室井 滋(むろい しげる、1958年[3]10月22日 - )は、日本の女優、著作家。富山県滑川市出身[1]。ホットロード所属。
来歴
富山県立魚津高等学校卒業。早稲田大学社会科学部(政治学:萩野浩基ゼミ[4])中退。早稲田大学在学中にシネマ研究会に所属。長崎俊一、大森一樹、山川直人、山本政志、石井聰亙、阪本順治、松岡錠司、緒方明などとともに自主映画のフィールドで活躍。「自主映画の女王」と呼ばれる。一級小型船舶免許の資格を持つ[5]。
大学在学中の1981年、村上春樹原作の映画『風の歌を聴け』で劇場映画デビュー。また同じく村上の作品が原作の『パン屋襲撃』と『100%の女の子』(『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』)にも出演している。1982年には、長崎俊一監督の自主制作8mm映画『闇打つ心臓』で内藤剛志と共演。大学は7年目で中退する。
1987年、映画『トットチャンネル』の使用曲「東京ブギウギ」で歌手デビュー。
1988年、「恩田三姉妹」として小林聡美、もたいまさこと共演した『やっぱり猫が好き』がヒットし、一躍人気者となる。
1992年、日本酒造組合中央会より酒豪ぶりが認められ日本酒大賞奨励賞を受賞。
1995年、渡邊孝好監督『居酒屋ゆうれい』(1994年)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・ブルーリボン賞助演女優賞・報知映画賞助演女優賞・キネマ旬報助演女優賞・毎日映画コンクール女優助演賞など数々の映画賞を受賞。
1996年に日本テレビのバラエティ番組『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!→ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の企画でMcKeeのメンバーの一人として「Can't Stop My Heart!」でユニットデビュー。ユニット自体は自然消滅し短期間でレギュラーを降板したが、その後2000年、同局のバラエティ番組『進ぬ!電波少年』の司会だった松本明子の妊娠休業中のピンチヒッターとして急遽抜擢された。
1997年、『心療内科医・涼子』で連続テレビドラマ初主演。
1999年、映画『のど自慢』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。同作での役名「赤城麗子」でCDシングル「おしどり涙」も発売した。
2012年、社団法人日本喜劇人協会主催の喜劇人大賞特別賞を受賞。
2012年12月28日、NHK BSプレミアムにて、邦画を彩った女優たち「室井滋 しげちゃんと私の居場所」が放送。出演:室井滋 VTR出演:山川直人、大森一樹、井筒和幸、栗本慎介、長谷川和彦 紹介映画:『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『シャッフル』『風の歌を聴け』『100%の女の子』『居酒屋ゆうれい』『のど自慢』『OUT』『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』『人の砂漠(おばあさんが死んだ)』ほか
著述も行っており、1991年のデビュー作『むかつくぜ!』の他に、『東京バカッ花』『チビのお見合い』などの著書がある。
声優・ナレーターとしても活動(ほかにも2009年5月1日より黒部峡谷鉄道一般列車の車内放送・沿線車窓案内のナレーションを担当しており[6]、2012年5月1日の営業運転からは3年ぶりに放送内容をリニューアルしている[7])。
2015年、第36回松尾芸能賞・優秀賞を受賞[2]。
2015年12月23日、同じく富山県出身のシンガーW.C.カラスとアルバム『信じるものなどありゃしない』を発表。
2023年4月1日付で高志の国文学館(富山県富山市)の館長に就任した[8]。
人物
- 「滋(しげる)」という名前は男性名のような名前であるが、本名である。
- 英語教師だった父は小説家になるため職を辞したが、その後酒に溺れるようになり、母と離婚。室井は父親に引き取られる[9]。
- 小学校1年の時に祖父が99歳で亡くなったことを明かしている[10]。このため、祖父とは凡そ92歳差と非常に歳が離れていることになるが、室井は1958年(昭和33年)生まれであるため、逆算すると祖父は1866年(慶應元年ないし慶應2年)ごろの江戸時代生まれということになる。 昭和30年代前半ごろに生まれた人物の祖父母が江戸時代生まれなのはかなり珍しい。
- 映画監督・長谷川和彦とは室井が20代の頃からともに暮らし、事実婚状態である[9]。
- 財布は持ち歩かず、札束を含むお金はジップロックに入れて持ち歩く[11][12]。
- パソコンは使わず、ジャポニカ学習帳で原稿を書き上げる[12]。
- フィギュアスケーターの高橋大輔のファンであり、2024年に『ぽかぽか』に出演した際には、同日に高橋が出演していたことから興奮した様子で握手を交わしている[13]。
出演
テレビドラマ
映画
舞台
- 菊次郎とさき(2012年・2015年) - 北野さき 役
- りぼん(2025年)[31]
劇場アニメ
人形劇
バラエティ
ドキュメンタリー
その他のテレビ番組
CM
ラジオ
ウェブドラマ
その他
受賞歴
1994年度
1997年度
1999年度
2002年度
2009年度
2015年度
音楽
シングル
- 東京ブギウギ(1987年10月21日)
- KI・A・I(1994年12月21日)
- 5丁目カーニバル(1995年6月1日)
- Can't Stop My Heart(McKee、1996年4月17日)
- 風よ(1997年11月27日)
- あの空へ(1998年8月5日)
- 男に子供が産めるわけじゃない(1998年9月2日)
- おしどり涙(赤城麗子、1999年1月9日)
- 世界はメロディー(1999年10月6日)
- 希望(室井箱(滋)&山崎ハコ、2000年10月12日)
アルバム
- 信じるものなどありゃしない(室井滋&W.C.カラス(2015年12月23日)
著書
- 『むかつくぜ!』(1991年、マガジンハウス)のち文春文庫
- 『キトキトの魚』[注 2](1993年、マガジンハウス)のち文春文庫
- 『東京バカッ花』(1994年、マガジンハウス)のち文春文庫
- 『まんぷく劇場』(1996年、文藝春秋)のち文庫
- 『すっぴん魂』(1997年、文藝春秋)のち文庫
- 『すっぴん魂カッパ巻』(1998年、文藝春秋)のち文庫
- 『Cro・an 室井滋のクロアン』(1998年、マガジンハウス)
- 『オンジン』(1998年、日本テレビ放送網)
- 『オケラ歌姫』(1999年、日本テレビ放送網)
- 『すっぴん魂・愛印』(1999年、文藝春秋)のち文庫
- 『チビのお見合い』(2000年、文藝春秋)
- 『ふぐママ』(2001年、講談社)のち文庫
- 『私は、おっかなババア-すっぴん魂4』(2001年、文藝春秋)のち文庫
- 『心ひだひだ』(2003年、マガジンハウス)のち講談社文庫
- 『あなたが怖い-すっぴん魂5』(2003年、文藝春秋)のち文庫
- 『うまうまノート』(2003年、講談社)のち文庫
- 『しんシン体操』(2004年、文藝春秋)のち文庫
- 『女優の箪笥』(2005年、ぴあ)
- 『ロケ隊はヒィー・すっぴん魂(6)』(2005年、文藝春秋)のち文庫
- 『平凡キング ニャンちゃって漫画』(2006年、ネコ・パブリッシング)
- 『幸菌スプレー・すっぴん魂7』(2007年、文藝春秋)のち文庫
- 『マーキングブルース 猫にまつわる七つの物語』(2009年、メディアファクトリー)のち文庫
- 『気になり飯 うまうまノート 2』(2010年、講談社文庫)
- 『すっぴん魂大全紅饅頭』(2010年、文藝春秋)
- 『すっぴん魂大全白饅頭』(2010年、文藝春秋)
- 『女の悩みはいつもマトリョーシカ』(2011年、青春出版社)
- 『しげちゃん』長谷川義史・絵(2011年、金の星社)
- 『ウリオ』長谷川義史・絵(2013年、世界文化社)
- 『ドレスよりハウス 家を建てて一人前!』(2013年、マガジンハウス)
- 『室井滋のオシゴト探検 玄人ですもの(2014年、中央公論新社)
- 『きらきら は・は・歯』長谷川義史・絵(2014年、世界文化社)
- 『チンチンボンボさん』長谷川義史・絵(2015年、絵本館)
- 『しげちゃんとじりつさん』長谷川義史・絵(2016年、金の星社)
- 『おばさんの金棒』(2016年、毎日新聞出版)
- 『いとしの毛玉ちゃん』長谷川義史・絵(2016年、金の星社)※絵も一部担当
- 『ピトトト トンよ~ 室井滋の手ぬぐいあそび絵本』(2018年、世界文化社)
- 『すきま地蔵』長谷川義史・絵(2018年、白泉社)
- 『ヤットコスットコ女旅』(2019年、小学館)
- 『会いたくて会いたくて』長谷川義史・絵(2021年、小学館)
共著編
脚注
注釈
- ^ 富山は再放送あり。山形は生放送のみだが、いずれもradikoのエリアフリー及びタイムフリーでの聴取は不可となっている。
- ^ 「きときと」というのは「新鮮で輝くさま」を表す北陸の方言で、冒頭で意味分析が行われている。
出典
関連項目
外部リンク
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