一般用医薬品の種類と有効成分
ここでは、日本において一般用医薬品(OTC医薬品)の種類と使用される有効成分を挙げるものとする。国によって認可されていたり、されていなかったりする成分もあることに留意。 神経系作用薬風邪薬風邪症候群の諸症状の緩和を目的とし、解熱鎮痛成分、くしゃみ、鼻水抑制成分、抗炎症成分などを含んだ風邪薬を総合感冒薬と呼ぶ。以下の成分が用いられる。
解熱鎮痛薬前述の風邪薬における解熱鎮痛成分を主剤とした薬品。解熱鎮痛成分のほか、鎮静成分、局所麻酔成分などが配合される。成分は風邪薬を参照。 鎮咳去痰薬鎮咳とは咳を鎮める、去痰とは痰を切る、これらの症状を緩和させる薬品のこと。風邪薬に配合されていることも多い。トローチ型の薬では殺菌消毒成分(塩化セチルピリジニウムなど)を含む場合もあるが、その場合は噛み砕いては効果を発揮できない。 睡眠改善薬ジフェンヒドラミン塩酸塩は、眠くなる副作用を逆に主作用に利用したもので、エスエス製薬のドリエルが、日本で初めて市販化。あくまで睡眠“改善”薬であり、医療用の睡眠薬ではない。ほかに鎮静成分としてブロムワレリル尿素、イソプロピルアセチル尿素などが配合されている。抗ヒスタミン剤を用いない、生薬製剤、漢方薬製剤の商品もある。 眠気防止薬カフェインは睡眠防止に用いられるほか、酔い止め、鎮痛薬などにも用いられる。ただし、その場合は頭痛緩和の補助的説明で用いられ、眠気防止を標榜することはできない(実際、プラセボを除き、医薬的な効果はない)。 乗り物酔いの薬(鎮暈薬)鎮暈とはめまいを鎮めること。乗り物酔いの原因は平衡機能の異常によるものであるため、それらによる吐き気、頭痛などを緩和する目的のもので、様々な作用を持った成分を配合している。
小児用鎮静薬主として疳の虫対策に用いられる。1か月以上の長期連用を目的としているものが主流で、生薬成分を用いている。
口腔咽喉薬、含嗽薬主に口腔内の炎症を緩和するものであり、外用薬に属する。剤型はトローチやドロップになったものも多いが、これらは咬まずにゆっくり溶かす必要がある。抗炎症成分(風邪薬の項)や殺菌消毒成分が含まれる。
胃腸薬健胃薬・胃腸薬消化不良、食欲不振、胃の痛み、胸焼け、腹部膨満感などに効果を発揮する。以下の成分が用いられることが多い。
整腸薬腸の働きを調えるもので、腸内細菌を整えるために生菌(善玉菌)を配合した物が多い。 止瀉薬止瀉とは腹下し(下痢)を止めること。以下の成分が知られる。また、食中毒、食あたりなどでは止瀉薬を用いると体内の毒素を排出できなくなるため、危険である。
瀉下薬(一般に便秘薬)瀉下とは腸の運動を活発させ、排便を促進することで、一般に便秘薬のこと。瀉下薬は女性の購入が多い商品だが、大腸運動性成分が含まれているものを妊婦に用いると早産、流産のおそれがあるので注意が必要である。
胃腸鎮痛鎮痙薬胃腸の痛みや差し込み用の薬品。厳密には胃腸薬とは分類される。
浣腸・坐剤肛門に注入する。 駆虫薬腸内に寄生した回虫、蟯虫の駆除に用いる。市販されている類は極めて少ない。
血液に作用する薬強心薬一般用では専ら生薬成分を用いる。
コレステロール改善薬高コレステロール症状の改善に用いられる。 貧血用薬鉄分不足による貧血を補う薬品。内臓出血など病性のものは対象としていない。また、タンニン酸を含む飲料と併用すると、吸収が悪くなる。 痔治療薬痔疾の治療薬には外用するものと内服するものがあり、主に外用薬が用いられる。 外用薬(坐剤、注入軟膏、塗布薬など)
痔疾治療用内服薬主に生薬が用いられることが多い。 泌尿器用薬残尿感や頻尿、尿漏れなどに用いられる薬のこと。主に生薬が用いられる。 婦人薬更年期障害や月経などに伴う体調の不良を対象とした薬品。主に生薬を用いる。また、ビタミン類を配合していることも多い。
アレルギー用薬花粉症、ハウスダスト症候群などのアレルギー(主にアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎)症状に対する改善薬の総称。アトピーは対象ではなく、また喘息の場合も対象となる医薬品は極めて少ない。
鼻炎用点鼻薬鼻粘膜の炎症や急性鼻炎を対象とする。
点眼薬目の疲れ、かすみ、乾燥、結膜炎、ものもらいなどを治療したり緩和したりする薬。液体を目に入れて用いる。
外皮用薬塗布剤(塗り薬)、貼付剤(貼り薬)、噴霧剤(スプレー)などの剤型がある。 殺菌消毒薬ここでは、外皮に用いる殺菌消毒薬を指し、それ以外の消毒薬類は後述の項目を参照。
外皮用薬(一般に塗り薬、貼り薬と呼ばれているもの)
毛髪用薬発毛剤や発毛促進剤など。 精力増強剤外皮用のほか、飲用する場合もある。全ての成分が第一類医薬品に属する。 歯や口中に用いる薬歯痛、歯槽膿漏用薬薬用歯磨などを含め、主に歯槽膿漏、歯肉炎などの改善に用いる。 外用薬(主に歯磨きタイプ)
歯槽膿漏用内服薬
口内炎治療薬
禁煙補助剤タバコに含まれるニコチンをタバコ以外から摂取することで、徐々に禁煙を促すもの。それまでは咀嚼タイプのみであったが、2008年6月からは経皮吸収タイプのパッチ剤が販売された。 滋養強壮保健薬俗に滋養強壮薬と呼ばれ、一般にドリンク形式のものはドリンク剤、ビタミンやミネラルが入った保健薬はビタミン剤と呼んでいる。
その他の漢方薬その他の医薬品公衆衛生薬消毒薬
殺虫剤・忌避剤→「殺虫剤の一覧」も参照
一般用検査薬 |
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