宝塚市
宝塚市(たからづかし)は、兵庫県の南東部(阪神間)に位置する市。阪神北県民局管轄区域。国から施行時特例市に指定されている。宝塚市の「塚」は国や兵庫県では新字体の「塚」を用いているが、宝塚市では画数の1画多い「塚」を用いる[1]。本記事では、概ね「塚」を使用する。 概要![]() ![]() 阪急電鉄を始めとした阪急阪神東宝グループの創始者・小林一三が手がけた宝塚歌劇団の本拠地である宝塚大劇場があり、『歌劇の街』として全国的に有名である。漫画家・手塚治虫が青少年期を過ごした町としても知られる。かつては、阪急電鉄経営の宝塚ファミリーランドや東宝映画の源流の1つである宝塚映画製作所などを有して、阪急東宝グループの文化拠点としてのイメージが強かった。阪急電鉄経営の宝塚ファミリーランドが2003年4月7日(鉄腕アトムの誕生日)に閉鎖され、宝塚ガーデンフィールズ(閉鎖)を経て、今では商業施設やタワーマンション・小学校等に生まれ変わっている。 現在は仁川、逆瀬川、雲雀丘などの閑静な高級住宅街を有する阪神間の住宅都市である。 阪神間北部に位置しており、西は六甲山系、北は長尾山系に囲まれて、中心部を武庫川が流れている。関西の奥座敷として温泉場や1913年(大正2年)から続く宝塚観光花火大会や高級住宅地としても有名である。 一時、伊丹市・川西市・猪名川町と合併構想が持ち上がったが、現在は凍結している。 地理![]() 地形
岩原山(573m)、大峰山(552m)、譲葉山(514m)、社家郷山(489m)、岩倉山(488m)、中山(478m)、樫ヶ峰(457m) 人口宝塚市は、大阪・神戸のベッドタウンとして宅地開発が進み、人口が増加した[2]。市制施行時の人口は4万1581人である[3]。これは、地方自治法でいう市の要件である「人口5万以上」を下回るが、1953年(昭和28年)の町村合併促進法および地方自治法の一部が改正されたことによって、要件を満たしたものであった[3]。その後、1955年(昭和30年)から1975年(昭和50年)までの20年間で人口は3倍となり、1975年には16万人を突破した[4]。このため、宝塚市は「人口急増都市」ともいわれた[5][6]。1955年4月1日に旧長尾村の一部を伊丹市へ分市して以後、市域は変化していないため、この人口増加は合併によるものではなく、社会増や自然増によるものである[4]。1960年以降の5年ごとの人口増加率は40%を記録した[4]。 宝塚市の人口増加の主要原因は社会増であるとされている[5][6]。1955年から1975年までの20年間で毎年約5000人の社会増が続いた[5]。また、1970年以降は年間1万9000人が転入し、1万4000人が転出していた[5]。 人口は2020年の国勢調査で22万6432人に達して以降は減少傾向となっている。2025年8月で22万人を割り込み、2040年の人口は約19万4000人となり、2015年(平成27年)の86.5%に減少すると予測されている[7]。
隣接する自治体・行政区大阪市への通勤率は22.5%である(平成22年国勢調査)。 歴史地名の由来宝塚の「塚」は、「盛り土をした墓(古墳)」を意味する。宝塚は文字通り古墳の名称であるが、宝塚には古墳が多くあり、宝塚と呼ばれていた古墳に関しては諸説あって場所が特定されていない。江戸時代には「宝塚」の地名が使われていた。(後述)
このように古くからある宝塚の名称は、明治になって温泉名や駅名となった後、1951年(昭和26年)に初めて市町村名として採用される。 沿革先史・古代中世
近世
明治以降
第2次世界大戦後
行政市長
※歴代市長[16] →「2013年伊丹・宝塚市長選挙」も参照
財政宝塚市の財政状況は厳しくなっており、国民健康保険は10.9億円の赤字となっている。その為、宝塚市は、平成28年3月より医療費抑制のため、生活習慣病の予防を呼び掛けている。宝塚市は、「生活習慣病は、高血圧や心疾患、糖尿病などが最も多くの医療費がかかっている」と説明している[17]。 2020年、市立病院の赤字は、前年同月比の3.4倍となる約2億280万円に上った[18]。これにより、6年連続の赤字となった。市立病院は、厳しい経営状態が続いている[19]。 2021年時点で、宝塚市は、財政難となっている上、予算に偏りがある[20]。土木費などに予算が行き渡っておらず、インフラ整備などが停滞している[21]。宝塚市の市道などの老朽化率は86%。公共施設の老朽化率は62%。全体で73%に達している。健全値と言われる30%の値から大きく乖離している。10年余り土木費や教育費などを削減し続けたことが、急速悪化の主因と指摘されている[22]。 市庁舎→詳細は「宝塚市役所」を参照
竣工から43年間、階表記がG階(グランドフロア)から始まり、1階、2階・・・と増えるイギリス英語式だった。敷地に高低差があり、駐車場がある東側の入口(G階)と、バス停がある西側の入口(1階)で階が異なるためだったが、利用者からの苦情もあり、2023年2月に第2庁舎が整備されたのに伴い、本庁舎も1階、2階・・・の表記に改められた[23][24]。 2013年の宝塚市役所放火事件では、当時の1階部分にガソリンがまかれて炎上し、1,442平方mが焼損した。 警察
消防
ごみ処理施設宝塚市には宝塚クリーンセンターがある。現在の宝塚クリーンセンターは1988年に稼働した[25]。稼働から既に30年以上経過しているため建て替えが必要とされており、建て替えと運営にかかる総事業費は20年間で最大約681億円となっていた[26]。市は新たなごみ処理施設の建設と管理運営を一括して事業者に発注し、2021年8月に入札公告を実施し、2022年6月に整備工事費と約24年間の管理運営委託費を合わせ、予定価格より16億円少ない約598億円で川崎重工業グループが落札した[27]。整備期間は2022年~2032年で、運営期間は2024年~2047年である[28]。 その他議会宝塚市議会→詳細は「宝塚市議会」を参照
兵庫県議会
衆議院
地域の再開発昭和後期以降、宝塚市では阪急宝塚駅や逆瀬川駅の再開発をはじめとした都市再生計画を急速に進めてきた。 宝塚市は、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方に基づき、持続可能な都市づくりを推進している。都市機能を集約し、公共交通や道路網の整備によってネットワーク化を図ることで、利便性の向上と地域活性化を目指している。 宝塚市中心市街地活性化基本計画では、「商業・サービスが充実した『暮らしやすい』コンパクトなまち」の形成を掲げており、市街地の活性化や都市基盤の整備が進められている。この計画の一環として、都市機能のまちなか立地促進、空きビルの再生、多目的広場の整備などが推進されている。 駅施設
タワーマンション
姉妹都市・提携都市産業金融指定金融機関:平成21年7月より池田泉州銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行3行による輪番制を敷いていたが[29]、2019年に三菱UFJ銀行が指定金融機関を辞退し、現在は池田泉州銀行(西暦の奇数年7月~翌年6月)・三井住友銀行(西暦の偶数年7月~翌年6月)2行による輪番制となっている[30]。 企業
特産品地域教育小学校・中学校市立小・中学校の通学区域は「小中学校の校区表」[31]による。小中一貫教育については、一部の校区で校区割が複雑となっていて市内で統一した対応が困難であることから、校区割の整合が取れている地区についてモデル事例として実施することとされている[32]。2025年度より西谷小・中学校を小規模特認校に指定し、所定の手続きを取れば市内全域から西谷小・中学校に通学することができる[33]。 →「兵庫県小学校の廃校一覧」も参照
高等学校→「兵庫県高等学校の廃校一覧」も参照
特別支援学校各種学校専門学校大学主な文化施設
主な病院主な商業施設
放送メディア住宅団地
その他
交通市街地が広がる市南部を中心に、鉄道網・バス網が整備されている。 鉄道![]() 市の代表駅として、中心的な役割を担っているのは、宝塚駅である。2社3路線(西日本旅客鉄道(JR西日本)福知山線、阪急電鉄宝塚本線・今津線)が当駅を利用している。 なお、市の代表駅である宝塚駅から大阪の梅田方面へ向かう電車のルートは、阪急宝塚本線(川西能勢口・石橋阪大前経由、急行・準急・普通大阪梅田行き)、阪急今津線(門戸厄神・阪急神戸本線塚口経由、準急大阪梅田行き)、JR福知山線(伊丹・尼崎経由、丹波路快速・快速・各駅停車大阪行き)の3つのルートがある。
高速自動車国道一般国道安倉北2丁目で撮影
主要県道
一般県道
バス
空港隣接市の伊丹市には大阪国際空港があり、宝塚市を含め関西一円の航空利用者の交通拠点となっている。宝塚市も、大阪国際空港に対する地元自治体の連合である大阪国際空港周辺都市対策協議会(10市協)の一員である。宝塚市からは、鉄道・バス・自動車[* 9]などにより大阪国際空港へ短時間で容易にアクセスすることができる。 なお、かつては10市協の他の自治体同様に、宝塚市も、大阪国際空港を発着する航空機の騒音に悩まされていたが、航空機の技術革新により騒音問題は大きく改善した。かつては国が定める騒音防止対策区域に宝塚市の一部も含まれていたが、2009年3月6日をもって宝塚市全域は区域の指定を解除され、少なくとも国の行政の視点からは市内の騒音問題は解決済みである[37]。ただし、宝塚市は、さらなる騒音の改善を見据えて、現在も騒音基準の達成状況については詳細な監視を継続している。また、風速5 m/s以上の強い南東の風が吹くときに行われる逆着陸飛行(大阪国際空港の滑走路14R・14Lを使った運用)は、実施される頻度は極めて少ないものの、実施されると航空機が空港北西側のコース(尼崎市~西宮市~宝塚市~川西市のコース)を低空で空港への着陸に向けて飛行し、当該コース下の地域に通常よりも大きな騒音を与える[* 10]。宝塚市は逆着陸飛行による騒音の影響が比較的大きいため、市は大阪国際空港の逆着陸飛行の動向も調査を行っている[37]。 観光
宝塚市の観光客の大部分は日帰りの観光客であり、宿泊者は全体の約1.3%である[38]。また、中心市街地の観光客数は、約150万人前後である。 ![]() ![]() 名所
宿泊・温泉旧跡・宗教施設![]() ![]() 寺院神社その他祭事・催事著名人出身者
名誉市民特別名誉市民
特別市民
宝塚市が舞台になった作品宝塚歌劇団や宝塚音楽学校を題材にした作品は多く、ロケ地としても度々使われている。 小説随筆・エッセイ漫画
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク行政
観光・文化その他
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