うちの子にかぎって…
『うちの子にかぎって…』(うちのこにかぎって)は、TBS系列で1984年に放送された、小学校を舞台とするテレビドラマ。放送時間帯は毎週金曜20時台であった。自由奔放な子共たちが騒動を起こす。田村正和のコメディドラマ路線の第一作で[1]、田村の転機となった作品である[2]。視聴率は20パーセントを超えるなどヒット作となった[3]。田村はこの作品に出演したことは「古畑任三郎に出演したことと同じ位によかった」と後に回想した[4]。 概要この枠の前作『家族ゲームII』は、本来2クールの放送予定であったが、視聴率低迷のため打ち切りとなり急遽本作が企画、制作された[5]。当時、夜8時台は思春期&青年期ゾーンで、特に1980年代前半のTBSには、月曜日の『水戸黄門』、『江戸を斬る』を除けば、火曜『青春諸君!』、『スチュワーデス物語』、『不良少女とよばれて』、水曜『噂の刑事トミーとマツ』、金曜『3年B組金八先生』、『青が散る』、『うちの子にかぎって…』等々と、若年層向けドラマがずらっと並んでいた[6]。 先発の教室ドラマ『3年B組金八先生』に代表される「生徒を統めていく教師」という既存の学園ドラマのイメージを打破し、「生徒に振り回される教師」を描き、東京・吉祥寺の小学校が舞台であるが、そこには同じ設定の『熱中時代』(日本テレビ系)のようなほのぼの感はない[6]。年中、騒がしい小学生たちが、大人をからかいまくって走り回る[6]。5年3組の生徒たちと担任の石橋先生(田村正和)が繰り広げるコメディである[6]。1987年放送のスペシャル版では、小学生同士のキスシーン(高橋良明と西尾まり)など、刺激的な描写でも話題となった。時代を反映しているシーンも少なからずあるほか、『北斗の拳』などTBS系列局以外の番組が取り上げられることもあった。また第1期の放送2年前である1982年に販売開始の紙おむつも登場している。 『うちの子にかぎって…』が打ち出したパロディ感覚と疾走感は、『熱中時代』や『3年B組金八先生』にはなかったもので、それが中山美穂主演の一連の思春期ドラマ『毎度おさわがせします』シリーズ(TBS、85~87年)、『な・ま・い・き盛り』(フジテレビ、86年)、『ママはアイドル!』(TBS、87年)など、次代の思春期ドラマの空気とリズムをつくっていく[7]。また、その"時代の空気とリズム"が80年代後半のトレンディドラマに結びつきもする[7]。そういった意味で、『うちの子にかぎって…』は、テレビドラマの空気とリズムをガラッと変えた作品である[7]。 あらすじ
石橋が、吉祥寺本町小学校5年3組の担任になる。クラスの子供たちは、遊びや塾に忙しい。子供たちは世相を反映し、世間に流されやすく、拝金的で、噂話に余念がない。毎回1人の児童の視点を中心に展開する。 第1期の約半年後に、次の学年の5年3組を舞台として第2期が放送された(第1話冒頭では3月22日の終業式直後の様子を描いている)。音楽はチェッカーズのアルバム『絶対チェッカーズ!!』を中心に、歌謡曲などから選曲されていた。 シリーズ共通キャスト
第1期
5年3組児童
ゲスト出演者第1話
第2話 第3話
第4話
第5話
第6話 第7話
第2期
5年3組児童
ゲスト出演者第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
第13話
スペシャルゲスト出演者第1期
第2期 最初で最後の共演
出演した子役のその後出演した子役の大部分はすでに引退しているが、西尾まりや鈴木美恵など現在も第一線で芸能活動を続けている人もいる。 また、川口智子[8]や長尾豪二郎のように引退後にテレビ出演をして近況を報告したり、広田愛のように宝塚歌劇団で活動を行ったものもいるが、引退した子役のほとんどはその後公の場には姿を見せていない。 一方高橋良明は、1989年1月に交通事故のため16歳で夭折している。 吉祥寺本町小学校について設定として以下のようになっている。
放送データ
スタッフ
お遊び第2期とスペシャルの中ではTBS製作のテレビドラマであることを生かした、ある種の「お遊び」が見受けられた。代表例として以下のようなものがある。なお、第2期第2話は「小学生とテレビの関係」をテーマとした回であったため、他局の番組の演出および映像やBGMが流れるシーンが少しだけあった[注 13]。
脚注注釈
出典
参考文献
関連作品
外部リンク
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