鴨川シーワールド
鴨川シーワールド(かもがわシーワールド、Kamogawa Seaworld)は、千葉県鴨川市にある大規模な総合海洋レジャーセンターである。東条海岸と国道128号に挟まれて立地し、グランビスタ ホテル&リゾートが運営する。 概要1970年10月に八洲観光株式会社が開業した。イルカやアシカなど海獣の展示飼育に力を入れ、猛獣とされていたシャチを男性が飼育調教した。シャチ以外の海獣によるパフォーマンスショーもある。 シーワールドの開園を契機に、海水浴程度の観光地であった鴨川に「鴨川グランドタワー」をはじめとするリゾートホテル、旅館、保養施設などが開業し、南房総は通年リゾート地に変貌した。シーワールド敷地内で1971年に直営ホテル「鴨川シーワールドホテル」を開業した。 1986年に八洲観光が三井観光開発(旧北炭観光、現グランビスタ)に吸収合併されて以降、同社の主要施設となった。1987年にシャチパフォーマンス専用で約2,000人収容可能なオーシャンスタジアムの新設、1996年12月に屋内水族館パノリウムをリニューアルしたエコエクアローム、1998年7月にロッキーワールドとアシカパフォーマンス専用のロッキースタジアム(約1,000人収容)の新設、2001年7月に南太平洋の魚類を展示するトロピカルアイランドとウミガメの浜の新設と、展示施設を拡大した。 施設![]()
ディスカバリーガイダンスバックヤード等を見学出来るツアーや海獣とのふれ合い体験を有料の「ディスカバリーガイダンス」として、ロッキーワールド開設時より本格的に毎日実施している。当日、園内案内所にて参加券を先着順で購入する。土休日と夏休み期間などのピーク期は人気であるため、2005年頃から開園30分前に整理券を配布し、そこからの先着順で販売するようになった。ファンクラブ組織の「ドルフィンドリームクラブ」会員は料金が優待される。予め参加券がセットされた入園券プランや鴨川シーワールドホテルの宿泊プランも設定される時もある。 ガイドウォーキングツアー原則1日1回実施する。ゴールデンウィーク等のピーク期には2回以上実施する場合もある。
海獣とのふれ合い
広告・タイアップなど
シャチ2024年5月以降は「ラビー」(メス・1998年1月11日生)、「ララ」(メス・2001年2月8日生)、「ルーナ」(メス・2012年7月19日生)の3頭を飼育している。ラビー、ララは姉妹、ルーナはラビーの娘である。名古屋港水族館では当館で生まれたアースとリンが飼育されている。神戸須磨シーワールドではかつて当館で飼育されていたステラと当館で生まれたランが飼育されている。 ゴマフアザラシの「カモちゃん」2002年から2004年にかけて、多摩川から荒川に出現した野生のアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」などと同時期の2003年冬に、シーワールドのオーシャンスタジアムからロッキーワールド前の東条海岸にアザラシが出現し、波打ち際で寝そべるなどの行動を見物人に見せていた。発見当初はシーワールドのアザラシが脱走したなどと噂されたが、実際は漂流してきた野生のゴマフアザラシであった。何時しか「カモちゃん」と名付けられた。このカモちゃんは2004年3月に姿を消したが、同年と2005年の12月頃に同じ個体が再び海岸に姿を現し、翌年3月頃まで見物人を愉しませた。シーワールドでは保護をする必要は無いと判断したが、連日観察するようになり、その様子は公式サイトで随時更新されていた。アザラシの漂着は2006年春を最後に見られていない。 2005年12月の再来時に鴨川市が「カモちゃん」の名で特別住民票の交付を開始している。 繁殖2003年は出産が多く、シャチ1頭、セイウチ1頭、カスピカイアザラシ1頭、トド2頭、カリフォルニアアシカ2頭、バンドウイルカ2頭、合計9頭が誕生し、王様のブランチなど複数の情報番組やニュースで紹介された。 カリフォルニアアシカは2年に1 - 3頭程出産している。過去にトドもアシカと同じペースで出産していたが、2007年に雄の「ノサ」が死亡して以後の出産予定は無い。 繁殖賞受賞生物日本動物園水族館協会 (JAZA) の繁殖賞を受賞した生物は次の通りである。プレートと受賞生物の写真がエコエクアローム内に展示されている。
イルカの人工授精出産バンドウイルカの人工授精を1982年から園内で研究を重ね、2002年に実施して10月に妊娠を確認し、2003年7月に母「スリム」が出産して「サニー」と名付けた。最期まで鳥羽山照夫(同年2月死去)の研究課題であった。2004年にJAZAの古賀賞をシーワールドでは初めて受賞した。その後も別のペアで人工授精による出産に成功している。 シャチの出産開園当初からシャチを飼育していた。1995年に初めて出産を迎えて「マギー(雌)」が3月3日に出産したが逆子のために30分で死亡し、1997年10月5日に出産した第2子も当日死亡、マギーも2日後に他界した。現在は、出産個体のFRP複製標本が「シャチの新生児」として箇条書きの説明プレートと共にロッキーワールド地下1階で展示している。 1997年に「ステラ(雌)」と「ビンゴ(雄)」の間で繁殖が確認され、1998年1月に第一子の「ラビー」を出産し繁殖賞を受賞した。この受賞で鴨川シーワールドの知名度が上昇して来園者数も堅調に推移した。のちに同じペアで2001年に「ララ」、2003年に「サラ」[3]、2006年に「ラン」、計4頭の雌が誕生してパフォーマンスで活躍している。2008年10月に、10歳になったラビーと、推定23歳の「オスカー(雄)」との間に三世代目となる個体「アース(雄)」が誕生した。同ペアから2012年7月に「ルーナ(雌)」も誕生した。 セイウチの出産セイウチは、1983年から「ムック(雌)」と「タック(雄)」が飼育され、1994年に第一子「チャッキー(雄)」の出産に成功して繁殖賞を受賞した。その後も同じペアで1997年に「キック(雄)」、2000年に「ミック(雌)」、2003年5月に「ロック(雄)」が誕生してセイウチ一家として親しまれている。 チャッキーは1999年に死亡し、キックは2003年1月に南知多ビーチランドへ婿入りして「セイウチにタッチ!」「セイウチと記念撮影」などの人気者となっている。その後母親ムックが2003年12月に死亡するが、タックと娘ミックのペアで2007年5月に「ミナ(雌)」と2010年5月に「シュシュ(雌)」が誕生した。タックは2019年10月に死亡した。 生物多様性コーナー千葉県の依頼で、シャープゲンゴロウモドキ、ニホンイシガメ、ミヤコタナゴなど千葉県に生息する国の天然記念物や絶滅危惧種などの希少種を飼育し、保護して増殖による系統保存に取り組んでいる[4]。2010年以降は、千葉県環境生活部自然保護課および地元自治体・地元NPO・研究機関(千葉県立中央博物館)から構成される「シャープゲンゴロウモドキ保全協議会」に参加し、シャープゲンゴロウモドキ[5]の繁殖活動に取り組み、2019年4月までに約1,400頭を孵化させ、4月に県内の山間部に整備した保全地で初めて幼虫を105頭放流した[6]。 交通公共交通でのアクセスの場合![]() 東京駅から高速バスまたは特急列車で約2時間、千葉駅からも高速バスで約2時間である(安房鴨川駅から施設までの無料送迎バスあり)[7]。(ルートなどの詳細は各リンクを参照) また施設前の「鴨川シーワールド」バス停には日東交通の路線バス(館山鴨川線・木更津鴨川線・長狭線・鴨川市内線)が乗り入れ、木更津駅や安房小湊駅・館山駅などからの路線バスによるダイレクトアクセスも一応可能である[8]。 自家用車でのアクセスの場合千葉市内からおよそ1時間20分、東京湾フェリーを用いた場合浜金谷港からおよそ35分[7]。かつてはアクセスルートとなる房総スカイラインに通行料金がかかったが2013年以降実質無料となった[9]ことで車でのアクセスが向上した。駐車場の利用料金は普通車1200円/日で収容台数は1200台ほどである[10]。 備考2004年から鴨川市の成人式会場として使用されている[11]。 脚注
関連項目
外部リンク
座標: 北緯35度6分58.11秒 東経140度7分14.1秒 / 北緯35.1161417度 東経140.120583度 |
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