小林由美子
小林 由美子(こばやし ゆみこ、1979年6月18日[2][5][7] - )は、日本の女性声優。千葉県[3][4][5]匝瑳市[6]出身。フリー[9]。 代表作に『デュエル・マスターズ』(切札勝舞)、『焼きたて!!ジャぱん』(東和馬)がある[12][13]。 経歴和洋女子大学卒業[3]。『アニメージュ』・日本ナレーション演技研究所主催の声優スクール出身。 生い立ち8歳上の兄の影響で、少年漫画を読んでいた[11]。小学4年生の時に漫画から読んで熱中していた『ドラゴンボール』のテレビアニメ版を見ていた[11][14]。その頃は職業としての声優は無知で、「アニメのキャラクターが声を出しているんだろう」と思っていた。ある時、友人が学校に声優雑誌を持ってきて、野沢雅子が主人公の孫悟空を演じていることを教えてもらい声優に興味を持つ。声優雑誌のインタビューを読み始めて「野沢さんみたいに男の子の声が出る声優になりたい!」と思うようになった[11][14]。 声優になるまで自分なりに調べていた結果、「声優にとって大事なことは芝居だ」と思い、中学時代は演劇部に所属しようと思っていた。しかし演劇部がなく、「何か自分を表現する部活はないか」と探していた時に器械体操部の部員の床演技を見て、「これは表現力を磨くのにいい!先輩部員がバク転やバク中をする姿を見て、「めっちゃかっこいい!これが出来たら悟空さんになれる!」と思ったのが動機の半分だった[11]。 3年間、ひたすらバク転やバク中をするためだけに時間を費やし、その甲斐あってバク転やバク中はできるようになった[11]。高校に進学後、「声優になるには先ずは芝居だ!」と演劇部に所属したり、自分なりに芝居の勉強をしていた[15]。根本圭子とは同い年で同じ学区の高校演劇部出身である[16]。本来、3年生は夏ごろに引退するが、翌年の2月まで居座り続けて、お局中のお局になっていた。熱中したら猪突猛進なところがあるため、これと思ったところをまっすぐ突き進んできたという[11]。 高校卒業後は声優の専門学校に行きたかったが、親からも教師からも猛反対され、教師からは「声優なんていうのは夢物語。アニメはもう趣味でいいだろう」と言われた。半ば説得された形で大学に行くことを決めたが、内心は「絶対、声優になってやるぞ」と思っていた[11]。 大学受験と並行しながら、教師や親には内緒で、声優事務所の特待生オーディションを受けまくっていた。授業料が自分では払えないと思ったため、「授業料免除の特待生になるしかない」と思った[11]。 キャリア雑誌の一般公募オーディションに合格[2]。高校3年生の夏に、「声優サマーオーディション」に参加し、ミューラスの特待生となる[11]。大学にも無事合格して、学生生活を送りながら1998年に声優デビュー[6][11][11]。 デビューするも当初は落ちこぼれで、オーディションも落ちまくっていた。元々非常に緊張するタイプなのもあり、声も小さく、演技も上手くなく、滑舌も悪く、音響監督が「お前、どうしたらいいんだろうな」と頭を抱えてしまうほどの居残り組だった。仕事が無かった時期は、事務所が持ってきていたティッシュ配りやビルの清掃など、声優とは関係のない仕事も「これも何かに役立つだろう」と思ってがむしゃらに行っていた[11]。 ある時、デビュー当時から大変お世話になっている三石琴乃が主役を務めていたアフレコ現場の見学をしていたところ、三石から、「本気で声優をやりたいなら、毎週アフレコに見学においで。1回じゃ意味がないから毎週来て、名前を覚えてもらうところから始めてみて」と助言を受けた。その言葉に「そうだ、こんなことをしている場合ではない」と思って音響監督に頼み込み、アフレコの見学をし、更に名前を覚えてもらうところから始めようと、アフレコ後の飲みの場にも毎回参加していた。先輩たちやスタッフたちの貴重な話を多数聞き、その縁でオーディションに呼ばれることも増え、少しずつ仕事が貰えるようになっていったという[11]。 2001年に『電脳冒険記ウェブダイバー』の結城ケント役で初主演[17]。 デビュー間もないころ、吹き替えでも通用する少年の演じ方を研究する中で、「子役に勝る演技はない」と考えるようになっていたが、矢島晶子が演じる『ホーム・アローン』の主人公・ケビンの演技に衝撃を受け、以後目標にしてきたと2019年のインタビューの中で話している[18]。 2001年9月、所属事務所ミューラスの解散[19]に伴いアーツビジョンに移籍。 2006年4月7日、自身のホームページで結婚を報告[20]。 2007年9月、アーツビジョンを退社し、フリーとなる[9]。 2011年12月26日に女児を出産し、2017年8月1日には男児を出産した[21]。 2018年7月6日放送回より、『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役を、1992年4月13日の放送開始から演じてきた矢島晶子から引き継いだ[17]。 2018年、第5回Yahoo!検索大賞 声優部門賞を受賞[22]。 人物かつて活動していた声優ユニットPritsのメンバーである桑谷夏子、望月久代、水樹奈々とは現在も仲が良い[23]。 座右の銘は「心は熱く、頭は冷静に」[2]。 特色主に少年役や少女役を演じることが多く[6]、本人も「元気な熱血少年の役が多い」と話している[18]。 最初の頃に仕事がなかった時期を経験していたため、早い段階から声優として生きる人生への覚悟ができていたといい、2024年時点で26年間声優業界で仕事をしているが、「もう安泰だ」と感じたことは一度もないという[11]。 デビューして6年ほどは、喉の使い方がよくわかっておらず、しょっちゅう喉を壊していた。男の子の役で、割と叫び系のものが多かったため、「わぁ〜!」「うぉ〜!」とがむしゃらに叫んでいたところ、2、3か月も声がうまく出ない時があった。ただし、その頃はあまり仕事も多くなかったため、騙し騙しできていた。経験を重ねるごとに喉の使い方も覚えていき、緊張がほぐれると変なところに力が入らなくなり、風邪をひかない限り喉を潰すことはなくなったが、1年中ずっと体調管理や健康には気をつけているという[11]。 小学校などの特別授業で声優の仕事について子供たちの前で話す機会も何度かあり、その時の小学校などの子供たちから「(私が声優を担当しているアニメを)それ毎週見てる!」「面白い!」などの反応や、手紙にとても励まされた。SNSなどでファンから貰える温かい言葉も嬉しく糧になり、「声優をしていてよかった」と改めて思ったという[11]。 声優の仕事は正解があるものではないため、毎回反省が多く、終えてから「もっとこうすればよかった」と思っており、ひとつの仕事が最終回を迎えた時の寂しさや、オーディションに落ちまくり「もう私は必要ないんじゃないかな」という気持ちにどう向き合って切り替えていくかはしんどい作業でもあったという。そのように感じた時は旅行に行ったり、仕事とは関係のないことをしたりして気持ちを切り替えるようにしているが、最終的には「なるようにしかならない」ということも悟っていた[11]。 紙に「20歳までにデビューして、25歳までに男の子の主役をやる!」と書いたことがあり、それをずっと持っていたという[11]。 声優デビュー当時は、画面から聞こえてくる自分の声にかなり違和感があったが、少しずつ芝居や声が商品として出来てくると違和感も減っていった。2024年のインタビューでも、普段話している声を録音して聞くと若干違和感はあるものの、キャラクターを演じている時の声は客観的に聞いていることもあり、違和感は感じなくなった[10]。 育児について毎日朝から「早く起きろ~!」「ごはん早く食べちゃって!」、「遅刻するよ!」といった具合に子供たちのおかげで良い発声練習ができており、子供からは「ママうるさい、声でかい」とよく言われている。子供たちとの毎日の言い合いについては、発声練習も兼ねて、あえて腹式呼吸を意識して声を出しているところはあるという。声で子供を捕まえられることも仕事が育児に役立っていることのひとつで、声が大きいので子どもが迷子になる前に呼び止められるという[10]。 長女の時の子育ては、育児本通りに育てなてくてはいけないというマイルールに陥ってしまい、色々な育児本を読み漁り、その通りにいかないと不安になっていた。育児本から得た知識も役に立っていたが、小林の性格が良くも悪くも真面目過ぎる部分があった[10]。 予定日より1か月近く早く生まれ、体の小さかった娘に、育児本に記載された通りの月齢のミルク量を飲ませようしていた時期もあった。このことは、「このミルク量を飲まないと死んじゃう!」と躍起になってしまい、そのため娘は哺乳瓶やおっぱいを見ると「うわぁ…」という顔をするようになってしまった。その後も、パッションが少々強めな娘のイヤイヤ期は激しかったが、思わず感情のまま怒ってしまい、その度に「あんなに怒ることなかったな」と後悔して将来、「トラウマになったらどうしよう」とまで悶々と考え込んでしまう日々だった[10]。 野原しんのすけ役『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役を演じることになった時には、自身は可愛らしい透き通った声であるため、しんのすけの独特な声や喋り方は「前任の矢島さんの物凄い努力と研究の結果」といい、監督をはじめスタッフからも「出来る限りしんちゃんのイメージはそのままで」という指示もあった。その先代の努力と研究を完コピするという形でなぞることにしており、1日中矢島のしんのすけを聞き続け、自分の声と比べる作業を繰り返しながら、「野原しんのすけ」をインプットしていったという[10]。 しんのすけを引き継ぐ前から小林の子供たちは『クレヨンしんちゃん』を毎週楽しみに観ていたが、小林はその間、夕飯の支度をしながら子供たちの笑い声を聞いていた。引き継ぐにあたり、改めてちゃんと『クレヨンしんちゃん』を観ていたところ、非常に面白く感じ、特に野原みさえの場面を見て「子育てはもっと気を楽にしていいんだ、完璧な子育てなんてなくていいんだ」と心がふっと軽くなった。大切なことをみさえは教えてくれたといい、だいぶ助けられたという[10]。 2024年4月22日付のブログで、森川智之と檜山修之のトークライヴを観覧した際、同じく観覧に来ていた矢島と対面して挨拶することが叶ったと明かしている。その際矢島から「しんのすけをたのんだゾ〜!」というメッセージを貰ったという[24]。 出演太字はメインキャラクター。 テレビアニメ
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