サッカーポルトガル代表 (サッカーポルトガルだいひょう、ポルトガル語 : Selecção Portuguesa de Futebol )は、ポルトガルサッカー連盟 (FPF)によって構成される、ポルトガル のサッカー のナショナルチーム である。
歴史
1960年代 - 1990年代
初出場となった1966年のイングランドW杯 では、準々決勝で北朝鮮 相手に0-3から5得点して逆転勝ちするなど、3位に入った[ 1] 。しかしその後は低迷し、国際大会の予選敗退が続いた。1984年のUEFA欧州選手権1984 で久々に国際舞台に立ち、ベスト4に進出し、2年後のメキシコW杯 では欧州予選 の最終戦で地区予選通算で無敗の西ドイツ にアウェイで勝利して本大会出場を決めるが、グループステージ敗退に終わり、その後再び低迷した。
この状況を打破したのが1989年 、1991年 のFIFAワールドユース選手権 で優勝したルイス・フィーゴ 、ルイ・コスタ 、パウロ・ソウザ 、フェルナンド・コウト 、ジョアン・ピント らを筆頭とするゴールデン・ジェネレーション(黄金世代 )であった。1996年のUEFA EURO '96 で初めてフル代表での国際大会に挑んだ彼らは、「アコーディオン・システム」と呼ばれる中盤での頻繁なポジションチェンジとパスサッカーを駆使してベスト8進出を果たした。
2000年代 - 2010年代
UEFA EURO 2000 ではFW にヌーノ・ゴメス という人材を得てベスト4に入った。2002年日韓W杯 では優勝候補として挙げられるも、グループリーグ初戦のアメリカ 戦で敗れ、同最終戦の韓国 戦では退場者を2人も出すというアクシデントもあって0-1で敗れ、グループリーグ敗退となった。この大会を最後に黄金世代の多くが代表引退を表明した。
開催国として出場したUEFA EURO 2004 では初戦、ギリシャ に敗れグループリーグ敗退の危機に陥ったが、ルイス・フェリペ・スコラーリ 監督は大幅なメンバーの入れ替えを敢行し、クリスティアーノ・ロナウド 、デコ 、リカルド・カルヴァーリョ ら黄金世代に代わる新戦力を軸に決勝進出を果たし、決勝でギリシャに再び敗れたものの準優勝となった[ 2] 。
その後も世代交代が進み、ベテランと若手が噛み合わさり2006年ドイツW杯 ではエウゼビオ 時代以来40年ぶりとなるワールドカップでのベスト4進出を果たした[ 3] 。UEFA EURO 2008 ではドイツ に敗れベスト8[ 4] 、2010年南アフリカW杯 ではスペイン に敗れベスト16[ 5] 。UEFA EURO 2012 では2大会ぶりのベスト4進出を果たしたが、スペインに延長PK戦 の末敗れた[ 6] 。2014年ブラジルW杯 では最終的には勝ち点4でアメリカ と並んだものの、ドイツとの初戦で0-4の大敗を喫したことが響きグループリーグで敗退した[ 7] 。
UEFA EURO 2016 ではグループリーグでは3引き分けと苦しむが[ 8] 、ラウンドオブ16ではクロアチア に延長後半12分のリカルド・クアレスマ のゴールで1-0で勝利[ 9] 、準々決勝でポーランド にPK戦の末勝利[ 10] 、準決勝でウェールズ にロナウド の1ゴール1アシストで勝利し[ 11] 、3大会ぶりに決勝進出。決勝 で地元フランス を相手に、エデル の延長後半4分ゴールが決勝点となり、1-0で勝利、UEFA欧州選手権 で初優勝を果たした[ 12] 。ポルトガルの主要大会でのタイトルは歴史上これが初めてである。
欧州選手権優勝により、FIFAコンフェデレーションズカップ2017 に出場。グループAを2勝1分の首位で準決勝に進出したものの[ 13] 、チリ に0-0からのPK戦で敗れ[ 14] 、3位決定戦でメキシコ に延長の末2-1で勝利、3位となった[ 15] 。
2018 FIFAワールドカップ では、欧州選手権チャンピオンとして優勝候補に挙げられる一方で、クリスティアーノ・ロナウドが前回大会に続いて前年度のバロンドール に選出されたことから、いわゆる「バロンドールの呪い」のジンクスを指摘する向きもあった[ 16] 。グループB では、スペインとの初戦でロナウドがハットトリック を記録する[ 17] など1勝2分の2位で、2大会ぶりに決勝トーナメント進出を果たしたが、決勝トーナメント 初戦のウルグアイ 戦で、エディンソン・カバーニ に2ゴールを許し1-2で敗退した[ 18] 。
2020年代
1年順延されたUEFA EURO 2020 ではグループリーグ初戦でハンガリー に勝利するも[ 19] 、第2戦のドイツ戦で敗れ[ 20] 、前回の2016年大会決勝の再現となった第3戦のフランス戦では引き分け[ 21] 、1勝1敗1分けの勝ち点4の3位で通過した。ラウンドオブ16ではベルギー に敗れ[ 22] 、大会2連覇はならなかった。カタール で行われた2022 FIFAワールドカップ では、準々決勝でモロッコ に0-1で敗れベスト8となった[ 23] 。
2023年のUEFA EURO 2024予選 ではスロバキア やルクセンブルク などとグループJ に入り、10戦全勝・得失点差+34という圧倒的な内容で突破し、本選出場を決めた[ 24] 。翌年ドイツで開催された本大会 では、グループF の初戦・第2戦でそれぞれチェコ 、トルコ に勝って1試合を残して首位通過が確定[ 25] 。最終戦ではターンオーバーを実施したこともあり、格下のジョージア に0-2で敗れた[ 26] 。決勝トーナメント 1回戦でスロバキア に勝利した後[ 27] 、準々決勝でフランスに負け[ 28] 、2大会連続のベスト8であった。なお決勝トーナメント2試合の決着はいずれもPK戦までもつれ込んだ。
4季連続のリーグA で迎えたUEFAネーションズリーグ2024-25 では、クロアチア、スコットランド 、ポーランドと同組となり、4勝2分の無傷で首位通過を果たした[ 29] 。決勝ラウンド では準々決勝第2戦でデンマーク を5-2で圧倒すると[ 30] 、準決勝でドイツに逆転勝ちを収める[ 31] 。前年の欧州選手権を制したスペインとの決勝では2度リードを許しながらもPK戦に持ち込み、5-3で同国を破って2度目の栄冠を手にした[ 32] 。
成績
優勝 準優勝 3位 4位
FIFAワールドカップ
UEFA欧州選手権
UEFAネーションズリーグ
FIFAコンフェデレーションズカップ
開催年
結果
試合
勝利
引分
敗戦
得点
失点
2017
3位
5
3
2*
0
9
3
合計
出場1回/優勝0回
5
3
2*
0
9
3
オリンピック
選手
監督
記録
最多出場・最多得点者であるクリスティアーノ・ロナウド
出場数ランキング
2023年 11月20日 時点[ 33]
水色は現役代表選手
#
名前
出場
得点
初出場
最終出場
1
クリスティアーノ・ロナウド
205
128
2003年8月20日
2023年11月20日
2
ジョアン・モウティーニョ
146
7
2005年8月17日
2022年6月9日
3
ぺぺ
134
8
2007年11月21日
2023年6月20日
4
ルイス・フィーゴ
127
32
1991年10月12日
2006年7月8日
5
ナニ
112
24
2006年9月1日
2017年7月2日
6
フェルナンド・コウト
110
8
1990年12月19日
2004年6月30日
7
ルイ・パトリシオ
107
0
2010年11月17日
2023年3月26日
8
ブルーノ・アルヴェス
96
11
2007年6月5日
2018年6月7日
9
ルイ・コスタ
94
26
1993年3月31日
2004年7月4日
10
リカルド・カルヴァーリョ
89
5
2003年10月11日
2016年6月22日
得点数ランキング
2023年 11月20日 時点[ 34]
水色は現役代表選手
#
名前
得点
出場
得点率
初出場
最終出場
1
クリスティアーノ・ロナウド
128
200
0.62
2003年8月20日
2023年11月20日
2
ペドロ・パウレタ
47
88
0.53
1997年8月20日
2006年7月8日
3
エウゼビオ
41
64
0.64
1961年10月8日
1973年10月13日
4
ルイス・フィーゴ
32
127
0.25
1991年10月12日
2006年7月8日
5
ヌーノ・ゴメス
29
79
0.37
1996年1月24日
2011年10月11日
6
エルデル・ポスティガ
27
71
0.38
2003年6月13日
2014年11月14日
7
ルイ・コスタ
26
94
0.28
1993年3月31日
2004年7月4日
8
ナニ
24
112
0.21
2006年9月1日
2017年7月2日
9
ジョアン・ピント
23
81
0.30
1991年10月12日
2002年6月14日
10
ネネ (英語版 )
22
66
0.33
1971年4月21日
1984年6月23日
シモン
22
85
0.26
1998年10月18日
2010年6月29日
脚注
^ “ポルトガル 5-3 北朝鮮 | 歴代の名勝負 | 1966 FIFAワールドカップ ”. FIFA. 2025年7月11日閲覧。
^ “[EURO 2004年の奇跡を再び…ギリシャ監督「04年のチームは我々を奮い立たす」]”. ゲキサカ (2012年6月22日). 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2018年6月8日). “【2006年 ドイツW杯】イタリアが4度目の栄冠も…“パーフェクト”な大会が迎えた衝撃の結末 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ “強いドイツが帰ってきた!=ポルトガル 2−3 ドイツ ”. スポーツナビ (2025年6月2日). 2025年6月4日閲覧。
^ “【W杯】スペインが1-0でポルトガルを破る-パラグアイと対戦へ ”. Bloomberg.com (2010年6月29日). 2025年6月4日閲覧。
^ “不発のロナウド、PKも蹴れず無念の敗退 サッカー欧州選手権 ”. www.afpbb.com . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2014年6月27日). “C・ロナウド決勝弾のポルトガル、ガーナ撃破もGL敗退決定 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2016年7月10日). “悲願の初優勝か、16年ぶり3度目Vか…ユーロ2016決勝でポルトガルとフランスが激突 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2016年6月26日). “120分の死闘…クロアチア撃破のポルトガル指揮官「選手を信頼していた」 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ “【準々決勝】ポルトガル4強入り:時事ドットコム ”. 時事ドットコム . 2025年6月4日閲覧。
^ “[EURO C・ロナウドがウェールズ沈める1G1A!!ポルトガルが3大会ぶりの決勝進出]”. ゲキサカ (2016年7月7日). 2025年6月4日閲覧。
^ “ロナウドが歓喜の涙、ポルトガルが延長でフランス下しEURO初優勝 ”. www.afpbb.com . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2017年6月25日). “C・ロナウドが2戦連発…ポルトガル、ニュージーランドに4発快勝で首位通過 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2017年6月29日). “GKブラボがPK戦で驚異の3連続セーブ!…チリがポルトガル破り決勝進出 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2017年7月2日). “C・ロナ不在のポルトガル、ペペ劇的同点弾と因縁のPKでメキシコに逆転勝利 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ “呪いをかけられたドイツとポルトガル 決して優勝できない不幸のジンクスとは ”. 産経WEST . 産経デジタル (2018年6月7日). 2018年7月2日閲覧。
^ “C・ロナウドが意地のハット!! 監督電撃交代スペインとの壮絶な打ち合いはドロー決着 ”. ゲキサカ (2018年6月16日). 2025年6月4日閲覧。
^ “カバーニ2発も負傷交代…ウルグアイが堅守速攻でポルトガル撃破!8強でフランスと対戦 ”. ゲキサカ (2018年7月1日). 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2021年6月16日). “2発のC・ロナウドがEURO新記録! 前回王者ポルトガル、ハンガリー下して白星発進 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ “ドイツが前回王者ポルトガルに4発逆転!“死の組”は混沌の最終節へ ”. ゲキサカ (2021年6月20日). 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2021年6月24日). “ポルトガル、フランスと引き分け3位突破! C・ロナウド&ベンゼマが2発 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2021年6月28日). “前回王者ポルトガルが敗退…ベルギー、アザール弟の強烈ミドル弾で優勝候補対決を制す ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ “驚異のヘディング弾でモロッコがアフリカ勢初の4強進出!! ポルトガルはC・ロナウド投入も攻撃沈黙で終戦 ”. ゲキサカ (2022年12月11日). 2023年3月28日閲覧。
^ ゲキサカ編集部 (2023年11月20日). “セルビアが本戦初出場を決定!ポルトガルは10連勝36得点2失点の驚異的成績で予選を終える:EURO2024予選第10節 ”. ゲキサカ . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2024年6月23日). “ポルトガルがF組首位攻防戦を制し決勝T進出決定! B・シウヴァ先制弾など3発でトルコを下す ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ “ジョージア代表がポルトガル相手に金星!グループ3位で決勝T進出!チェコは一歩及ばず…【26日結果まとめ/ユーロ2024】 ”. フットボールチャンネル (2024年6月26日). 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2024年7月2日). “大会史上初となるPK戦での“3本連続ストップ”! ポルトガルを勝利に導いたD・コスタ「自分の直感に従った」 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ Co.,Ltd, livedoor (2024年7月6日). “PK戦を制してフランス代表がベスト4進出! ポルトガル代表はJ・フェリックスが痛恨の失敗 ”. サッカーキング . 2025年6月4日閲覧。
^ ゲキサカ編集部 (2024年11月16日). “ポルトガルとスペインが首位通過! スイスは痛恨失点で降格が決定:UNL第5節 ”. ゲキサカ . 2025年6月9日閲覧。
^ “デンマークに封殺のポルトガル、マルティネス監督は「最悪の試合だった」とバッサリ ”. 超ワールドサッカー! . 2025年6月9日閲覧。
^ 佐藤隆志. “【欧州NL】40歳ロナウド決勝点!ポルトガルがドイツ逆転し決勝進出 国際Aマッチ137点目 - 海外サッカー : 日刊スポーツ ”. nikkansports.com . 2025年6月9日閲覧。
^ “ポルトガルが欧州NL制覇 PK戦の末スペイン下す ”. www.afpbb.com (2025年6月9日). 2025年6月9日閲覧。
^ “Portugal international footballers ” (英語). eu-football.info . 2019年8月25日閲覧。
^ “Portugal national football team goal scorers ” (英語). eu-football.info . 2019年8月25日閲覧。
関連項目
外部リンク
ポルトガルのサッカー
ナショナルチーム リーグ構成 国内カップ 賞 関連項目