十字屋敷のピエロ
『十字屋敷のピエロ』(じゅうじやしきのピエロ)は、東野圭吾の推理小説。単行本は講談社から1988年12月に刊行[1]され、1992年2月に講談社文庫版が刊行[2]された。版を重ね、2024年7月5日で102版。2024年12月13日に講談社文庫の新装版が刊行される。 概要資産家一族に降りかかる惨劇の様子が、ピエロ人形「僕」の視点を交えながら語り継がれて行く本格長編推理小説。ただの人形でしかない「僕」に対しては、犯罪者達も無防備だった。ラストには、「僕」の心に澱を残す、意外な結末が用意されている。 あらすじ竹宮産業社長一家が暮らす十字屋敷に、不気味なピエロ人形が持ち込まれた。その夜、女社長・頼子は屋敷内で転落死を遂げる。その瞬間を目撃したのは、ただ一体のピエロ人形のみだった。 頼子の四十九日、妹・琴子から姉の死の真相究明を託された竹宮水穂は十字屋敷を訪れる。従妹の佳織に迎えられ、祖母・静香や家政婦・鈴枝に挨拶を交わす中、ピエロ人形の製作者の息子・悟浄が姿を現す。彼はその人形を「不幸をもたらす悲劇のピエロ」だと語り、買い取りを懇願するが、当主・宗彦が不在のため一旦は引き下がる。 その夜、屋敷では晩餐会が開かれる。下宿人の大学院生・青江、出入りの美容師・永島、会社役員・松崎、頼子の妹・和花子とその夫・勝之らが集う中、深夜、宗彦がオーディオ・ルームで刺殺される。その光景もまた、ピエロ人形だけが目撃していた。 翌朝、宗彦の遺体が発見される。傍らには、宗彦の不倫相手である秘書・三田理恵子も胸を刺され絶命していた。警察は外部犯の線で捜査を開始するが、水穂は内部犯の可能性を疑う。青江は、水穂を除く屋敷の人間たちが皆、多かれ少なかれ宗彦に恨みを抱いており、殺害の動機は十分にあったと語る。 登場人物
書籍情報
脚注出典
外部リンク『十字屋敷のピエロ』(東野 圭吾、熊谷 博人、安彦 勝博):講談社ノベルス - 講談社BOOK倶楽部・講談社 |
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