All I Do (玉置浩二のアルバム)
『All I Do』(オールアイドゥ)は、日本のミュージシャンである玉置浩二の1枚目のオリジナル・アルバムである。 1987年8月10日にKitty Recordsからリリースされた。玉置の初となるソロアルバムであり、全曲共に作詞は松井五郎、作曲は玉置、プロデューサーは玉置および星勝、金子章平が担当している。 レコーディングは同年にロンドンおよびロサンゼルスで行われており、クリス・キャメロン、ランディ・カーバー、ジェリー・ヘイなど当時の世界トップレベルの音楽家がサポートに参加している[2]。国外の一流ミュージシャンの演奏をバックに玉置のボーカルに焦点が充てることがコンセプトの作品となっている。 先行シングルとしてリリースされた「All I Do」を収録している。本作はオリコンアルバムチャートにおいて最高位2位となった。 背景アルバム『安全地帯V』(1986年)リリース後、同バンドは2月より「安全地帯Vツアー」を敢行、同年5月には香港での公演を終えてツアーは終了となった[3]。6月10日には同ツアーから4月20日から4月25日までの日本武道館公演を収録したライブ・アルバム『安全地帯LIVE』(1987年)がリリースされた[3]。 ほぼ同時期に玉置は安全地帯としての活動を一時休止してソロ作品の制作に着手しており、7月25日には先行シングルとなる「All I Do」をリリースした[3]。 録音、制作レコーディングは1987年5月頃よりロサンゼルスのデヴォンシャースタジオおよびロンドンのユートピアスタジオ、ユニット3スタジオ、マーカススタジオにて行われた。プロデューサーは玉置の他に星勝、金子章平が担当している。 レコーディングにはスティングのバック演奏などで知られるドラマーのヴィニー・カリウタ、ジョージ・マイケルの編曲を担当しているキーボーディストのクリス・キャメロンなどの日本国外の著名なミュージシャンを起用している[5]。しかし玉置本人はあまり得意ではないとの理由から国外ミュージシャンとは直接コミュニケーションを取っておらず、星がコミュニケーションを取っていた[4]。また、曲ごとにBAnaNAや星を含む4名のアレンジャーを使い分けている[4]。 玉置は本作の制作理由として、安全地帯として一通りの事は終わったためにメンバー全員が別の活動を志望したことから軽い気持ちでソロ活動に踏み切ったと述べたほか、バンド構成を意識せずに制作できたことが楽しかったとも述べている[4]。 音楽性と歌詞本作のコンセプトは国外一流のミュージシャンの演奏をバックに、玉置の歌唱そのものをメインに据える事となっている[3]。本作では曲によってアレンジャーを変えており、プログラミングを駆使した音作りとなっている[4]。本作に関して安全地帯のギター担当である矢萩渉は好意的に捉えており、曲の良さと実験的な要素が入っている事を指摘し、「新たな一面を見た気がした」、「かなり際どいことをやっているよね」と述べている[6]。 当初は全英語詞での制作も検討されたが、安全地帯より引き続き作詞家の松井五郎を起用し、安全地帯の時とさほど変わらない環境で作詞された[4]。これに関して松井は「せっかく安全地帯と違うものをやるのであれば、僕が詞を書かないほうがいいんじゃないかと思ってもいました」と述べている[4]。また松井は、外国人ミュージシャンの起用により安全地帯とは異なる音楽性になっていたものの、玉置の存在感によりバンドとソロの区別がつかなくなってしまうため、玉置のソロの意義を考慮しながら制作を行っていたと述べている[7]。安全地帯での活動時において松井は玉置と直接歌詞に関する話し合いは行っておらず、プロデューサーであった星や金子、エグゼクティブ・プロデューサーであった多賀英典とともに歌詞の世界観を構築していったと述べた上で、玉置は安全地帯の歌詞についてはほぼ意見を述べることはなかったため、安全地帯とソロとの最も大きな違いは松井と玉置が直接話し合いをするようになったことであると松井は述べている[7]。 リリース、プロモーション本作は1987年8月10日にKitty RecordsよりLP、CT、CDの3形態でリリースされた。本作に関するテレビ番組出演として、同年7月31日および8月14日放送のテレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』(1986年 - )に出演し「All I Do」を披露した[8][9]。8月20日放送のTBS系音楽番組『ザ・ベストテン』(1978年 - 1989年)では「All I Do」が第10位で初登場となったが1週のみのランクインとなった。 その後1990年7月25日、1992年11月21日、1997年4月25日にCDのみ再リリースされた他、2016年11月23日にはSHM-CD仕様にて、2018年8月15日には紙ジャケット、SHM-CD仕様にて再リリースされた[10][11]。 反響批評
音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「All I Do」を「ソウルフルなタイトル曲」と表現した他、「異国情緒あふれるバラエティに富んだサウンドを聴かせてくれる」と音楽性に関して肯定的に評価している[12]。 カバー本作の収録曲は以下の歌手によってカバーされている。シングルカットされた「All I Do」に関しては同項目を参照。
チャート成績オリコンチャートではLP、CT、CD盤共に最高位2位、登場回数はLPとCTが14回、CDが11回となり、売り上げ枚数はLPが5.1万枚[1]、CTが5.0万枚、CDが8.0万枚で累計では18.1万枚となった。 収録曲
スタッフ・クレジット参加ミュージシャン
スタッフ
リリース履歴
脚注
参考文献
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia