宇都宮駅のバス乗り場
![]() 宇都宮駅のバス乗り場(うつのみやえきのバスのりば)では、栃木県宇都宮市川向町にある東日本旅客鉄道(JR東日本)宇都宮駅周辺の路線バス・高速バス乗り場について概説する。西口と東口にそれぞれバス乗り場が存在する。 宇都宮駅西口西口バス乗り場は、栃木県宇都宮市川向町にある宇都宮駅西口広場内にあるバスターミナルであり、栃木県道196号宇都宮停車場線(通称:駅前大通り)の一部である。一般路線バス、都市間高速バス、リムジンバスが発着する。鉄道駅と併せて県内最大のターミナルを形成する。 歴史と現況宇都宮市に路線バスが乗り入れたのは、1924年(大正13年)創業の城山自動車合資会社が最初で、同社はハイヤーと兼業しながら大谷線・鹿沼線・文挟線・日光線・徳次郎線を運行した[1]。続いて1926年(大正15年)に宇都宮市街自動車株式会社と矢野自動車商会が創業し、宇都宮市街自動車は宇都宮駅-裁判所間と大谷線・茂木線、矢野自動車は烏山線を開設した[1]。このほか羽黒自動車・白沢自動車・須田自動車・下野自動車が相次いで乗り入れ、1927年(昭和2年)には関東自動車[2]が宇都宮-栃木間など6路線をもって宇都宮市に進出した[3]。1930年(昭和5年)には宇都宮市内で19社が16路線を営業し、1日平均乗客は1万人、運賃は市内一律10銭だった[3]。 1983年10月4日、東北新幹線開業に伴う駅舎建て替え、構内再整備の末、現行の設備及び運用形態となった。宇都宮の主要バス路線網の大半を有する関東自動車が元々宇都宮市街地にあったバス車庫・営業所(池上や桜通)機能を宇都宮駅周辺設備や郊外設備に分散させたため、現在は単なるバス停留所を超え、宇都宮市内の中枢的バスターミナルとなっている。 開設当初より乗り入れていたのは関東自動車、国鉄バス(現在のJRバス関東)及び東武鉄道(通称:東武バス[4]、関東自動車に路線譲渡し撤退)の3事業者で、東野交通(通称:東野バス)は1990年代後半から2000年代前半になって徐々に駅構内に乗り入れる事となり、2001年12月1日に全便乗り入れが完了した。 宇都宮市周辺の路線バス網は、当初中心市街地(二荒山・バンバ周辺)と郊外や他市町村(郡部)を結ぶ形で広がり、宇都宮市の拡大に伴い、市街地東端に位置する宇都宮駅は、市西部・北部・南部を結ぶ路線(関東自動車・東武バス)の市街地側の始発・終点となり、一方で、市東部と市街地を結ぶ路線、すなわち旧国鉄バスと東野交通の路線は、市東部から国鉄宇都宮駅周辺を経て中心市街地に至り、市街地西部の東武宇都宮駅周辺が始発・終点となった。国鉄バスは国鉄宇都宮駅構内に乗り入れて国鉄利用者の利便性向上を図ったが、東野交通は市東部と中心市街地間の利用客の利便性を重視し、近年までは駅構内ターミナルへの乗り入れは行わず、宇都宮駅の西方約100メートルの「宮の橋北」と「宮の橋南」バス停にのみ停車していた。その背景として、東武宇都宮駅周辺設備を占有していた東野交通の宇都宮駅構内乗り入れに関東自動車が難色を示していた(事実上の拒否)事が最大の理由である[要出典]が、一方で宇都宮駅の立地や宇都宮の路線バス網の役割、その発達の歴史などにもその因子を見出す事ができる。 県都・宇都宮市の中心市街地東端に位置する宇都宮駅の立地環境も相まって、宇都宮市周辺住民が利用する路線バスを中心とする公共交通網は、あくまで市周縁内及び市周縁〜中心市街地間の交通網として整備されて来たため、宇都宮駅を拠点とする交通網という考え方は近年ようやくその展開に至っており、路線バス全盛期に建設された宇都宮駅西口は、バスターミナルを正面に据え、その他の交通機関であったタクシー乗り場及び一般車の乗降場はバスターミナルの北側に建設された。これについては、宇都宮市内のタクシー事業者の最大手「関東交通」及び第2位「宇都宮合同タクシー(その後関東交通に統合)」が関東自動車の関係会社[5]であった事から、バス乗降場を駅構内の中心に配置する様建設計画時より働きかけた結果である。この様な状況から、バスターミナル開設以来、構内は許可車両以外の乗り入れが禁じられているにも拘らず、場内に進入する一般車両が後を絶たず、路線バスと一般車両間のトラブルとなる一面もある。 構造JR宇都宮駅西口に連結した構造をとっている。宇都宮駅西口正面出口付近には、主に観光地方面へ向かうバスの行き先・発着時刻・乗り場の案内や地域情報やニュースを発信するデジタルサイネージ(下野新聞社の運営)が設置されている[6]。2階部分は同駅舎2階からつながるペデストリアンデッキであり、1階部分が島式ホーム・各行先方面別のバスのりばとなっており、宇都宮駅舎に接するバスホームに1〜5・38番のりば及び降車場、横断歩道を渡った島式バスホームに6〜10番のりば、さらに横断歩道の西側にある島式バスホームに11〜15番のりば、当ターミナル西縁の宇都宮チサンホテル前に16番のりばが設けられている。 発着するバスは駅前大通りを東進して宇都宮駅構内に乗り入れ、一旦北側に折れてターミナル北縁の取り付け道路に進入、各ホームに北側から南に頭を向けて入り各のりばに停車する。発車時は乗降扱い後に南縁の取り付け道路を経由し駅構内を出る。なお、一部に宇都宮チサンホテルの南側から進入して構内に入る路線もある[7]。 1階ホームと2階ペデストリアンデッキとは階段で接続しており、駅利用者は2階ペデストリアンデッキを介して階段で直接各バスホームに到達できる。またペデストリアンデッキはその北側で駅ビル「パセオ」2階部分と、またその北西側で「tonarie utsunomiya」2階部分と、それぞれ同一平面上で接続している。さらに、西側階段の先で横断歩道を渡ると駅前大通りの両岸に到達する。 時刻表は各のりばに設けられたポールもしくは天井吊り下げ式看板に、各のりば発着のバス時刻表が用意されているほか、関東自動車では2018年3月末よりリアルタイムでバスの発車時刻を表示する電光掲示板を西口バスのりばの8か所に設置しており、日本語のほか英語でも表示される。 長らく1・2・5番〜13番・16番・38番乗り場を関東自動車、3・4番乗り場をジェイアールバス関東、14番・15番乗り場を東野交通という振り分けになっていたが、2018年10月1日には関東自動車が東野交通を経営統合して以降は細かな変更が順次行われ、配置上バスを乗り場沿いに止めるのが難しい位置にあった15番乗り場を降車専用化、2023年8月にはライトレール開業に伴う乗り場の集約で4番乗り場が使用停止となる。 2024年3月改正より、関東自動車とジェイアールバス関東が、乗り場の大規模な再編を実施した[8]。 特徴と問題当ターミナルの利用者を種別すると、市街周縁の住宅街から当駅周辺の商業施設へ訪れる買い物客、当駅で他路線(鉄道線・バス路線)に乗り換え市内・市外各地に向かう旅客や学生などで、平日の朝夕ラッシュ時は通勤・通学者の利用で混雑する。 また、他駅のターミナルでは一般的にほとんどの路線が始発・終着となっているが、当駅のターミナルでは通過点とするバス路線も多数存在する。 宇都宮の路線バス網は市周縁部と中心市街地を結ぶ交通機関として整備されて来たため、バス利用者は中心市街地(主に宇都宮二荒山神社付近から東武宇都宮駅の間にわたって続いており、JR駅から約西に1km以上離れている)と市周縁部間の利用者がほとんどである。こうした経緯もあってか、JR鉄道線利用者は現在も宇都宮駅から徒歩で中心市街地に向かう例も多く見られる。一方で、2002年から2008年までの間に同駅と中心市街地間の利用に対し補助金を給付する事によって当該区間運賃の100円均一サービスを展開し、当ターミナルがある宇都宮駅西口から市街地間の利用者の掘り起こしが図られていた。 また、当ターミナルにおけるバス路線密集率は非常に高く、それが原因でターミナルへ出入りするバスが団子運転となり遅延するという問題が発生している。 なお、宇都宮駅西側のバス路線は、宇都宮ライトレールの延伸時に再編される予定となっている。 →詳細は「宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線 § JR宇都宮駅西側区間」を参照
ICカードの導入と乗降方式の変更2021年3月21日から、栃木県内の関東自動車とJRバス関東の一般路線バス(高速バスや一部のコミュニティバス、イベント輸送の臨時バスなどを除く)で地域連携ICカード「totra(トトラ)」が導入された[9][10]。Suicaと相互利用可能な全国の交通系ICカードでも運賃の支払いが可能となった。 バスの上限運賃制度・乗り継ぎ割引制度
交通系ICカードを使って日中に一般路線バスを利用すると、宇都宮市内であれば片道運賃の上限が400円となる制度である、上限運賃制度を設定している。なお、小学生や身体・知的障がい者の運賃の上限は200円である。運賃上限制度はどの全国相互利用が可能な交通系ICカードで利用しても対象であるが、totra利用者においては後述の乗り継ぎ割引制度との併用が可能である[11]。
LRT(ライトライン)と路線バスもしくは宇都宮市地域内交通を乗り継いだ場合、または路線バス同士を乗り継いだ場合、2乗車目の運賃を割り引く乗継割引制度をtotra利用者限定で実施している(Suica、PASMOなど他のカードは対象外)。 totraを使ってLRTと路線バス(関東自動車・ジェイアールバス関東)を乗り継ぐと、2乗車目の公共交通の運賃から大人100円(小児・障がい者は50円)が割引される。LRTまたは路線バスと宇都宮市地域内交通と乗り継いだ場合、もしくは路線バス同士を乗り継いだ場合は大人200円(小児・障がい者は100円)が割引される。なお、2乗車目の運賃が200円未満の場合は無料となる[12][13][14]。 のりば(西口)1番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して和尚塚通り・護国通り方面に向かう関東自動車の路線バスが発着する。 1番乗り場は長らく清住町経由細谷車庫行き(以前は戸祭車庫止まり)が主に使用し、それ以外の系統も併用するという形態だったが、何度かの乗り場の変更を経て、2024年3月より清住町経由細谷車庫行きは2番乗り場に移動し、それ以外の系統が1番乗り場に残った。同じタイミングで、6番乗り場を発車していた陽西中経由ろまんちっく村行き(作新学院経由宝木団地行きと同じルートを通るため)が1番乗り場に移動してきた[8]。また、深夜に1便のみ運行されていた宇商高経由帝京大学行き深夜バスも1番乗り場を発車していたが、2024年3月16日改正で廃止となった[16]。
2番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して、市北西部の戸祭地区に向かう関東自動車の路線バスが発着する。2024年3月より、2番乗り場が清住町経由細谷車庫行き専用乗り場となった[8]。 それ以前は、15番乗り場を使用していた東野交通(現・関東自動車)の宇都宮東武方面バスが2番乗り場に移動。また、1番乗り場と共用だった一部路線が2022年4月より2番乗り場へ分割されるという経過をたどっていた[17]。
3番のりば二荒山神社前・県庁前・東武宇都宮駅[18]方面に向かう関東自動車の路線バスが発着する。当乗り場を発車する東武宇都宮駅西口方面のバスに関しては旧東野交通時代の停車バス停を現在に至るまで踏襲しており、上河原・大工町・二荒山神社前・県庁前・宇都宮東武(東武西口)の順に止まる。このことから、現地時刻表には「宮島町十文字・東武駅前(大通り沿い)には停車しない」旨の注意書きがある。 国鉄時代から長らく国鉄バス(のちのJRバス関東)が使用し、JRバス関東(宇都宮支店)の路線バス(水都西線)が発着していた乗り場であった。LRT開業に伴う路線再編により宇都宮駅西口を発着するJRバス関東の路線はわずかとなり、上下線が3番乗り場に集約されたが、JRバスの乗り場は茂木方面が14番乗り場、作新学院方面が7番乗り場に移動し、3番乗り場には旧・東野交通の宇都宮東武・西原車庫行きが移動してきた。[8]。
4番のりば東武宇都宮駅へ向かわない系統が集まる乗り場で、宮の橋交差点を左折して市役所方面へ向かう系統(市役所循環)と、大通りの本町交差点を右折し県庁や県警本部方面へ向かう系統が発着する。 3番乗り場と同じく、国鉄時代から国鉄バス(のちのJRバス関東)が使用し、2023年8月26日まではJRバス関東の東武駅前・作新学院方面行きバスが発着していたが、3番乗り場への集約により一時空き(バスの待機場として利用されていた)になっていた。2024年3月より、2番乗り場に発着していた系統のうち東武宇都宮駅を経由しない系統がこの乗り場に集約された[8]。
5番のりば塙田・宇商高校前又は竹林・FKDを経て市北部郊外の富士見ヶ丘・田原街道方面に向かう関東自動車の路線バスが発着する。
6番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して一の沢・駒生・大谷街道方面に向かう関東自動車の路線バスが発着する。
7番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して一の沢・駒生地区に向かう関東自動車の路線バスが発着。2021年10月からは駒生営業所が担当する宇都宮東武止まりのバス(東武〜越戸〜柳田車庫・平出工業団地線など)も発着を開始した。6番のりばは宇都宮駅が始発のバス、7番乗り場は各方面からやってきた宇都宮駅が始発ではないバスと棲み分けがなされている。 2024年3月より、JRバス関東の作新学院前行きもこの乗り場を発着する。[8]
8番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して栃木医療センター・日光街道方面に向かう路線バス(50番台)と、竹林を経て市北部岩曽・白沢街道方面に向かう関東自動車の路線バス(70番台)が発着する。
9番のりば今泉・越戸を経て、平出地区へ向かう路線(12番)と簗瀬地区を経て市南東部や上三川町に向かう関東自動車の路線バス(80番台)が発着する。
10番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して鹿沼街道方面へ向かう関東自動車の路線バスが発着する。
11番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[20]を経由して陽南・江曽島地区へ向かう関東自動車の路線バスが発着する。2015年から宇都宮市による社会実験として運行され[21]のちに正式運行開始された今宮線もこの乗り場から発車する。今宮線は宇都宮駅を出てすぐ宮の橋交差点を左折し旭陵通り経由のルートを取ってショートカットして東京街道に出るため、県庁前や東武宇都宮駅は経由しない。
12番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[22]を経由して東京街道及び市南西部へ向かう関東自動車の路線バスが発着する。
13番のりば馬場町・県庁前・東武宇都宮駅[15]を経由して鶴田・西川田地区へ向かう関東自動車の路線バスが発着する。
14番のりば旧・東野交通の水戸街道を経由して宇都宮市東部・南部・真岡・益子に向かう系統と、2024年3月からは同じく水戸街道を経由するJRバス関東の茂木行きの系統も発着する。14番乗り場を発車する全便が宇都宮大学(峰キャンパス)を経由する。
16番のりば関東自動車などの高速バスが発着する。
38番のりば関東自動車の路線バスが発着する。
臨時乗降場ロータリーの出口付近に関東自動車用の臨時乗降場があるが、現在はインターパーク宇都宮南行の無料シャトルバス発着所となっている。 ※東武バスが乗り入れていた時は13番乗り場を関東自動車と共用で使用していた(六道経由の一般乗合バスは1992年3月まで、宇都宮競馬場開催時の無料送迎バスは1995年頃まで。) 宇都宮駅東口東口バス乗り場は、宇都宮市川向町・宮みらいにある一般路線バスのバス停留所である。関東自動車の岡本・陽東方面バス路線と企業の通勤用バス(キヤノン・中外製薬など)が発着する。 歴史と現況かつて、宇都宮駅の東側は広大な列車・貨物操車場となっていて多くの鉄道留置線路が敷かれており、そこに駅東口という位置付けの設備が本格的にできたのは近年(2010年前後)の事である。東口は、JR線の西側にある宇都宮駅舎ビルからこの線路群を跨いで東に伸びる東西自由通路(跨線橋)の出入口及びその前に設けられた広場であり、近年の貨物輸送の自動車化やJR宇都宮運転所の規模縮小などによって余剰となった宇都宮駅構内留置線敷地の一部を整備・開設された。その一部は現在交通ロータリーになっている。東口を発着する路線バスの歴史は、当時市東部唯一の学園であった海星女子学院(現在の星の杜中学校・高等学校)の通学向けバスを除けば、西口を発着する柳田方面行路線の一部便を東口経由として設定したのが始まりである。当初は乗り場も1つのみで、駅東口発着路線網は限定的であった。近年の駅東口地区再開発に合わせてバスターミナルが整備され、東口を始発・終着とする路線が多数設定される様になった。しかし、鬼怒川以東まで足を伸ばす路線については依然として中心市街地を始発・終着として駅西口を経由する便が主体となっている。 年表
のりば(東口)1・2番のりば平日は平出工業団地・清原工業団地内の企業が運行する送迎バスが発着する。土日祝日はイベントシャトルバスが使用する場合もある。 3番のりば
4番のりば
5・6番のりば日光や那須方面の宿泊施設の送迎バスが発着するほか、宇都宮周辺地域での大型イベント開催時にシャトルバス発着場としても使用される。 2024年4月からは、西口16番のりば発着だった作新学院大学スクールバスが東口6番のりば発着となる[29]。 脚注
参考文献
関連項目外部リンク |
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