2014年のドイツツーリングカー選手権

2014年のドイツツーリングカー選手権は、2000年に再開したドイツツーリングカー選手権の15回目のシーズンである。5月4日のホッケンハイムリンクで開幕し、10月19日の同地での最終戦まで全10ラウンドでタイトルが争われた。

BMWチームRMGのマルコ・ヴィットマンは、安定した戦いでポイントを重ね、2位に50ポイントの差を付けて参戦2シーズン目にしてタイトルを獲得した。ヴィットマンは開幕戦のホッケンハイムで優勝し、ハンガロリンクで2勝目を挙げた。その後はレッドブルリンクとニュルブルクリンクで勝利し、ユーロスピードウェイ・ラウジッツでタイトルを確定した。ランキング2位となったアウディ・スポーツチーム・アプト・スポーツラインのマティアス・エクストロームは終盤2戦、ザントフォールトとホッケンハイムリンクで勝利を挙げた。アウディが挙げた勝利はこの2勝のみであった。もう1人のアウディドライバー、ディフェンディングチャンピオンのマイク・ロッケンフェラーがランキング3位に入る。ロッケンフェラーは2位に3度入賞したが、勝利を挙げることは無かった。ヴィットマンのチームメイト、マキシム・マルタンはモスクワで勝利を挙げ、HWAのロバート・ウィケンズがノリスリンク、クリスチャン・ビエトリスがオッシャースレーベン、パスカル・ウェーレインがラウジッツで勝利した。ビエトリスとウェルレインはそれぞれ初優勝であった。

メーカー	車両	チーム	車番	ドライバー	出場ラウンド
アウディ	Audi RS5 DTM	アウディ・スポーツチーム・フェニックス[1]	1	マイク・ロッケンフェラー[1]	全戦
			2	ティモ・シャイダー[1]	全戦
		アウディ・スポーツチーム・アプト・スポーツライン[1]	7	マティアス・エクストローム[1]	全戦
			8	ミゲル・モリーナ[1]	全戦
			15	エドアルド・モルタラ[1]	全戦
			16	エイドリアン・タンベイ[1]	全戦
		アウディ・スポーツチーム・ロズベルグ[1]	21	ジェイミー・グリーン[1]	全戦
			22	ニコ・ミュラー[1]	全戦
BMW	BMW M4 DTM[2]	BMWチームRBM[3]	3	アウグスト・ファルフス[4]	全戦
			4	ジョーイ・ハンド[4]	全戦
		BMWチーム・シュニッツアー[3]	9	ブルーノ・スペングラー[4]	全戦
			10	マーティン・トムチェク[4]	全戦
		BMWチームMTEK[3]	17	ティモ・グロック[4]	全戦
			18	アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ[4]	全戦
		BMWチームRMG[3]	23	マルコ・ヴィットマン[4]	全戦
			24	マキシム・マルタン[4]	全戦
メルセデス・ベンツ	DTM AMG Mercedes C-Coupé	HWAチーム[5]	5	クリスチャン・ビエトリス[6]	全戦
			6	ポール・ディ・レスタ[7]	全戦
			11	ゲイリー・パフェット[8]	全戦
			12	ロバート・ウィケンズ[6]	全戦
			25	パスカル・ウェーレイン[6]	全戦
		ミュッケ・モータースポーツ[5]	19	ダニエル・ジュンカデラ[9]	全戦
			20	ヴィタリー・ペトロフ[10]	全戦

参戦

• BMWのテストドライバー及びマルクVDSレーシングチームのドライバーであったマキシム・マルタンは2014年シーズン、BMWチームRMGのシートを得た^[4]。
• 2013年のフォーミュラ・ルノー3.5シリーズでランキング3位のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、5位のニコ・ミュラーが参戦、コスタはBMWチームMTEK、ミュラーはチーム・ロズベルグでドライブする^[4][11]。
• 元F1ドライバーのヴィタリー・ペトロフが参戦、メルセデス・ベンツをドライブする^[10]。

撤退

• フェリペ・アルバカーキはチーム・ヨーストのル・マン・プロトタイプ、GTをドライブする^[11]。
• 2012年、13年にBMWをドライブしたアンディ・プリオールはシリーズから撤退、2014年はユナイテッド・スポーツカー選手権に参戦する^[4]。
• 同じく2012年、13年にBMWをドライブしたダーク・ヴェルナーもシリーズを撤退、BMWの耐久プログラムに参加しニュルブルクリンク24時間レースに参戦する^[4]。
• 2012年、13年にメルセデスをドライブしたロベルト・メルヒもシリーズを撤退、ゼタ・コルセに加入しフォーミュラ・ルノー3.5に参戦する。彼はメルセデスのテストドライバーとリザーブドライバーを継続する^[6]。

全10戦の暫定カレンダーは2013年10月16日に発表された^[12]。

中国ラウンドは9月28日に広州市街地サーキットでの開催が予定されていたが、サーキットの設置に必要な変更が当初の計画よりはるかに大規模な物であることが判明し、7月に中止が発表された。その結果、代替ラウンドは当初の日程でオランダのザントフォールトで開催された^[13]。

ラウンド	サーキット	開催日	ポールポジション	ファステストラップ	優勝ドライバー	優勝チーム	優勝マニファクチャラー
1	ホッケンハイムリンク	5月4日	エイドリアン・タンベイ	マーティン・トムチェク	マルコ・ヴィットマン	BMWチームRMG	BMW
2	オッシャースレーベン	5月18日	マルコ・ヴィットマン	ミゲル・モリーナ	クリスチャン・ビエトリス	HWAチーム	メルセデス・ベンツ
3	ハンガロリンク	6月1日	マルコ・ヴィットマン	ニコ・ミュラー	マルコ・ヴィットマン	BMWチームRMG	BMW
4	ノリスリンク	6月29日	ロバート・ウィケンズ	マティアス・エクストローム	ロバート・ウィケンズ	HWAチーム	メルセデス・ベンツ
5	モスクワ・レースウェイ	7月13日	マキシム・マルタン	ミゲル・モリーナ	マキシム・マルタン	BMWチームRMG	BMW
6	レッドブル・リンク	8月3日	ロバート・ウィケンズ	マイク・ロッケンフェラー	マルコ・ヴィットマン	BMWチームRMG	BMW
7	ニュルブルクリンク	8月17日	マルコ・ヴィットマン	マルコ・ヴィットマン	マルコ・ヴィットマン	BMWチームRMG	BMW
8	ユーロスピードウェイ・ラウジッツ	9月14日	パスカル・ウェーレイン	ティモ・シャイダー	パスカル・ウェーレイン	HWAチーム	メルセデス・ベンツ
9	ザントフォールト・サーキット	9月28日	マイク・ロッケンフェラー	マルコ・ヴィットマン	マティアス・エクストローム	アウディ・スポーツチーム・アプト・スポーツライン	アウディ
10	ホッケンハイムリンク	10月19日	ミゲル・モリーナ	マルコ・ヴィットマン	マティアス・エクストローム	アウディ・スポーツチーム・アプト・スポーツライン	アウディ

ポイントシステム

順位 ドライバー HOC OSC HUN NOR MOS RBR NÜR LAU ZAN HOC ポイント 1 マルコ・ヴィットマン 1 19 1 6 4 1 1 6 2 5 156 2 マティアス・エクストローム 2 13 9 3 3 7 Ret Ret 1 1 106 3 マイク・ロッケンフェラー 4 2 10 8 Ret 13 2 10 15 2 72 4 クリスチャン・ビエトリス 15 1 20† 21† 7 9 6 2 5 14 69 5 エドアルド・モルタラ 22† 3 4 4 9 16 3 16 4 22† 68 6 マーティン・トムチェク 7 9 13 Ret 13 4 8 8 3 7 49 7 マキシム・マルタン 20 14 6 17 1 14 7 14 6 Ret 47 8 パスカル・ウェーレイン 11 Ret 14 5 8 Ret 10 1 7 20† 46 9 ティモ・シャイダー 9 7 Ret 10 Ret 5 Ret 3 9 6 44 10 ジェイミー・グリーン Ret 18† 7 2 Ret 8 14 17† 14 3 43 11 ブルーノ・スペングラー 6 12 3 11 2 10 12 15 16 12 42 12 ロバート・ウィケンズ 18 Ret 11 1 14 DSQ 9 5 8 17 41 13 アウグスト・ファルフス 8 5 21† 14 10 2 Ret 7 Ret 16 39 14 エイドリアン・タンベイ 3 10 5 9 Ret 6 11 18† Ret 19† 36 15 ポール・ディ・レスタ 14 4 18 15 Ret 18 4 Ret Ret 4 36 16 ティモ・グロック 5 Ret 19 16 6 3 16 Ret 12 11 33 17 ミゲル・モリーナ 13 6 2 22† 12 11 Ret 9 18† 8 32 18 ダニエル・ジュンカデラ 19 Ret 16 13 15 15 5 4 17 21† 22 19 ニコ・ミュラー 16 16 12 18 5 19 Ret Ret Ret 13 10 20 ジョーイ・ハンド 10 15 15 7 17 12 17 11 10 15 8 21 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ 21† 11 8 20 11 Ret 13 Ret 13 9 6 22 ゲイリー・パフェット 12 8 Ret 12 16 17 15 13 19† 10 5 23 ヴィタリー・ペトロフ 17 17 17 19 18 20 18 12 11 18† 0 順位 ドライバー HOC OSC HUN NOR MOS RBR NÜR LAU ZAN HOC ポイント

色 結果 金色 優勝 銀色 2位 銅色 3位 緑 ポイント圏内完走 青灰色 ポイント圏外完走 周回数不足 (NC) 紫 リタイヤ (Ret) 赤 予選不通過 (DNQ) 予備予選不通過 (DNPQ) 黒 失格 (DSQ) 白 スタートせず (DNS) エントリーせず (WD) レースキャンセル (C) 空欄 欠場 出場停止処分 (EX) 太字：ポールポジション 斜体：ファステストラップ

• † - ドライバーはリタイアしたが、優勝者の走行距離の75%を走行していたため完走と見なされた。

順位 チーム 車番 HOC OSC HUN NOR MOS RBR NÜR LAU ZAN HOC ポイント 1 BMWチームRMG 23 1 19 1 6 4 1 1 6 2 5 203 24 20 14 6 17 1 14 7 14 6 Ret 2 アウディ・スポーツチーム・アプト・スポーツライン 7 2 13 9 3 3 7 Ret Ret 1 1 138 8 13 6 2 22† 12 11 Ret 9 18† 8 3 アウディ・スポーツチーム・フェニックス 1 4 2 10 8 Ret 13 2 10 15 2 116 2 9 7 Ret 10 Ret 5 Ret 3 9 6 4 HWAチーム 5 15 1 20† 21† 7 9 6 2 5 14 105 6 14 4 18 15 Ret 18 4 Ret Ret 4 5 アウディ・スポーツチーム・アプト 15 22† 3 4 4 9 16 3 16 4 22† 104 16 3 10 5 9 Ret 6 11 18† Ret 19† 6 BMWチーム・シュニッツアー 9 6 12 3 11 2 10 12 15 16 12 91 10 7 9 13 Ret 13 4 8 8 3 7 7 アウディ・スポーツチーム・ロズベルグ 21 Ret 18† 7 2 Ret 8 14 17† 14 3 53 22 16 16 12 18 5 19 Ret Ret Ret 13 8 BMWチームRBM 3 8 5 21† 14 10 2 Ret 7 Ret 16 47 4 10 15 15 7 17 12 17 11 10 15 9 HWAチーム 25 11 Ret 14 5 8 Ret 10 1 7 20† 46 10 HWAチーム 11 12 8 Ret 12 16 17 15 13 19† 10 46 12 18 Ret 11 1 14 DSQ 9 5 8 17 11 BMWチームMTEK 17 5 Ret 19 16 6 3 16 Ret 12 11 39 18 21† 11 8 20 11 Ret 13 Ret 13 9 12 ミュッケ・モータースポーツ 19 19 Ret 16 13 15 15 5 4 17 21† 22 20 17 17 17 19 18 20 18 12 11 18† 順位 チーム 車番 HOC OSC HUN NOR MOS RBR NÜR LAU ZAN HOC ポイント

色 結果 金色 優勝 銀色 2位 銅色 3位 緑 ポイント圏内完走 青灰色 ポイント圏外完走 周回数不足 (NC) 紫 リタイヤ (Ret) 赤 予選不通過 (DNQ) 予備予選不通過 (DNPQ) 黒 失格 (DSQ) 白 スタートせず (DNS) エントリーせず (WD) レースキャンセル (C) 空欄 欠場 出場停止処分 (EX) 太字：ポールポジション 斜体：ファステストラップ

順位	マニファクチャラー	HOC	OSC	HUN	NOR	MOS	RBR	NÜR	LAU	ZAN	HOC	ポイント
1	アウディ	47	48	49	52	27	28	33	18	39	70	411
2	BMW	54	12	52	14	64	71	35	18	42	18	380
3	メルセデス・ベンツ	0	41	0	35	10	2	33	65	20	13	219
順位	マニファクチャラー	HOC	OSC	HUN	NOR	MOS	RBR	NÜR	LAU	ZAN	HOC	ポイント

• The official website of the Deutsche Tourenwagen Masters （英語）