酪農学園大学
酪農学園大学(らくのうがくえんだいがく、英語: Rakuno Gakuen University、公用語表記: 酪農学園大学)は、〒069-8501 概要1933年に創設された北海道酪農義塾を起源とする。創立者は日本の酪農業の発展と北海道の開発に貢献し「日本酪農の父」や「北海道開拓の父」と呼ばれた黒澤酉蔵である。単独の私立大学のものとしては日本最大のキャンパスをもつ。 獣医師を養成するための「獣医学科」を持つ全国17大学(うち私立大学は6校)の一つである。なお酪農学園大学では、獣医学部獣医学科とは言われず獣医学群獣医学類と言われている。また食と健康学類の管理栄養士コースは管理栄養士養成施設の一つでもある。 獣医学に関する研究機関でもあり、大学敷地内には酪農学園大学附属動物医療センターがある。 獣医学類は6年制であり、それ以外の学類は4年制である。 概観キリスト教を建学の理念の一つとしている大学で、福音書の神を愛し、隣人を愛すことを最も重要な教えとするイエス・キリストの言葉(マルコによる福音書12章28-34節)に「土を愛する」を加えた三愛精神を掲げている。 また酪農学園大学のもうひとつの建学の精神、健やかな大地が健康な人々を育む「健土健民」の理念は、このキリスト教的なふたつの精神に、「土を愛する」生き方を融合させたこの大学の特質を明瞭に表している。「健土健民」は創立者である黒澤酉蔵の造語である。 毎週火曜日午前10時40分〜12時10分、黒澤記念講堂で礼拝が行われている。 教育は主に動物を扱うことが多く、農業大学の中でも酪農や獣医療に特化した大学である。 沿革
教育及び研究教育各学類共通で1年生の時に建学原論を学ぶ。建学原論では、創立者の黒澤酉蔵による学園創立までの歴史や、建学の理念と思想を知るとともに、酪農学園大学の時代的使命でもある、農商・食糧生産、生命・環境問題、国際協力等の概要について理解を深める。また、建学の理念を根幹に持ち、様々な分野で活躍している卒業生を講師に招き、建学の理念がどのように実践されているかを学ぶ。それらを通して、建学の精神として掲げる「三愛精神」や「健土健民」の意味を理解し、学生自らが酪農学園大学で学ぶ意義と方向性を見い出し、将来、活躍する社会人としての素養を身につけることを目的とする。 組織2011年度からこれまでの学部体制を廃止し、2学群5学類体制に大きく改編された。 農食環境学群
獣医学群
大学院旧組織体制短期大学部酪農学園大学短期大学部は2011年度より学生募集を停止している。 附属機関
構内施設キャンパス札幌市近郊にあり札幌市の中心部からは30分ほどで行くことができる。江別市の大学、高校、教育研究施設などが立地している文京台およびその周辺地域の良好な環境を保護する文教地区に立地している。 酪農という言葉を大学の名に冠しているとおり、キャンパスは農作地や放牧地が多くを占め、緑あふれる風景が広がっている。この風景は第16回江別市都市景観賞の特別部門にも選ばれている。キャンパスの大きさは本学キャンパスだけでも135ha(東京ドーム28個分以上)東京ディズニーランドと東京ディズニーシーとUSJを合わせた広さに値する大きさである。最寄りの駅(大麻駅)から入口まで徒歩5-10分となっているが、キャンパスが広いため目的の建物に到着するにはさらに徒歩10分ほどの時間がかかる。野幌若葉町側の入口からは徒歩15分ほどかかる。JRバスが国道12号線沿いを走っており、大学構内には夕鉄バスが走っている。 キャンパス内へは一般人は自由に立ち入ることが可能で、犬の散歩をしたり、近所の子供たちが遊んでいたりする光景がみられる。また、キャンパス内に夕鉄バスの停留所も存在する。ただし、牛舎などの飼育施設は衛生面上の問題から一般人は立ち入り禁止となっている。車の通行は20キロを上限とし、夜間は安全上、附属動物医療センターの入口からしか出入りができないよう通行規制が行われている。 大学が野幌森林公園に隣接していることもあって、キャンパス内ではエゾシカ、エゾリスやアカゲラ、キタキツネなどの野生動物が普通に観察できる。 2011年4月からは教職員・学生・外来者全てを対象として、学園敷地内が全面禁煙になっている。 附属図書館大学中央館3階~5階にある。
休館日は日曜日・祝日、大学規定の休日(夏季休業期間、冬季休業期間など) 黒澤記念講堂1984年に建設。入口の外と中に黒澤酉蔵の銅像がある。内部は2階建てで、礼拝や講演会などで使用されることがほとんどである。 牛舎自然のサイクルや環境を壊すことなく持続的に資源を利用できるシステムづくりをめざすのが酪農学園大学が掲げる「循環農法」であり、その理念を最新の情報技術やバイオテクノロジーを使って体現しているのが学園内にある牛舎で「インテリジェント牛舎」と呼ばれている。牛の個体管理ができる自動搾乳システムを導入し、牛のふん尿をバイオガスプラントに送って発酵させて発電し、牛舎の電力をまかなっている。さらに、発酵が終わって無臭化した液体は有機肥料として学園内の牧草畑に撒かれて牛の飼料となる牧草を生産することで、牛→ミルク→ふん尿→エネルギー→肥料→牧草(飼料)→牛という環境負荷のない循環を実現している。牛舎とバイオガスプラントを見学に、毎年多くの酪農関係者が訪れる。 健身館・健音館健身館は柔道や剣道など格技系のための4階建てのサークル施設。1階から3階の中心には3つの武道場を備え、各階には体育系サークル専用部室を配置。酪農学園大学の活発なスポーツ活動を支えている。ロッカールームやシャワー室、洗濯スペースなども完備している。 健音館は音楽・演劇サークルの課外活動拠点。部室やライブスペースをはじめ、気兼ねなく練習できる防音室、よさこいソーランや演劇の練習ができる3つの練習場、ピアノ練習室等を備えている。 寮男子寮「希望寮」と女子寮「清温寮」がある。寮は1年生の時に入寮でき独特の規則がある。男子寮は4人部屋と1人部屋が、女子寮は4人部屋、2人部屋、1人部屋がある。1人部屋は男子が4年生から、女子が3年生から利用できる。寮生の大半が道外出身の学生である。 附属動物医療センター酪農学園大学では、他の獣医大学同様キャンパス内に附属動物医療センター(動物病院)が設置されている。 附属動物医療センターの総診療件数は、年間31,000件以上と非常に多い。犬や猫などの伴侶動物は約10,000件で、酪農王国・北海道らしく牛や馬などの大動物は約20,000件にものぼるのが特徴。この附属動物医療センターは2016年4月に臨床獣医学教育研究棟を増築し、医療センターにはコンピュータ断層撮影(CT)や核磁気共鳴画像法(MRI)など最新設備が配置され、獣医学生は幅広い動物診療の実際を体験しながら獣医臨床分野教育と学術研究を実施している。また、診療施設、入院棟、教育研究施設、環境汚染物質・感染病原体分析監視センター、野生動物医学センターなどからなる建物群の施設規模は「日本国内の獣医師養成大学の中で最大規模」である。動物診療はもとより、動物の疾病予防・健康増進等の指導、獣医師の卒業後教育、地域社会の動物愛護運動の啓発・協力などに積極的に取り組む獣医療の拠点となっている。 北海道立動物愛護センター(基幹センター)、愛称:あいにきた酪農学園大学では、大学キャンパス内に北海道立動物愛護センターが設置(2024年4月)されている。 木造平屋建て176.6㎡(事務所84.6㎡、飼育舎55.5㎡、ドッグラン45㎡)。主な業務は、犬猫の収容・譲渡であり、保健所で一定期間収容された犬猫を引き取り、治療やしつけを施して、新たな飼い主へ譲渡する取り組を進める。普及啓発は、動物愛護の考え方を広く道民に普及啓発を進める。関係機関との連携は、北海道の動物愛護の拠点としての役割を果たすため、酪農学園大学や関係団体などと連携を進める。施設の特徴は、動物福祉に配慮(犬猫が快適に過ごせる飼育環境を確保(ドッグランも併設)、環境に配慮(高気密、高断熱、太陽光発電、蓄電施設の導入により、環境に配慮した施設)されている。 学生生活サークル活動酪農学園大学では44の体育会系サークルと31の文化系サークルがあり、大学の特色を生かした馬術部や肉牛研究会、中小家畜研究会、乳牛研究会などがある。体育会系サークル、文化系サークルには部室が与えられていることが多い。 大学祭毎年7月に大学祭での白樺祭がある。各サークルや研究室が屋台などを出している。白樺祭ではヒツジに触れたり、ウマと触れ合うことができるが、牛舎などの飼育施設の立ち入りは衛生面上禁止されている。 入学試験難易度酪農学園大学の獣医学群獣医学類は北海道の私立大学の中で最難関として知られ、一般入試の現役合格率は20-30%である。大学入試センター試験利用の合格者得点率は85%前後以上を必要とする。その他にも獣医学群獣医保健看護学類や管理栄養士コースは人気が高い。 定員獣医学群 計170人 獣医学類120人 獣医保健看護学類50人 農食環境学群 計530人 循環農学類240人 食と健康学類170人 環境共生学類120人 国家試験合格率獣医師国家試験合格率は約85%-約95%(全国平均75%-90%) 管理栄養士国家試験合格率は約97-100%と極めて高い(全国平均は約45-60%) 対外関係地方自治体との協定他大学との協定海外との協定
その他との協定系列校大学関係者と出身者脚注
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