アダイヤー(Adayar、2018年3月31日 - )は、イギリスの競走馬。主な勝ち鞍は2021年のダービー、キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス[1]。
生い立ち
本馬の母であるAnna Salaiは、グロット賞(仏G3)勝ち馬で、アイリッシュ1000ギニー2着馬。本馬と同じゴドルフィンの所有馬で、本馬はゴドルフィンによる自家生産馬であり[6]、ゴドルフィンの専属調教師であるチャーリー・アップルビー厩舎へ預託された。
戦績
この項の出典は、特記なき限りRacing Post[1]による。
2歳(2020年)
ノッティンガム競馬場の未勝利戦でウィリアム・ビュイック騎乗でデビューし、4着に敗れる。10月28日に行われた未勝利戦で9馬身差の圧勝で初勝利を飾った[7]。
3歳(2021年)
年明け緒戦として出走したクラシックトライアル(英G3)で2着、その後1戦を挟んでエプソム競馬場で行われたダービートライアルステークス(英L)でも2着となった。
続いてダービーステークスに出走。騎乗したアダム・カービーはジョンリーパーに騎乗予定であったが、同馬がランフランコ・デットーリに騎乗変更となり、本馬にカービーが騎乗することとなった。同レースでは直線内に1頭分空いたスペースから抜け出し、2着に食い込んだ最低10番人気タイのモジョスターに4馬身1/2差をつけ優勝した[8]。カービーはダービー初制覇となった[9]。
次走として出走したキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは、道中2番手から直線で逃げたブルームを交わして先頭に立つとミシュリフや1番人気ラヴの追撃を凌ぎ勝利した。ダービーとキングジョージの両競走を制覇するのは祖父であるガリレオ以来20年振りとなった[10]。
その後は10月3日に行われた凱旋門賞へ直行。レースでは前走に引き続きウィリアム・ビュイックが騎乗し、逃げ馬不在の中1.2番手を進み直線粘るも4着に敗戦[11]。その後中1週でイギリスチャンピオンステークスに出走し、直線では内を突くも伸びあぐね5着に敗れた[12]。
4歳(2022年)
6月3日のコロネーションカップを初戦を予定していたが、軽度の体調不良を理由で回避[13]。プリンスオブウェールズステークス、エクリプスステークスと目標を切り替えるも次々と回避[14][15]。その後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス連覇を目指すも登録を見送り回避した[16]。
復帰戦となったのは9月8日のドンカスター競馬場の一般戦で、3頭立ての競走ながらも3馬身3/4差で快勝して健在ぶりを披露した[17]。
その後は10月16日のチャンピオンステークスに2番人気で出走。最終コーナーから早めの進出で先頭を伺うもベイブリッジに半馬身差抑えれて2着に敗れた[18]。
5歳(2023年)
5月7日のゴードンリチャーズステークスに出走。3番手から位置を上げていき、早めに先頭に立って2着アンマートに2馬身半を付けて格の違いを見せつけた[19]。6月21日のプリンスオブウェールズステークスでは道中3番手追走から最後の直線で逃げ粘るルクセンブルグとの一騎打ちとなるも最後方から追い込んできたモスターダフにかわされて3着に敗れた[20]。7月13日のG2プリンセスオブウェールズステークスでは2番手追走から残り2ハロンで一旦は先頭に立ったが、3番手追走から脚を伸ばしてきたイスラーにかわされ、4馬身半差の2着と完敗した[21]。レース後の7月28日に現役を引退することが発表された[22]。
競走成績
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
頭 数 |
馬 番 |
人気 |
着順 |
騎手 |
距離馬場 |
タイム |
着差 |
1着馬(2着馬)
|
2020.
|
10.14
|
ノッティンガム
|
未勝利戦
|
|
11
|
1
|
1人
|
4着
|
W.ビュイック
|
芝1670m(重)
|
|
6 1/2
|
Set Point
|
|
10.29
|
ノッティンガム
|
未勝利戦
|
|
14
|
15
|
2人
|
1着
|
W.ビュイック
|
芝1670m(重)
|
|
-9
|
(Alpine Stroll)
|
2021.
|
04.23
|
サンダウン
|
クラシックトライアル
|
G3
|
10
|
1
|
4人
|
2着
|
J.ドイル
|
芝1990m(良)
|
|
1/2
|
Alenquer
|
|
05.08
|
リングフィールド
|
ダービートライアルS
|
L
|
6
|
1
|
1人
|
2着
|
W.ビュイック
|
芝2320m(重)
|
|
1 1/4
|
Third Realm
|
|
06.05
|
エプソム
|
ダービー
|
G1
|
11
|
1
|
7人
|
1着
|
A.カービー
|
芝2410m(稍)
|
2:36.85
|
-4 1/2
|
(Mojo Star)
|
|
07.24
|
アスコット
|
KGVI & QES
|
G1
|
5
|
4
|
2人
|
1着
|
W.ビュイック
|
芝2390m(良)
|
2:26.54
|
-1 3/4
|
(Mishriff)
|
|
10.03
|
パリロンシャン
|
凱旋門賞
|
G1
|
14
|
10
|
5人
|
4着
|
W.ビュイック
|
芝2400m(良)
|
|
4
|
Torquator Tasso
|
|
10.16
|
アスコット
|
英チャンピオンS
|
G1
|
9
|
4
|
2人
|
5着
|
W.ビュイック
|
芝1990m(良)
|
|
7
|
Sealiway
|
2022.
|
09.08
|
ドンカスター
|
条件戦
|
|
3
|
1
|
1人
|
1着
|
W.ビュイック
|
芝2050m(稍)
|
2:08.13
|
-3 3/4
|
(Masekela)
|
|
10.15
|
アスコット
|
英チャンピオンS
|
G1
|
9
|
1
|
2人
|
2着
|
W.ビュイック
|
芝1990m(稍)
|
|
1/2
|
Bay Bridge
|
2023.
|
05.07
|
ニューマーケット
|
ゴードンリチャーズS
|
G3
|
5
|
2
|
1人
|
1着
|
W.ビュイック
|
芝2000m(重)
|
2:05.37
|
-2 1/2
|
Anmaat
|
|
06.21
|
アスコット
|
プリンスオブウェールズS
|
G1
|
6
|
1
|
3人
|
3着
|
W.ビュイック
|
芝1990m(良)
|
|
4 1/2
|
Mostahdaf
|
|
07.13
|
ニューマーケット
|
プリンセスオブウェールズS
|
G2
|
4
|
2
|
1人
|
2着
|
W.ビュイック
|
芝2400m(良)
|
|
4 1/2
|
Israr
|
種牡馬時代
2024年から北海道日高町のダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスにてフクムと共に繋養されることが決まった[23]。
血統表
脚注
- ^ a b c d e f g h “競走馬情報 Adayar”. レーシングポスト. 2021年6月6日閲覧。
- ^ a b c “競走馬データ Adayar”. netkeiba.com. 2021年7月22日閲覧。
- ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. IFHA. 2023年1月18日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
- ^ “繁殖馬情報 Anna Salai”. レーシングポスト. 2021年6月6日閲覧。
- ^ “競走馬情報 Adayar”. レーシングポスト. 2021年6月6日閲覧。
- ^ “【英・ダービー】1勝馬アダイヤーが優勝、2着に未勝利馬モジョスターの波乱/海外競馬レース結果”. netkeiba.com. (2021年6月6日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=188739 2021年6月6日閲覧。
- ^ 『優駿』2021年7月号 100頁
- ^ “【英・キングジョージ】ダービー馬アダイヤーが強豪年長馬撃破!2着ミシュリフ、3着ラブ/海外競馬レース結果”. netkeiba.com. (2021年7月25日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=190718 2021年7月25日閲覧。
- ^ “【凱旋門賞 全着順】ドイツの伏兵トルカータータッソが大金星”. netkeiba.com. (2021年10月4日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=193790 2021年11月10日閲覧。
- ^ “【英・チャンピオンS】凱旋門賞5着馬シリウェイが戴冠!ミシュリフ4着、アダイヤー5着”. netkeiba.com. (2021年10月17日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=194476 2021年11月10日閲覧。
- ^ “アダイヤーがコロネーションC回避、今年初戦はプリンスオブウェールズSに | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “アダイヤーはプリンスオブウェールズSも回避、ベイブリッジが1番人気に浮上 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “アダイヤーが復帰戦を再延期、連覇を賭けてキングジョージにぶっつけ本番 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “アダイヤーのキングジョージ連覇が消滅、登録を取り消し回避決定 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “アダイヤーが復帰戦を快勝、次走は英チャンピオンS有力も凱旋門賞にも含み | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “雨に泣いたバーイード、引退戦の英チャンピオンSで不敗神話が潰える | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “2年前の英ダービー馬アダイヤー、英G3ゴードンリチャーズSで健在証明 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月10日閲覧。
- ^ 英G1プリンスオブウェールズSは波乱の決着、伏兵モスターダフが圧勝JRA-VAN Ver.World、2023年6月22日配信・閲覧
- ^ アダイヤーが英G2プリンセスオブウェールズSで完敗、「決断を迫られている」JRA-VAN Ver.World、2023年7月14日配信・閲覧
- ^ Dual Group 1 Winner Adayar Retired to Studbloodhorse.com、2023年7月28日配信・閲覧
- ^ “英ダービー馬アダイヤーとキングジョージ覇者フクム 来年からダーレーで繋養 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年11月2日閲覧。
- ^ a b c “Adayar(IRE) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月2日閲覧。
- ^ a b c “Adayarの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年8月2日閲覧。
外部リンク