2014年ソチオリンピックのフィギュアスケート競技
2014年ソチオリンピックのフィギュアスケート競技(2014ねんソチオリンピックのフィギュアスケートきょうぎ)は、2014年ロシアのソチで開かれた2014年ソチオリンピックにて実施されたフィギュアスケートの国際競技会である。 概要2014年ソチオリンピックのフィギュアスケート競技は国際オリンピック委員会の統括のもとで国際スケート連盟が管理進行し、ソチにあるアイスバーグ・スケート・パレスにて男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスおよび団体の5種目が実施された。 2月7日の開会式に先駆けて、今大会より新種目となった団体戦が実施された。ロシアのチームが優勝し、ソチオリンピックでロシアが獲得した金メダルの第1号となった。このうち、男子シングルで出場したエフゲニー・プルシェンコがオリンピックのフィギュアスケート競技において史上2人目の4大会連続のメダリストとなった。なお、銀メダルはカナダのチームが、銅メダルはアメリカのチームが獲得した。 ペアでは、ロシアのタチアナ・ボロソジャル/マキシム・トランコフ組が優勝し2冠を達成した。ペアの選手が地元開催のオリンピックで優勝するのは初めてのことであった。クセニヤ・ストルボワ/ヒョードル・クリモフ組が銀メダル、アリオナ・サフチェンコ/ロビン・ゾルコーヴィ組が2大会連続での銅メダルを獲得した。高橋成美/木原龍一組が日本のペアとしては4大会ぶりに出場、開催国枠のあった長野オリンピックと札幌オリンピックを除けば、アルベールビルオリンピック以来2組目のオリンピック出場となった。前回のバンクーバーオリンピックで銀メダルを獲得した中国の龐清/佟健組は4位に終わり、今大会限りでの引退を発表した。 男子シングルでは、日本の羽生結弦がアジアの選手として初めて優勝した。羽生は、SPでは史上初めて100点を超えるスコアを出して金メダルを獲得、夏季、冬季を通して初の平成生まれの金メダリストとなった。カナダのパトリック・チャンが2位で銀メダルを、デニス・テンがカザフスタンにフィギュアスケートで初めての銅メダルをもたらした。13位のフランスのブライアン・ジュベール[1]、さらにSPの6分練習中に足を負傷して競技を棄権したプルシェンコが引退を発表した[2]。 マイケル・クリスチャン・マルティネスはフィリピンから唯一の本大会参加者であり、フィリピン及び東南アジアで初めてオリンピックのフィギュアスケート競技の出場者となった[3]。 アイスダンスでは、アメリカのメリル・デイヴィス/チャーリー・ホワイト組がSD・FD共に自身の持つ歴代最高得点を更新し、アメリカのカップル競技では初めての金メダルを獲得した。FDの演技構成点では史上初めて10.00満点を出した。前回大会金メダリストのカナダのテッサ・ヴァーチュ/スコット・モイア組が銀メダル、地元ロシアのエレーナ・イリニフ/ニキータ・カツァラポフ組が銅メダルを獲得した。なお、23位の中国の黄欣彤/鄭汛組[4]が引退を発表した。 女子シングルでは、アデリナ・ソトニコワがロシアの女子シングル選手としては初めて金メダルを獲得、前回覇者の韓国の金妍兒は銀メダルとなり、演技後に現役引退を発表した。カロリーナ・コストナーがイタリアの女子シングル選手としては初めてのオリンピックのメダルを獲得した。イサドラ・ウィリアムズが、ブラジルの選手として初めてオリンピックのフィギュアスケート競技に出場した[5]。競技後に金メダルにからむ採点問題が取り上げられ、競技終了後から3週間を経過した3月10日に大韓体育会が「可能な限りあらゆる方法を動員し、さらなる措置を取る」と表明[6]。21日には、大韓体育会がISUに当時の審判構成への異議を申し立てるという抗議方針を決定した[7]。一方、IOC側は「採点の再検討はしない。(審判団は採点の)厳格なルールを持っている」とし、採点見直しには応じない立場を示している[8]。4月10日に大韓体育会と韓国スケート連盟は正式にISUの懲戒委員会に提訴したが韓国内の不満を収束させることは出来ず、大規模なデモ活動が継続されるとともにオッタビオ・チンクアンタ会長の退任を求める署名活動も行われている[9]。 エキシビションには各カテゴリー上位5組と、推薦枠で日本の髙橋大輔と浅田真央が出演した。開催国の推薦枠でアディアン・ピトキーエフ、エレーナ・ラジオノワ、リーナ・フェードロワ/マキシム・ミロシキン組が、オープニングには本大会のアイスダンスで16位に入ったヴィクトリヤ・シニツィナ/ルスラン・ジガンシン組が出演した。 出場選手選考と資格出場枠が各国に対して与えられ、出場選手は各国により選出された。 個人戦各種目ごと各国に対して与えられた出場枠は、2013年3月に開催された世界フィギュアスケート選手権および2013年10月に開催されたネーベルホルン杯の成績により1ないし3と決められた。 なお各種目ごとに選手定員が定められており、上記大会で成績下位の国には出場枠が与えられていない。
ネーベルホルン杯でペアの出場枠を獲得したエストニアはアレクサンドル・ザボエフがエストニアの国籍を取得できなかったために枠を返上し、日本に出場権が移った[10]。世界選手権でペアの出場枠を獲得したフランスはダリア・ポポワがフランスの国籍を取得できなかったために1枠を返上し、オーストリアに出場権が移った[11]。 団体戦2012-2013年シーズンの世界選手権、ヨーロッパ選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権および、2013-2014年シーズンのISUグランプリシリーズ、ISUグランプリファイナル、ISUジュニアグランプリシリーズで各国の選手が獲得したポイントを合計し、個人戦の出場枠が3カテゴリー以上ある国のうち、上位10ヶ国が代表となった[12]。
イギリスは男子シングルで個人戦の出場枠を持っていないが、団体戦に限り出場者を補充できる。 競技出場には2013年7月1日時点で15歳以上という年齢制限が課された。 最低技術点出場のために最低技術点が設定されており、当該シーズンと前シーズンの国際スケート連盟の主催する大会で、ショートプログラム(ショートダンス)とフリースケーティング(フリーダンス)の両方でクリアしていなければ出場ができない。
競技日程時間はモスクワ時間(UTC+4) 競技は開会式前に開始され[13]、22日にはエキシビションが実施された[注釈 1]。太字は決勝種目。
競技結果各国メダル数
個人戦男子シングル
女子シングル
ペア
アイスダンス
団体戦参加10カ国が予選に参加しショートプログラム(ショートダンス)を滑走し、1位が10点、2位が9点・・・10位が1点を獲得する。4種目終了時点で合計得点の上位5カ国が決勝に進出し、フリースケーティング(フリーダンス)を滑走。予選の点数は決勝へと持ち越される。個人戦で複数枠を保持している国は予選と決勝で選手の交代が許されている。
男子シングルショートプログラム
フリースケーティング
女子シングルショートプログラム
フリースケーティング
ペアショートプログラム
フリースケーティング
アイスダンスショートダンス
フリーダンス
エキシビション上位5位以内の選手と開催国推薦枠および推薦枠の選手が参加し開催された。このうち、開催国推薦枠はソチオリンピックには出場しなかったロシアの若手選手アディアン・ピトキーエフ、リーナ・フェードロワ&マキシム・ミロシキン、アレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン、エレーナ・ラジオノワが参加し、推薦枠からは女子シングル6位の浅田真央と男子シングル6位の髙橋大輔が参加した。参加者および滑走順は以下のとおり。 第一部
第二部
脚注注釈
出典
外部リンク |
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