2002年のNFLは、リーグ拡張でAFCにヒューストン・テキサンズが誕生し、シアトル・シーホークスがAFCからNFCに移籍、6地区制から8地区制に移行したシーズンである。2002年9月5日にNFL83回目のレギュラーシーズンが開幕し、2003年1月26日にカリフォルニア州サンディエゴで開催された第37回スーパーボウルを経て、2月2日にハワイ州ホノルルでプロボウルが開催されて終了した。
ドラフト
2002年4月20日-21日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでドラフトが行われ、7巡261名が指名された。全体1位でデビッド・カーがヒューストン・テキサンズに指名された。
主なルール変更
- ディフェンス選手がボールを保有する選手からボールを掻き出す行為をルールブックが禁じていたが、形骸化していたため削除され、正式に認められるようになった。
- 選手がパイロンに触れても、サイドラインに触れていなければアウトオブバウンズとは見なされないようになった。
- プレー後に引き続いて発生した反則はプレー終了地点から罰則が適用されるようになった。
- キッキングプレーにおけるチョップブロックはすべて反則となり、15ヤードの罰退が課されるようになった。
- ターンオーバー後、守備にまわったQBに対するヘルメットによるヒットも正当なブロックを除き、禁じられるようになった。
- オーバータイム、前後半残り2分のみ、キックオフではフィールド上の選手がボールに正当に触れた瞬間からゲームクロックが再開されていたが、すべてのキックオフに適用されるようになった。
- 前後半残り2分でQBサックされた場合、時計が止まっていたが、QBサック後、ボールが次のプレイスポットに置かれるまで時計が止まらないように変更された。
- ビジターチームが攻撃権を有する時にホームチームが人工的な音楽や騒音を起こしてはいけないという規定が追加された。
初めての開閉式屋根を持つリライアント・スタジアムができたことで、屋根の開閉に関するルールが定められた。
- 屋根を開けてゲームを行うか閉じて行うかは、キックオフの 90 分前までに決定する。
- 屋根を閉じてキックオフした場合、ゲーム中に開けることはできない。
- 屋根を開けてキックオフした場合、天候の悪化でゲームの続行に支障を来さない限り閉じることはできない。
日程
6地区制から8地区制に移行するのに伴い、日程の決定方法も改訂された。従来の決定方法では前年度の成績に応じて対戦カードを組んでいたため、チームによっては対戦数が極端に偏っていた[2]。この改訂により、地区単位で毎年ローテーションで対戦を変え、カンファレンス内では3年に1度、カンファレンス外では4年に1度、必ず対戦が行われる制度となった。
レギュラーシーズン
2002年のレギュラーシーズンは9月5日に開幕し、12月30日に全17週の日程を終了した。
各チームの16試合の対戦相手は上記の経緯で規定されたNFLの規則に基づき、前年度の成績や地区ごとのローテーションで自動的に決定された。なお、新日程初年度の前年シーズンの順位は3地区時代の成績に基づき、4地区に組み直したものを使用し、新創設のテキサンズはAFC南地区の最下位に組み込まれた。
- 同地区(ホーム&アウェイ、6試合)
- カンファレンス内他の1地区総当り(4試合)
- カンファレンス内上記除く他地区の前年同順位(2試合)
- 他カンファレンスの1地区総当り(4試合)
2002年の地区外との対戦ルールは以下のようである。
(例)前年王者ペイトリオッツの対戦相手
AFC |
NFC
|
前年 |
西地区 |
南地区 |
北地区 |
東地区 |
西地区 |
南地区 |
北地区 |
東地区
|
1位
|
レイダース |
タイタンズ |
スティーラーズ |
ペイトリオッツ |
ラムズ |
バッカニアーズ |
ベアーズ |
イーグルス
|
2位
|
ブロンコス |
コルツ |
レイブンズ |
ドルフィンズ |
49ERS |
セインツ |
パッカーズ |
レッドスキンズ
|
3位
|
チーフス |
ジャガーズ |
ブラウンズ |
ジェッツ |
シーホークス |
ファルコンズ |
バイキングス |
ジャイアンツ
|
4位
|
チャージャーズ |
テキサンズ |
ベンガルズ |
ビルズ |
カージナルス |
パンサーズ |
ライオンズ |
カウボーイズ
|
:1度対戦、 :2度対戦
レギュラーシーズン順位表
AFC
|
順 位 |
チーム |
地 区 |
勝 |
敗 |
分 |
勝率 |
DIV |
CON |
SOS |
SOV
|
地区優勝
|
1
|
レイダース
|
西
|
11 |
5 |
0 |
.688 |
4-2 |
9-3 |
|
|
2
|
タイタンズ
|
南
|
11 |
5 |
0 |
.688 |
6-0 |
9-3 |
|
|
3
|
スティーラーズ
|
北
|
10 |
5 |
1 |
.656 |
6-0 |
8-4 |
|
|
4
|
ジェッツ
|
東
|
9 |
7 |
0 |
.563 |
4-2 |
6-6 |
|
|
ワイルドカード
|
5
|
コルツ
|
南
|
10 |
6 |
0 |
.625 |
4-2 |
8-4 |
|
|
6
|
ブラウンズ
|
北
|
9 |
7 |
0 |
.563 |
3-3 |
7-5 |
|
|
|
7
|
ブロンコス
|
西
|
9 |
7 |
0 |
.563 |
3-3 |
5-7 |
|
|
8
|
ペイトリオッツ
|
東
|
9 |
7 |
0 |
.563 |
4-2 |
6-6 |
|
|
9
|
ドルフィンズ
|
東
|
9 |
7 |
0 |
.563 |
2-4 |
7-5 |
|
|
10
|
ビルズ
|
東
|
8 |
8 |
0 |
.500 |
2-4 |
5-7 |
|
|
11
|
チャージャーズ
|
西
|
8 |
8 |
0 |
.500 |
3-3 |
6-6 |
|
|
12
|
チーフス
|
西
|
8 |
8 |
0 |
.500 |
2-4 |
6-6 |
|
|
13
|
レイブンズ
|
北
|
7 |
9 |
0 |
.438 |
3-3 |
7-5 |
|
|
14
|
ジャガーズ
|
南
|
6 |
10 |
0 |
.375 |
1-5 |
4-8 |
|
|
15
|
テキサンズ
|
南
|
4 |
12 |
0 |
.250 |
1-5 |
2-10 |
|
|
16
|
ベンガルズ
|
北
|
2 |
14 |
0 |
.125 |
0-6 |
1-11 |
|
|
タイブレーク
|
|
|
NFC
|
順 位 |
チーム |
地 区 |
勝 |
敗 |
分 |
勝率 |
DIV |
CON |
SOS |
SOV
|
地区優勝
|
1[a]
|
イーグルス
|
東
|
12 |
4 |
0 |
.750 |
5-1 |
11-1 |
|
|
2[a][b]
|
バッカニアーズ
|
南
|
12 |
4 |
0 |
.750 |
4-2 |
9-3 |
|
|
3[a][b]
|
パッカーズ
|
北
|
12 |
4 |
0 |
.750 |
5-1 |
9-3 |
|
|
4
|
49ers
|
西
|
10 |
6 |
0 |
.625 |
5-1 |
8-4 |
|
|
ワイルドカード
|
5
|
ジャイアンツ
|
東
|
10 |
6 |
0 |
.625 |
5-1 |
8-4 |
|
|
6
|
ファルコンズ
|
南
|
9 |
6 |
1 |
.594 |
4-2 |
7-5 |
|
|
|
7
|
セインツ
|
南
|
9 |
7 |
0 |
.563 |
3-3 |
7-5 |
|
|
8
|
ラムズ
|
西
|
7 |
9 |
0 |
.438 |
4-2 |
5-7 |
|
|
9
|
シーホークス
|
西
|
7 |
9 |
0 |
.438 |
2-4 |
5-7 |
|
|
10
|
レッドスキンズ
|
東
|
7 |
9 |
0 |
.438 |
1-5 |
4-8 |
|
|
11
|
パンサーズ
|
南
|
7 |
9 |
0 |
.438 |
1-5 |
4-8 |
|
|
12
|
バイキングス
|
北
|
6 |
10 |
0 |
.375 |
4-2 |
5-7 |
|
|
13
|
カージナルス
|
西
|
5 |
11 |
0 |
.313 |
1-5 |
5-7 |
|
|
14
|
カウボーイズ
|
東
|
5 |
11 |
0 |
.313 |
1-5 |
3-9 |
|
|
15
|
ベアーズ
|
北
|
4 |
12 |
0 |
.250 |
2-4 |
3-9 |
|
|
16
|
ライオンズ
|
北
|
3 |
13 |
0 |
.188 |
1-5 |
3-9 |
|
|
タイブレーク
|
- ^ a b c カンファレンス勝率でイーグルスの1位が確定
- ^ a b 直接対決(第12週)でバッカニアーズがパッカーズに勝利
|
|
プレイオフ
トーナメント表
新記録
キャリア記録
記録 |
選手名 |
チーム |
記録 |
達成日 |
対戦相手 |
前記録保持者 |
現役年 |
記録
|
最多獲得ヤード
|
ジェリー・ライス |
レイダース |
21,284ヤード |
9月29日 |
タイタンズ |
ウォルター・ペイトン |
1975–1987 |
21,264ヤード
|
最多ラッシング獲得ヤード
|
エミット・スミス |
カウボーイズ |
18,355ヤード (2004年、引退時) |
10月27日 |
シーホークス |
ウォルター・ペイトン |
1975–1987 |
16,726ヤード
|
シーズン記録
記録名 |
チーム |
記録 |
前記録保持チーム |
達成年 |
前記録
|
最少ファンブル
|
チーフス |
7 |
ブラウンズ |
1959年 |
8
|
最少ファンブルロスト
|
チーフス |
2 |
2チームタイ記録 |
N/A |
3
|
最多パント
|
オイラーズ |
116 |
ベアーズ |
1981 |
114
|
ゲーム記録
記録名 |
選手名 |
記録 |
達成日 |
対戦相手 |
前記録保持者 |
達成日 |
前記録
|
QBラッシング最長記録
|
マイケル・ヴィック(ファルコンズ) |
173ヤード |
12月1日 |
バイキングス |
トビン・ロート |
1951年11月18日 |
150ヤード
|
記録名 |
チーム |
記録 |
達成日 |
前記録保持者 |
記録
|
両チーム合計ファーストダウン
|
シーホークス(32)VSチーフス(32) |
64 |
11月24日 |
2試合タイ記録 |
62
|
プレイ記録
記録名 |
選手名 |
記録 |
達成日 |
対戦相手 |
前記録保持者 |
達成日 |
前記録
|
フィールドゴールリターン最長記録
|
クリス・マカリスター(レイブンズ) |
107ヤード |
9月30日 |
ブロンコス
|
アーロン・グレン |
1998年11月15日 |
104ヤード
|
受賞者
プロボウル
詳細は「2003年のプロボウル(英語版)」を参照
プロボウル2003
|
AFC
|
クォーターバック
ランニングバック
ワイドレシーバー
タイトエンド
|
タックル
ガード
センター
ディフェンスエンド
ディフェンスタックル
|
アウトサイドラインバッカー
インサイドラインバッカー
コーナーバック
セイフティー
スペシャルチーム
|
|
NFC
|
クォーターバック
ランニングバック
ワイドレシーバー
タイトエンド
|
タックル
ガード
センター
ディフェンスエンド
ディフェンスタックル
|
アウトサイドラインバッカー
インサイドラインバッカー
コーナーバック
セイフティー
スペシャルチーム
|
|
脚注
- ^ 日本円は当時のレートによる
- ^ レギュラーシーズンにおいて、レイダースとスティーラーズが19年間対戦がなく、ブロンコスとドルフィンズは15年間で1度しか対戦が無い時期があった。