ティモ・ベルンハルト
ティモ・ベルンハルト(Timo Bernhard、1981年2月24日 - )は、ドイツのザールラント州ホンブルク出身のレーシングドライバー。スポーツカーレースに出走している。かつてはアメリカのペンスキー・レーシングに所属しており、2013年以降はポルシェチームのワークスドライバーとして活動している[1]。2009年から2011年までアウディチームに所属して活躍している。2010年に、スポーツカー三大クラシック耐久レースのデイトナ24時間レース(2003年)・セブリング12時間レース(2008年)・ル・マン24時間レース(2010年)を制して三冠を達成した。 初期のレース経歴(スポーツカーレース転向以前)1991年、ベルンハルトは10歳の時にカートデビューして、モータースポーツレースの世界へ第一歩を踏み出した。1994年にはドイツカートジュニア選手権の王者となり、1995年にCIK-FIAジュニア世界選手権で総合5位に入った。1996年にドイツカート選手権で総合6位、1997年に総合3位に入った。1998年にはフォーミュラカーレースの世界に移り、フォーミュラ・フォードのユーロカップとドイツシリーズの両方で総合6位に入っている。1999年のドイツシリーズで総合3位の成績を残したシーズンを最後にして、ベルンハルトのフォーミュラカーレースでのレース活動は終了した。 スポーツカーレースでのレース経歴2000年、ベルンハルトはUPS・ポルシェ・ジュニア・チームのドライバーとしてポルシェ・スーパーカップに出場し、総合3位に入った。2001年、ベルンハルトはアレックス・ジョブ・レーシングに加入してランディ・ポブストとクリスティアン・メンツェルでチームを組んでアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)に参戦し、シリーズのデビューレースとなるセブリング12時間レースに出場してGTクラスの2位に入賞した。 2002年2000年シーズンの開幕となるデイトナ24時間レースでは「ザ・レーサーズ・グループ」のチームに所属して参戦し、クラス優勝で開幕戦を飾った。「アルツェン・モータースポーツ」のチームに所属して参戦したニュルブルクリンク24時間レースでは総合2位に入っている。この年のベルンハルトのベストレースとして挙げられるのはル・マン24時間レースでの活躍であり、ケヴィン・バックラーとルーカス・ルーアとチームを組んでGTクラスで参戦してクラス優勝を果たした。カレラ・カップでは3位となり、ヨルグ・ベルグマイスターと組んで臨んだALMSの開幕レースで優勝して選手権で4位の成績を残している。 2003年ベルンハルトはバックラー、ミハエル・シュロム、ベルクマイスターらとポルシェ・911 GT3-RSに乗り、シーズン開幕戦デイトナ24時間レースでプロトタイプカーを破り総合優勝を飾った。ベルンハルトとベルクマイスターはプチ・ル・マンを含むALMSの3戦で優勝して選手権で2位となった。ベルンハルトはニュルブルクリンク24時間レースで3位に入った。 2004年ALMSでベルンハルトはベルグマイスターと再びパートナーを組むこととなった。このコンビでGTクラスを9戦して6勝を挙げGTクラスタイトルを獲得した。その6勝に含まれるセブリングとプチ・ル・マンのレースは、サッシャ・マーセンとトリオを組んで勝利している。ベルンハルトはまたスパ・フランコルシャン24時間レースで総合順位4位クラス2位だった。そしてニュルブルクリンク24時間レースでは、3年連続で表彰台を獲得し、マンタイ・レーシング・ポルシェチームで3位に入った。 2005年ベルンハルトはロマン・デュマと組んでALMSに参戦した。このコンビで4回のクラス優勝を挙げ、ベルンハルトは4回のポールポジションを獲得しているが、クラス2位で終わった。ベルクマイスターとパトリック・ロングと組んで臨んだル・マン24時間レースでは、GT2クラスでクラス2位に入っている。 2006年ベルンハルトはロジャー・ペンスキーがチームオーナーの「DHL・ペンスキー・レーシング」に移籍して、新型ポルシェ・RSスパイダーに乗り換え、パートナーは前年に引き続きデュマと組みながら、ALMSのLMP2クラスに参戦した。 第3戦ミッドオハイオでは本来上位クラスのLMP1クラスに出走するLMP1カーの新モデルとなる最速車のアウディ・R10がル・マン24時間レースに専念する為にALMSでは開幕戦セブリングを初参戦初優勝後、第5戦ユタ・グランプリまで欠場が続いている最中であったという幸運もあり、当時モデル末期のLMP1カーであったアウディ・R8を相手に戦い総合優勝を果たすという快挙を成し遂げた。(*ちなみにアウディ・R10が投入初年度となる2006年の前半の時点において、アウディがR10をALMSを始めとするレースへの参戦数を重ねて戦力強化することよりテストに時間を割いて開発熟成に取り組んでいたという実態は、英語版WikipediaのAudi R10 TDIの記事やCategory:2006 in the American Le Mans Seriesに登録されている2006年のALMSの各レースの記事の記述によって確認できる。) この快挙は、LMP2カー初の総合優勝でかつ、2003年以来の(最上位クラスではない)下位クラスのレースカーによる総合優勝という記録から成るものであった。ベルンハルトはプチ・ル・マンのLMP2クラスにも(サシャ・マーセン、エマニュエル・コラールと共に)優勝し、ALMSで4回のクラス優勝を挙げてクラス3位となっている。ニュルブルクリンク24時間レースでもルーカス・ルーア、マルセル・ティーマン、マイク・ロッケンフェラーと組んで出場し総合優勝した。 2007年ALMSに前年と同じく参戦。第二世代に進化したペンスキー・レーシングのポルシェ・RSスパイダーは、格上クラスのLMP1のアウディ・R10を下し、全12戦中第3 - 10戦で8連勝で総合優勝、3回のクラス優勝を飾りシリーズを席巻、LMP2クラスチームタイトルを獲得した。ベルンハルト・デュマ組が全8勝(総合優勝は6回)を上げ、LMP2ドライバーズタイトルを獲得した。 2008年ALMSに前年同様参戦。初戦のセブリング12時間でLMP2マシンで総合優勝し、ポルシェとしては20年ぶりの勝利となった。その後もアキュラが投入したARX-01bに苦戦する側面もあったが、最終的にはペンスキー・レーシングがLMP2クラスタイトルを獲得、ベルンハルト・デュマ組がドライバーズタイトルを獲得、連覇を果たした。 2009年ベルンハルトとデュマはアウディスポーツ・チームヨーストに移籍し、新型アウディ・R15 TDIをドライブした。アレクサンドル・プレマをメンバーに加えて挑んだル・マン24時間レースでは、3号車に乗り総合順位17位に入っている。 2010年この年デュマとロッケンフェラーと組んで前年に引き続きR15 TDI(カーナンバーは9号車)に乗って臨んだル・マン24時間レースで総合優勝を果たす。ベルンハルトを含む優勝ドライバー3人にとって初のル・マン総合優勝であった。決勝レースでは、1971年の走行距離記録5,335.313 km (3,315.210マイル) を39年振りに上回る5,410.713 km (3,362.061マイル) (397ラップ) を記録している[2]。ル・マンの制覇により、ベルンハルトはスポーツカー三大クラシック耐久レースの三冠(トリプルクラウン)を達成した。 2015年2014年から世界耐久選手権(WEC)で、ポルシェのポルシェ・919ハイブリッドをドライブ。この年のWECでLMP1クラスドライバーズタイトルを獲得した。ル・マン24時間では総合2位だった。 2017年ル・マン24時間では2度目の総合優勝を獲得。WECでもLMP1クラスドライバーズタイトルを獲得した。 2018年6月29日、1983年にステファン・ベロフがポルシェ・956で記録した6分11秒13のニュルブルクリンク北コースのラップレコードを、ポルシェ・919ハイブリッド Evoを走らせ5分19秒546を記録し、35年ぶりに更新した[3][4]。 主なレース実績![]()
レース戦績ポルシェ・カレラカップ・ドイツ
ポルシェ・スーパーカップ
(key) スポーツカーアメリカン・ル・マン・シリーズ
ロレックス・スポーツカー・シリーズ
インターコンチネンタル・ル・マン・カップ
FIA 世界耐久選手権
ユナイテッド・スポーツカー選手権
ル・マン24時間レース
デイトナ24時間レース
セブリング12時間レース
グランドツーリングADAC GTマスターズ
スパ・フランコルシャン24時間レース
ニュルブルクリンク24時間レース
脚注
関連項目外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia