マクラーレン・MCL33
マクラーレン・MCL33 (McLaren MCL33) は、マクラーレンが2018年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。 概要2018年2月23日に正式発表された[1]。パワーユニットは前年までのホンダからルノーに変更され[2]、カラーリングはマクラーレン伝統のパパイヤオレンジにブルーが添えられている[3]。 マシンのサイドポッドは他チームのマシン同様かなり小さく絞り込まれ、フロントウイングステーは前年のMCL32同様多くのスリットが入れられている。フロアには縦方向と横方向に細かなスリットが数多く入れられており、フロア下の気流に気を遣っている[1]。ホンダからルノーへのパワーユニット変更に伴い、シャシー後部、ギアボックスのベルハウジング、リアサスペンション、冷却レイアウトが再設計された[3]。 第5戦スペインGPから、先端に3つの穴を開けた奇抜な形状のノーズなど大幅なアップデートを施した「Bスペック」を投入した[4]。 全チーム中唯一、エアインダクションボックス下に冷却装置を配置する「センタークーリング」を採用しなかった。 2018年シーズンドライバーはフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンの両者とも残留。 この年もプレシーズンテストでトラブルが続発[5]。ただ、トラブルのうち、PU関連のものよりシャシー関連のトラブルが多く[6]、これらのトラブルが準備不足なのか設計の甘さなのかは不明だが、同じPUを積むレッドブルとルノーF1は類似のトラブルは起こしていない。そのため、ホンダPU時代から言われていたシャシー設計を含むマクラーレン側にも何らかの問題があるのではという指摘が正しいことを示唆する結果となってしまった[7]。トラブルが響き、最終的な走行距離は全10チーム中最下位だが[8]、アロンソが総合タイムでトップ3に入り[9]、開幕戦のオーストラリアGPでアロンソが5位、バンドーンが9位とダブル入賞を果たし、一旦は不安要素を払拭した。 第5戦スペインGPまでチームとして連続入賞を果たし、チームが本命のマシンと称するBスペックを投入した同GPでアロンソが今季初のQ3へ進出を果たし、第6戦モナコGPもQ3進出を果たした。また、ポイントだけ見れば、前年の成績をスペインGPの段階で上回るなど、一見すると不振から脱したように見えた。だが、第6戦以降はマシントラブルのリタイアもあり全体的に失速。以降も幾度か入賞を果たしたものの、実際のところはそれに該当するGPにおいて予選Q3に進出していたマシンの不振やアロンソの奮闘に助けられた面がある。現に予選Q3勢が完走した第8戦フランスGPでは2台ともQ1敗退かつノーポイントだが、第9戦オーストリアGPではメルセデスのダブルリタイアを筆頭に予選Q3勢が少なくなるとアロンソが入賞圏内に入るという状況であり、純粋なマシンの戦闘力では他チームと勝負できているとは言えなかった。 チームとしてはザク・ブラウンCEOがマシンに風洞テストでは現れない空力問題があると語り[10]、前年のMCL32よりダウンフォースが少ないことも認めている[11]。 マシンの戦闘力不足はシーズンが進むにつれ表面化し、シーズン前半戦は予選決勝共にまずまずの結果を残していたが、後半戦は予選Q1落ちやテールエンダ―の常連という状況になるまで低迷。とくにバンドーンのシャシーにだけダウンフォースが抜けてしまう問題などが発生した。結果だけ見れば、コンストラクターズ6位の62ポイントを獲得やオーストラリアGPのアロンソの5位入賞など前年度からは改善したが、ホンダ時代2016年シーズンの76ポイントには及ばず、ルノーPUを採用すれば優勝できると豪語していた目論見は妄言に終わった[12]。 スペックシャシーMCL32 (上) とMCL33(下)の比較
パワーユニットエンジン
エネルギー回生システム
トランスミッション
記録
脚注
|
Portal di Ensiklopedia Dunia