デジャンテ・ダショーン・マレー(Dejounte Dashaun Murray, 1996年9月19日 - )は、アメリカ合衆国・ワシントン州シアトル出身のプロバスケットボール選手。NBAのニューオーリンズ・ペリカンズに所属している。ポジションはシューティングガードまたはポイントガード。
来歴
学生時代
地元シアトルのレーニア・ビーチ高校(英語版)時代は、ワシントン州の最優秀選手に選ばれた[4]。 ワシントン大学でも1年生時に平均16.1得点、4アシストを記録し、Pac-12のセカンドチームに選出された[5]。大学に1年間だけ所属した後、2016年のNBAドラフトにアーリーエントリーを表明[6]。
サンアントニオ・スパーズ
ドラフト1巡目29位でサンアントニオ・スパーズから指名され、2016年のNBAサマーリーグに参加し[7]、7月14日ルーキースケール契約を結んだ[8].[9]。
2016-17シーズンの2016年10月29日、シーズン3戦目となったニューオーリンズ・ペリカンズ戦でデビューを果たし、2リバウンド、1アシストを記録した。[10]。12月23日、ポートランド・トレイルブレイザーズ戦でキャリアハイとなる9得点を記録した[10]。2017年1月12日、ロサンゼルス・レイカーズ戦で10得点を記録しキャリアハイを更新した[11]。シーズン前半は、Dリーグのオースティン・スパーズに数回アサインされ実戦経験を積んだ[12]。2017年1月19日、ホームでのデンバー・ナゲッツ戦でパーカーの故障に伴い先発として出場し、キャリアハイとなる24得点を記録した[13]。2017年3月、左足鼠径部を痛め、3月20日からシーズン終盤戦を離脱したが[14]、4月12日のレギュラーシーズン最終戦となったユタ・ジャズ戦で復帰を果たし、プレーオフでは、4月20日のファーストラウンド第3戦のメンフィス・グリズリーズ戦で初出場し、4得点、1アシスト、3リバウンドを記録した[15]。2017年5月5日のカンファレンス準決勝、対ヒューストン・ロケッツ第2戦で、トニー・パーカーが、左足の重い負傷によりシーズン離脱となり、 第3戦よりポイントガードの先発としての重責を担うこととなった[16]。14分出場で2得点を記録するに留まったが、チームは103-92で勝利し、シリーズを2勝1敗とした[17]。ゲーム6の勝利では、11得点、10リバウンド、5アシスト記録し、デビッド・ロビンソン、ティム・ダンカン、カワイ・レナードに続き、プレーオフで得点とリバウンドのダブル・ダブルを記録したスパーズで4番目の新人になった[18]。この勝利で西カンファレンスファイナルに進んだが、ゴールデンステート・ウォリアーズに敗れた。
2017-18シーズンの2017年10月18日の開幕戦で、昨シーズンの負傷からリハビリ中のトニー・パーカーに代わり先発として出場し、16得点、5リバウンド、2アシストを記録し、ミネソタ・ティンバーウルブズに対し107-99で勝利した[19]。5日後のトロント・ラプターズ戦で、16得点、15リバウンドを記録した。ガードの15リバウンドは、スパーズでは、マヌ・ジノビリが2008年に記録して以来であった[20]。2018年1月21日、グレッグ・ポポヴィッチヘッドコーチの決断で、長年ポイントガードの先発を務めてきたトニー・パーカーを控えに置き、マレーを先発に起用することが発表され、インディアナ・ペイサーズ戦で8得点、7リバウンド、4アシスト、4ターンオーバーの成績を記録した[21]。2日後のクリーブランド・キャバリアーズ戦では、19得点、10リバウンド、7スティールと攻守に活躍し114-102での勝利に貢献した[22]。30分以下の出場時間で19得点、10リバウンド、7スティールを記録したのは、1987年に、ラファイエット・リーバーが28分出場で21得点、13リバウンド、8スティールを記録して以来の記録となった[23]。このシーズンは81試合(先発48試合)に平均21.5分の出場で、8.1得点、5.7リバウンド、2.9アシスト、1.2スティールなどを記録した。2018年5月、NBAオールディフェンシブチーム(2nd)に選出された[24]。
2018-19シーズン開幕前の2018年10月7日、ヒューストン・ロケッツとのプレシーズンゲームで、ジェームズ・ハーデンに向かってドライブの後、レイアップシュートの際に右膝の前十字靭帯断裂によりシーズン全休が決定した[25][26]。
2019-20シーズン開幕前の2019年10月にスパーズと4年総額6400万ドルの延長契約を結んだ[27]。このシーズンは66試合(先発58試合)に平均25.6分の出場で、10.9得点、5.8リバウンド、4.1アシスト、1.7スティールなどを記録した。
2020-21シーズン、12月26日のトロント・ラプターズ戦で11得点、10リバウンド、10アシストで自身初のトリプルダブルを記録した[28]。2021年2月8日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦で27得点、10リバウンド、キャリアハイの8スティールを記録し、スパーズは105-100で勝利した[29][30]。
2021-22シーズン、2021年10月25日のロサンゼルス・レイカーズ戦で、スパーズ史上初の20得点、12リバウンド、15アシストを記録し[31]、前シーズンに21得点、15リバウンド、12アシストを記録して以来となる5回目のトリプル・ダブルを達成し、ティム・ダンカンのフランチャイズ記録であった4回を超えた[32][33]。しかし試合は延長戦の末121-125で敗れた。2022年2月7日、ドレイモンド・グリーンの負傷に伴い、NBAオールスターゲームに初めて選出され[34]、27分出場し、17得点、5リバウンド、5アシスト、1ブロックを記録した。
このシーズンは、68試合に平均34.8分の出場で21.1得点、8.3リバウンド、9.2アシスト、2.0スティール、0.3ブロックなどを記録し、13回のトリプルダブルを記録した。自身初のスティール王を獲得した。
アトランタ・ホークス
2022年6月30日にダニーロ・ガリナリ、3つのドラフト1巡目指名権、1つの1巡目指名交換権とのトレードで、ジョック・ランデールと共にアトランタ・ホークスへ移籍した[35]。
2023-24シーズン開幕前の2023年7月6日、ホークスと2027-28シーズンまでの4年総額1億2000万ドルで契約を延長した[36]。
ニューオーリンズ・ペリカンズ
2024年6月28日、3選手と2つの1巡目ドラフト指名権とのトレードでニューオーリンズ・ペリカンズに移籍した(3選手はラリー・ナンス・ジュニア、ダイソン・ダニエルズ、E・J・リデル、ドラフト指名権は2025年と2027年)[37]。
2024-25シーズン、2024年10月24日のシカゴ・ブルズとの開幕戦で左手を骨折した[38]。11月27日に復帰したものの、2025年1月31日のボストン・セルティックス戦で右足アキレス腱断裂の重傷を負ってシーズンを終えた[39]。
個人成績
NBA
レギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2016–17
|
SAS
|
38 |
8 |
8.5 |
.431 |
.391 |
.700 |
1.1 |
1.3 |
.2 |
.2 |
3.4
|
2017–18
|
81 |
48 |
21.5 |
.443 |
.265 |
.709 |
5.7 |
2.9 |
1.2 |
.4 |
8.1
|
2019–20
|
66 |
58 |
25.6 |
.462 |
.369 |
.798 |
5.8 |
4.1 |
1.7 |
.3 |
10.9
|
2020–21
|
67 |
67 |
31.9 |
.453 |
.317 |
.791 |
7.1 |
5.4 |
1.5 |
.1 |
15.7
|
2021–22
|
68 |
68 |
34.8 |
.462 |
.327 |
.794 |
8.3 |
9.2 |
2.0* |
.3 |
21.1
|
2022–23
|
ATL
|
74 |
74 |
36.4 |
.464 |
.344 |
.832 |
5.3 |
6.1 |
1.5 |
.3 |
20.5
|
2023–24
|
78 |
78 |
35.7 |
.459 |
.363 |
.794 |
5.3 |
6.4 |
1.4 |
.3 |
22.5
|
2024–25
|
NOP
|
31 |
31 |
32.6 |
.393 |
.299 |
.823 |
6.5 |
7.4 |
2.0 |
.4 |
17.5
|
通算:8年
|
503 |
432 |
29.3 |
.453 |
.340 |
.790 |
5.8 |
5.4 |
1.5 |
.3 |
15.5
|
オールスター
|
1 |
0 |
27.0 |
.636 |
.333 |
1.000 |
5.0 |
5.0 |
.0 |
1.0 |
17.0
|
2019-20シーズンは71試合で打ち切り、2020-21シーズンは72試合制
プレーオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2017
|
SAS
|
11 |
2 |
15.3 |
.377 |
.000 |
.680 |
2.5 |
2.5 |
1.5 |
.1 |
5.7
|
2018
|
5 |
5 |
19.2 |
.452 |
.667 |
.778 |
4.2 |
1.8 |
1.0 |
.4 |
7.8
|
2023
|
ATL
|
5 |
5 |
38.0 |
.447 |
.338 |
1.000 |
7.2 |
6.8 |
2.0 |
.2 |
23.0
|
出場:3回
|
21 |
12 |
21.6 |
.426 |
.391 |
.767 |
4.0 |
3.3 |
1.5 |
.2 |
10.3
|
カレッジ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2015-16
|
ワシントン
|
34 |
34 |
33.5 |
.416 |
.288 |
.663 |
6.0 |
4.4 |
1.8 |
.3 |
16.1
|
脚注
- ^ “San Antonio Spurs Roster”. nba.com (2019年). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “San Antonio Spurs Roster”. nba.com (2019年). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “Dejounte-Murray”. draftexpress.com (2016年). 2018年2月1日閲覧。
- ^ The Seattle Times
- ^ 2015-16 Pac-12 Men's Basketball All-Conference Honor
- ^ Marquese Chriss, Dejounte Murray are one-and-done at Washington
- ^ “SPURS ANNOUNCE 2016 UTAH SUMMER LEAGUE ROSTER”. NBA.com (2016年7月1日). 2017年1月3日閲覧。
- ^ “SAN ANTONIO SIGNS FIRST ROUND PICK DEJOUNTE MURRAY”. NBA.com (2016年7月14日). 2016年7月14日閲覧。
- ^ “SAN ANTONIO SIGNS FIRST ROUND PICK DEJOUNTE MURRAY”. NBA.com (2016年7月14日). 2016年7月14日閲覧。
- ^ a b “Dejounte Murray 2016-17 Game Log”. Basketball-Reference.com. 2016年12月28日閲覧。
- ^ “Leonard scores 31 points, Spurs rout Lakers 134-94”. ESPN.com (2017年1月12日). 2017年1月13日閲覧。
- ^ “2016-17 NBA Assignments”. NBA.com. 2016年12月22日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “Dejounte Murray is out two to three weeks with groin injury”. mysanantonio.com (2017年3月20日). 2017年3月21日閲覧。
- ^ “Dejounte Murray 2016-17 Game Log”. basketball-reference.com (2017年5月6日). 2017年5月7日閲覧。
- ^ Feigen, Jonathan (2017年5月5日). “Spurs' Dejounte Murray starts in place of Tony Parker”. Chron.com. 2017年5月6日閲覧。
- ^ “Aldridge steps up to help Spurs down Rockets 103-92”. ESPN.com (2017年5月5日). 2017年5月6日閲覧。
- ^ Orsborn, Tom (2017年5月12日). “Murray, other youngsters answered call for shorthanded Spurs”. ExpressNews.com. 2017年5月13日閲覧。
- ^ “Aldridge's double-double leads Spurs by Timberwolves, 107-99”. ESPN.com (2017年10月18日). 2017年10月18日閲覧。
- ^ “Aldridge, Murray power Spurs past Raptors, 101-97”. ESPN.com (2017年10月23日). 2017年10月23日閲覧。
- ^ “Oladipo's 19 leads Pacers, snapping Spurs' home streak”. ESPN.com (2018年1月21日). 2018年1月21日閲覧。
- ^ “LeBron gets 30,000, but Spurs beat slumping Cavs 114-102”. ESPN.com (2018年1月23日). 2018年1月23日閲覧。
- ^ “Spurs' Dejounte Murray joins elite NBA club with big outing against Cavs” (2018年1月24日). 2018年1月25日閲覧。
- ^ “Murray named to 2018 NBA All-Defensive Second Team” (2018年5月23日). 2018年5月24日閲覧。
- ^ “Spurs Injury Update – 10/8/18”. NBA.com (2018年10月8日). 2018年10月8日閲覧。
- ^ “San Antonio Spurs' Dejounte Murray diagnosed with torn right ACL”. NBA.com (2018年10月8日). 2018年10月8日閲覧。
- ^ “Report: Spurs sign Dejounte Murray to four-year, $64 million extension” (2019年10月22日). 2019年10月22日閲覧。
- ^ “Spurs' Dejounte Murray: Posts triple-double in win”. CBSスポーツ (2020年12月27日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Murray, DeRozan guide Spurs past Warriors, 105-100”. ESPN.com (2021年2月8日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “Spurs' Dejounte Murray: Scores team-high 27 points”. CBSSports.com (2021年2月8日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “デジャンテ・マレーがスパーズ史上初の1試合20得点・10リバウンド・15アシスト超えを達成!”. バスケットボールキング. フロムワン (2021年10月27日). 2021年10月27日閲覧。
- ^ “Dejounte Murray”. basketball-reference.com (2021年10月28日). 2021年10月28日閲覧。
- ^ “Triple-Double”. basketball-reference.com (2021年10月28日). 2021年10月28日閲覧。
- ^ “DEJOUNTE MURRAY SELECTED TO 2022 NBA ALL-STAR GAME” (英語). San Antonio Spurs. 2022年2月8日閲覧。
- ^ “Hawks Acquire All-Star Guard Dejounte Murray” (英語). www.nba.com. 2022年6月30日閲覧。
- ^ “ホークスで主軸を務めるデジャンテ・マレーが4年約171億円の延長契約に基本合意”. バスケットボールキング. フロムワン (2023年7月7日). 2025年5月10日閲覧。
- ^ “ホークスとペリカンズがトレード合意…元オールスターガードのデジャンテ・マレーが移籍”. バスケットボールキング. フロムワン (2024年6月29日). 2025年5月10日閲覧。
- ^ “開幕戦で左手を骨折したペリカンズのデジャンテ・マレーが手術に成功…約4週間の離脱へ”. バスケットボールキング. フロムワン (2024年10月26日). 2025年5月10日閲覧。
- ^ “ペリカンズにさらなる痛手…先発ガードのデジャンテ・マレーがアキレス腱断裂で今季絶望”. バスケットボールキング. フロムワン (2025年2月2日). 2025年5月10日閲覧。
外部リンク
関連項目 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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歴代ベスト10 |
- ①ジョン・ストックトン:3,265
- ②ジェイソン・キッド:2,684
- ③クリス・ポール:2,544
- ④マイケル・ジョーダン:2,514
- ⑤ゲイリー・ペイトン:2,445
- ⑥モーリス・チークス:2,310
- ⑦スコッティ・ピッペン:2,307
- ⑧クライド・ドレクスラー:2,207
- ⑨レブロン・ジェームズ:2,186
- ⑩アキーム・オラジュワン:2,162
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プレーオフ 歴代ベスト10 | |
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