それまでの「期数・冠名・棋戦名」の順(第12期 リコー杯 女流王座戦)から「冠名・期数・棋戦名」の順(リコー杯第13期女流王座戦)の名称で行われている。 方式アマチュア予選、一次予選、二次予選、本戦トーナメントを行い、女流王座への挑戦者を決定する。女流王座と挑戦者が五番勝負を戦い、その勝者が新たな女流王座となる。 アマチュア予選(東日本、西日本)および一次予選はいずれも、それぞれ1日で行ない上位進出者を決定する。 アマチュア予選アマチュア予選は、すべての女性(第13回からは国内在住のすべての女性)が参加可能のアマチュア大会[注 3]で、東日本予選大会(東京)と西日本予選大会(大阪)の2回に分けて行われる。東西各大会は同日開催ではなく、第9回までは東西両方のアマチュア予選に事前申込・出場が可能であった。第10回-第12回では新型コロナウイルス感染症の影響でアマチュア予選を中止したが、第13回からアマチュア予選を再開した。再開後のアマチュア予選は、東西どちらか一方に申し込む方式に変更している。 各大会とも定員がある場合は、先着順または抽選により出場者を決定する[注 4]。 アマチュア予選は、午前の予選(2勝で通過、2敗で敗退)と午後の決勝トーナメントによって、一次予選出場者を決定する。なお、両大会とも予選内容は同一であるが、一次予選出場者の人数は大会ごとに異なる場合もある(第1期は東京5名、大阪3名)。 持ち時間は各20分[注 5](チェスクロック使用)で、切れたら1手30秒未満。 一次予選シード者以外のエントリーした女流棋士、女性奨励会員、海外出場枠選手およびアマチュア予選通過者が参加するトーナメント。一斉対局で行われる。シード人数が不定のため二次予選進出枠は毎年変動する。 持ち時間は各40分(チェスクロック使用)で、切れたら1手1分未満。 二次予選前期ベスト8進出者からの最大4名(タイトルホルダーは除く、第1期は成績選抜の8名)および一次予選通過者が参加。各組の2名が対戦し勝者が本戦に進出する。シード人数が不定のため出場枠数および本戦進出枠は毎年変動する。 持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)で、切れたら1手1分未満。 本戦トーナメント予選を勝ち抜いた者と本戦シード者の計16名のトーナメントにより、女流王座への挑戦者が決定される。シード権は前期ベスト4進出者およびタイトルホルダー(第1期はタイトルホルダーのみ)。 持ち時間は各3時間。 五番勝負女流王座と挑戦者が五番勝負を戦い、その勝者が新たな女流王座となる。持ち時間は各3時間。1日制。 第1期は本戦トーナメント決勝を五番勝負として行い、その勝者を初代女流王座とした。 第4期では、第3期女流王座の里見香奈が体調不良により休場中であったため、第1期と同様の方式で本戦トーナメントの決勝を五番勝負として行なった[6]。 クイーン王座女流王座を通算5期獲得した場合にはクイーン王座の称号が与えられる[7]。2024年1月現在、クイーン王座は福間香奈。
歴代五番勝負
通算記録 (タイトル戦)
アマチュア参加者第1期アマチュア予選初の完全女流オープン戦ということもあり第1期アマチュア予選参加者の中には、後に女流プロになる研修会員やアマチュア強豪の他にも、元女流棋士の林葉直子、藤田麻衣子や現役を退いていた大庭美夏など多彩な顔ぶれが参加した。 西日本大会では中七海、長谷川優貴、石本さくら、東日本大会では室谷早紀[注 9]、中澤沙耶、小山田友希、飯田梨絵、飯野愛が一次予選に進出[8][9]し、そのうち、室谷早紀、中澤、小山田が二次予選にも進出した[10]。 海外出場枠一次予選には、将棋界の公式戦としては男女を通じて初となる「海外出場枠」が設けられている。
なお、第2期・第3期以外の招待選手はいずれも1回戦で敗退している。 エピソード
脚注注釈
出典
外部リンク |
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