すみだ水族館
すみだ水族館(すみだすいぞくかん、英語: SUMIDA AQUARIUM)は、東京都墨田区押上一丁目1番2号、東京スカイツリータウンの東京ソラマチ内にある水族館。 沿革
主な飼育生物/施設出典:[5] 自然水景![]() 水草水槽のレイアウトを手掛けたのは、株式会社アクアデザインアマノの天野尚。水を取り巻く自然の生態系を計5つの水槽に凝縮されている。 光合成によって生まれた酸素の小さな気泡が、水の揺れの中に輝く。水槽内のいきもの(魚やエビ・微生物)はこの酸素を使って呼吸し、水草はいきものが放出した二酸化炭素で再び光合成するミニ生態系を観察できる。 クラゲすみだ水族館で生まれ育った約14種700匹のクラゲを展示。2020年7月の大規模リニューアルにより新しくなったクラゲエリアでは、アカクラゲやタコクラゲなどを展示しているほか、長径7mの水盤型クラゲ水槽「ビッグシャーレ」では、約500匹のミズクラゲをアクリル越しではなく上から直接眺めることができる。[6] 続く「ラボ」では、クラゲの飼育設備や成体になるまでの成長過程、繁殖活動を観察できる。2015年1月に常設化した「万華鏡トンネル」(全長50メートルのスロープの、壁と天井に約5000枚の鏡)ではクラゲをテーマとした映像、照明、音楽、アロマで空間演出を行っている。
サンゴ礁![]() サンゴ礁と、そこに集まるカラフルな生物が織り成すさまざまなシーンを、4つの水槽で楽しめる。水槽は360度全方向から鑑賞できるようにレイアウトされており、見る面や角度によって、いきものたちの全く異なる表情を観察することができる。 「海のゆりかご」とも呼ばれるサンゴ礁が、いきものの隠れ家や産卵場所として豊かな生態系を支える様子を学習するエリアである。 チンアナゴ![]() ![]() チンアナゴ、ニシキアナゴ、ホワイトスポッテッドガーデンイールの3種類のチンアナゴの仲間たちを合計約300匹観察できる。幅 5.5m の水槽で群れを成して揺れている姿を360度の視点で展示。 開館当時は、スカイツリーの高さ634メートルと同じ数の634匹のチンアナゴ(Spotted garden eel)とニシキアナゴ(Splendid garden eel)を導入。2014年10月10日からはホワイトスポッテッドガーデンイール(White spotted garden eel)も加わった。 11月11日の「チンアナゴの日」(日本記念日協会認定)[7]を記念し、「ゆらゆらチンアナゴまつり」を開催。2014年にはチンアナゴ水槽の前で「ハッピーチンアナゴウェディング」も行われた。また、毎月11日には「チンアナゴの日」にちなんだイベントを開催している。 大きな目を持つチンアナゴたちは、周囲をよく見回している。 野生のチンアナゴの仲間は、海底に巣穴を掘り身を隠しながら生活する。餌は、水流にのって流れてくるプランクトンで、捕食戦法は「待ち」に専念。そのため、よく周囲を見ていて餌が流れてきたら体を伸ばしてすかさず捕食する。 また、すみだ水族館で観察していると糞を食し、吐き出すものがいる。 チンアナゴ水槽では頻繁に争いがおこり、争い中のチンアナゴは、低姿勢になっているので、広い水槽の中でもすぐに判別できる。 すみだ水族館では2匹だけでなく3匹、4匹で争いを繰り広げることも。 [8] ペンギン![]() ![]() 水量約350トンの国内最大規模の屋内開放型のプール水槽で、二層吹き抜け空間を使った展示を行っている。すみだ水族館のマゼランペンギン(2022年11月30日時点で全52羽)には全て名前があり、2~3本の識別リングの色で見分けられる(そのうち10羽は上越市立水族博物館より寄贈)。 アジとイワシを与えており、特にイワシを好むペンギンたちは「アンチョビーズ」と呼ばれている。 2020年4月下旬に3羽の赤ちゃんが誕生。「日本で時代を超えて愛されてきたもの」にちなみ、それぞれ「おもち」「おこめ」「きなこ」と命名された[9]。2021年も休館中に3羽が生まれ、「皆さまの笑顔の源となり愛されるように」との願いを込めて、それぞれ「ぼんぼり」「ももは」「あさひ」と命名された[10]。開業11年まで毎年連続で赤ちゃんが誕生し、2023年4月11日には初めて同日に2羽誕生した[11]。
すみたペンギン相関図2020(2019年10月15日)参照[14]。2019年10月、15羽のペンギンたちがよその水族館に引越し(「卒業」)した[15]。上記⭐︎は卒業したペンギン。 ペンギンたちのエピソードは、すみだ水族館公認ガイドブック『飼育員だけが知っているペンギンたちの秘密』(中田啓子、2014年2月5日、文踊社、ISBN 978-4904076385)および公認フォトストーリー『恋するペンギン』(高橋環、2015年7月15日、文踊社、ISBN 978-4904076507)に詳しい。 EDO-CCO「エドッコ」は、2018年11月21日『くちばしにキッス』でデビューしたアイドルペンギンユニット[16]。すみだ水族館で生まれた14羽(開催時)から11羽が選抜され[17]、初代センターを決める「LOVE推しペン総選挙」が、Instagramのフォロー(1ポイント)と入館者およびカフェでの推しペン応援メニュー購入者による直接投票(2ポイント)で同年10月1日から11月18日まで開催された[18]。
オットセイ![]() 屋内開放型のプール水槽(ペンギンの隣)で全4頭のミナミアメリカオットセイ(すべてメス)を見ることができる。オットセイトンネルをくぐると泳ぐ様子を見上げられるように設計されている。「オットセイタイム」では、展示水槽周囲のスロープを飼育スタッフとともに歩き、すぐ目の前で見ることもできる。 小笠原大水槽(旧 東京大水槽)![]() ![]() 水深6メートル、水量300tの水槽は世界自然遺産の小笠原諸島の海を再現しており、マダラエイやミナミイスズミ、ロクセンスズメダイなど約50種450点が飼育されている。小笠原水槽内で飼育されている水生生物はすべて小笠原諸島周辺の海域で捕獲された個体である[19]。 この水族館で飼育展示されているオスのシロワニは、小笠原近海の個体で国内で飼育されている唯一の日本近海で保護された個体である[20]。 長岡技術科学大学と大成建設が開発した海水浄化システムにより、この水槽含め総水量700トンの大半を人工海水のみで運用し、海水の入れ替えは計算上は1%以下となるという[21][22]。 江戸リウム![]() 江戸をテーマにした金魚展示ゾーン「江戸リウム」は、2016年7月1日にリニューアルし、江戸時代から愛されてきた金魚23品種を展示している[23]。日本動物園水族館協会加盟館の常設展示としては日本最大級の全長100 m、約1,000匹の金魚を展示している[24]。
アクアベース![]() 2020年7月より新設された「アクアベース」では、飼育生物の食事の準備や飼育設備を間近で観察できるオープンスペースである。 食事の準備をおこなう「キッチン」とクラゲの飼育作業をおこなう「ラボ」の2か所から構成されており、飼育スタッフと会話したり、体験プログラムへ参加することで、来館者の知的好奇心を刺激する学びのエリアを作り出している。 すみだ水族館・設計の特徴本施設は都市の中の美術館のように観客・生き物・スタッフが同じ空間でつながる「コミュニケーションデザイン」等の付加価値創造を企図している。 水槽デザイン、照明計画に多分野のチームと協議してきた。上下フロアのつながりは、複数のルートからなり、決められた順路は無いため回遊しながら様々な角度や視点で水槽を鑑賞することができる。 飼育の現場がオープン化された「ラボ」は、スタッフとのコミュニケーションが可能となっている。 国内最大級となる屋内開放型水槽では、ペンギン・オットセイとの親密な「距離感」が、同じ空間に居ることを実感できる。 このような水槽を支える技術として、テナント型としての下階への防水対策、開放水槽としての臭気・空調対策、可変性のある置型水槽を採用することで持続性・更新性を保証している。 躯体水槽も含めたすべてのインフィル(間仕切り)を撤去できるよう建物躯体から縁を切った構造となっている。[26]
プログラム(2021/1/8現在 休止中)
付帯施設
利用案内
交通
脚注
関連項目外部リンク
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