行かないで (玉置浩二の曲)
「行かないで」(いかないで)は、日本のシンガーソングライターである玉置浩二の楽曲。 1989年11月20日にKitty Recordsから5枚目のシングルとしてリリースされた。前作「I'm Dandy」(1989年)よりおよそ4か月ぶりとなるシングルであり、作詞は松井五郎、作曲は玉置が担当している。 フジテレビ開局30周年記念ドラマ『さよなら李香蘭』(1989年)の主題歌として使用され、オリコンシングルチャートでは最高位16位となった。本作はオリジナル・アルバムには未収録となり、ベスト・アルバム『安全地帯/玉置浩二 ベスト』(1994年)においてアルバム初収録となった。 日本国内においてはヒット曲とならなかったが、香港の人気歌手であるジャッキー・チュンが「李香蘭」のタイトルでカバー曲をリリースし香港では国民的ヒット曲となる。また後にカザフスタンの人気歌手であるディマシュ・クダイベルゲンがカバーし、中東や中国本土でも人気の高い曲として認知されている。玉置自身のライブにおいて披露される機会はほとんどなかったが、後年のオーケストラスタイルでのコンサートでは本作が頻繁に披露されている。 リリース、メディアでの使用、音楽性本作は1989年11月20日にKitty Recordsより8センチCDおよびカセットテープの2形態でリリースされた。本作はオリジナル・アルバムには未収録となったが、2枚目のシングル「キ・ツ・イ」(1989年)から本作まで、オリジナル・アルバムに収録されないシングルのリリースが続くこととなった。本作は李香蘭の名で人気歌手となった山口淑子の生涯を描いたフジテレビ開局30周年記念ドラマ『さよなら李香蘭』(1989年)の主題歌として使用された[2][3]。 前々作「氷点」の編曲を手掛けた星勝によって壮大なオーケストラアレンジが施され、玉置の「美しく強いファルセット」による歌唱のバラードであり、シンフォニックコンサートにおいて玉置と共演した世界的指揮者である西本智実が絶賛したという完成度の楽曲[4]。本作はテレビドラマ用に書き下ろされた楽曲であるが、元々中国において安全地帯の人気が高かった背景もあり、広東語に翻訳され中国語圏の多数の歌手によってカバーされることとなった[4]。 本作はオリコンシングルチャートにて最高位16位の登場週数9回となり、売り上げ枚数は5.7万枚となった[1]。本作の売り上げ枚数は玉置のシングル売上ランキングにおいて9位となった[5]。2022年に実施されたねとらぼ調査隊による玉置のシングル曲人気ランキングでは3位となった[6]。 カバー「李香蘭」本作を原曲とする「李香蘭」は、日本の女優である山口淑子の中国語の芸名から名付けられた楽曲で、香港の歌手であるジャッキー・チュン(張學友)が歌い、広東語のアルバム『夢中的你』(1990年)に収録する形で香港でリリースされた。市場で大いに支持され、広東語のポピュラー音楽の中でも、多くの人々が認める古典的な歌曲のひとつとなった。 玉置による原曲はロ短調 (Bm) で、歌の大部分をファルセット唱法で歌っているが、チュンのカバーではイ短調 (Am) と原曲より全音(長2度)低いキーにした独特な歌い方で、歌の大部分を普通の声で歌い、音が特に高くなるところだけでファルセットを使っている。周禮茂の詞は感傷に満ちたものであり、音楽に完全に溶け込んでいる[7]。 「李香蘭」は広東語の楽曲であるが、台湾、シンガポール、中国大陸、マレーシアなどで支持されている。後に至るまで、世界各地の多数の中国語ラジオ放送局が同曲を頻繁に放送する。放送に取り上げられる価値はあったものの、「李香蘭」の発表当初は全く賞を獲得出来ず、『勁歌金曲』の季節ごとに選ばれる楽曲(季選歌曲)にも選ばれなかった。同じアルバムのタイトル曲でシングル化された「夢中的你」や「再度重遇你」に比べても劣るものではなく、当時のメディアには大きく取り上げられなかったものの、受賞もなかった楽曲がやがて大衆に受け入れられ、久しく支持され続ける広東語の古典的な流行歌となった。 「李香蘭」のタイトルでは以下の歌手がカバーしている。
「秋意濃」台湾の作詞家である姚若龍による新たな歌詞で、曲名も「秋意濃」と改めたバージョンで以下の歌手がカバーしている。
その他のカバー
シングル収録曲
リリース履歴
収録アルバム
脚注
参考文献
外部リンク
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