レット・イット・ゴー (ディズニーの曲)
「レット・イット・ゴー」(英: Let It Go)は、2013年のディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』に使用された楽曲。作詞・作曲は、クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス。劇中の挿入歌としては、アメリカ人女優で歌手のイディナ・メンゼルが王女エルサ役の声優として歌唱している。日本語の愛称は「レリゴー」。 人々に自らの魔法を知られてしまったエルサが、王国から逃げ出した直後の場面でこの曲が使用される。もはや自分の意思で抑えることが出来ないほど強大な魔法を持つエルサが、幼少期以来ずっと抑えられてきたハンディキャップから解放され、何にも恐れずに魔法が使えることを歓喜し、氷の城を築城するシーンで使われている(一方で本人は知らないとはいえ、王国は彼女の魔法による氷で覆われたままになる)。 制作![]() この曲はクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペスが映画のために書き下ろした最初の楽曲である。作詞・作曲にあたって彼らは『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』といった他のディズニー映画や、アデル、エイミー・マン、レディー・ガガ、アヴリル・ラヴィーン、キャロル・キングといった様々なアーティストからインスピレーションを受けている[2]。この楽曲は結果的に、劇中におけるエルサの性格描写に大きく影響した。当初の脚本で、エルサは悪役として書かれていたが、この楽曲から、監督のクリス・バックとジェニファー・リーは徐々にエルサを物語の主役の1人として書き直すこととなった[3][4]。 曲の調は全体を通して変イ長調 (A♭ Major) であるが、曲の冒頭は関係調(平行調)のヘ短調の主和音である Fm から始まる。拍子は4拍子、テンポは1分間137拍 (♩=137)。歌唱にあたって必要なボーカルの声域はF3(ファ)からE♭5(ミ♭)である[5]。 曲を制作したクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペスは歌唱をする歌手として、特に「ブロードウェイで最も壮麗な歌声で、ミュージカルの花形の1つ」と称したイディナ・メンゼルを想定して歌を書き下した。そのためボーカルの音域もメンゼルの声域を考慮して作られている[6]。イディナ・メンゼルは2014年3月2日の第86回アカデミー賞授賞式で、この曲をテレビ初披露した[7]。 評価この曲は映画評論家や音楽評論家のほか、一般にも広く絶賛されている[4][8][9]。「ロチェスター市新聞」は、映画のサウンドトラックとして最高の楽曲と称し[8]、「エンターテインメント・ウィークリー」のマーク・スネティカーは「驚愕に値する解放の賛歌」[9]と評した一方で、「デイリーニューズ」のジョー・ジェミアノウィッツは「不安や恐怖からの 2014年新語・流行語大賞の候補50語に、劇中楽曲の「レット・イット・ゴー」から「ありのままで」「レリゴー」がノミネートされ[12]、「ありのままで」がトップテンに選出された[13]。 大和ネクスト銀行が調査したシニア層(50歳から79歳)が選ぶ、2014年心に響いた歌ランキングで第1位を獲得[14]。 『CD&DLでーた』が2014年に発表した作品を対象に「2014年1番思い出に残っている曲」を調査したところ、松たか子の歌唱で第1位、May J.の歌唱で第3位にランクインした[15]。 2015年に開催された第87回選抜高等学校野球大会の入場行進曲に採用された。大会史上でディズニーの楽曲が採用されたのは初めてである。 Billboard Hot 100史上、ディズニーのアニメ映画の楽曲としてはイディナ・メンゼル版が第4位、デミ・ロヴァート版が第13位のヒット曲である(2022年4月9日付時点)[16]。 受賞
チャート・認定
認定
デミ・ロヴァート バージョン
デミ・ロヴァートが歌うバージョンは、カバーではあるが、まったく同じ曲ではなく、オリジナル版と同じクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペスの手によっていくつかの点が変更された上で、ポップ風にアレンジされている。 映画ではエンドクレジットの場面で流れる。 背景とリリースアンダーソン=ロペスによると、歌手としてロヴァートを選んだのは、ロヴァート自身にエルサと共通する部分を見出したためである。[6] ロヴァートのカヴァーバージョンはウォルト・ディズニー・レコードからシングルとして2013年の10月21日に発売された。[48] キー(調)は、オリジナルであるメンデルのバージョンが上述のようにA-flat major(変イ長調)キーなのに対して、ロヴァートのバージョンはG major(ト長調)のキーである。また、ボーカルの声域はロヴァートの歌唱域に合わせる形で、G3(ソ)からE5(ミ)の間に変更されている。[49] ミュージックビデオオリジナル版とは別にミュージックビデオが制作された。ミュージックビデオはデクラン・ホワイトブルームの監督によって制作され[50]、2013年11月1日に公開された[51]。 チャート・認定
外国語英語版に加え、全世界43の言語で歌われている[70][71][72]。
また、世界25の国と地域それぞれの言語でエルサ役を演じた女優22人(フランス語とカナダ・フランス語、ドイツ語とオランダ語、スペイン語とカタルーニャ語は同じ女優による)が歌った"Let It Go"をメドレーのように1曲につなぎ合わせた25か国語版のミュージックビデオも公開されている。25か国語版で歌われている言語は、歌唱順に以下のとおりである。
また、POP調にアレンジされたデミ・ロヴァートバージョンは42ヶ国ある中で10ヶ国[注 1]しか製作されていない。 これにより、製作されていない国からディズニーへの合わせにより、毎年各国で開催されるdisney on iceでのデミ・ロヴァートバージョンを新たに、その国の言語へ訳し実際イベントで使われた。 その他のカバー
備考
脚注注釈
出典
外部リンク
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