名探偵コナン ゼロの執行人
『名探偵コナン ゼロの執行人』(めいたんていコナン ゼロのしっこうにん)は、2018年4月13日に公開されたアニメ映画で、劇場版『名探偵コナン』シリーズの22作目にあたる。興行収入は91億8,000万円となり、6作連続でシリーズ最高興収を更新している[4]。キャッチコピーは「それが、お前の真実か──」「真実を暴く者VS正義を貫く者 魂がぶつかり合う極秘任務(シークレットミッション)ミステリー」。 概要本作は、前々作『純黒の悪夢』で劇場版に初登場した公安警察所属の安室透(降谷零)が2年ぶりにメインキャラクターとして登場し、爆破事件の容疑者として逮捕された毛利小五郎の無実を証明するため真実を追求する江戸川コナンの前に立ちはだかる、という正義をテーマとしたストーリーが描かれる[5]。安室役の古谷徹はティザービジュアルの段階から江戸川コナン役の高山みなみ、毛利蘭役の山崎和佳奈、毛利小五郎役の小山力也と共にメインキャストとして記載され、舞台挨拶にも参加した。 警視庁捜査一課の管理官である黒田兵衛が本作で劇場版初登場を果たした。警視庁捜査一課のメンバー(目暮十三、佐藤美和子、高木渉、千葉和伸)、榎本梓、風見裕也は『純黒の悪夢』以来2年ぶりの登場となった。白鳥任三郎の登場は第18作『異次元の狙撃手』以来で、本作で4年ぶりに捜査一課メンバーが揃った。特に.5名の中で最も劇場版の登場から遠のいていた白鳥は、逮捕された小五郎の近況をコナン達に報告する役回りだったため、序盤から中盤までの出番が多かった[注 1]。また、警視庁刑事部部長・小田切敏郎も第15作『沈黙の15分』以来7年ぶりに登場したが、本作での台詞はない。また、妃英理と栗山緑が第10作『探偵たちの鎮魂歌』以来12年ぶりに劇場版に登場。英理は第4作『瞳の中の暗殺者』以来18年ぶりにポスタービジュアルにも登場した。 公開直前の2018年4月7日には、本作のプレストーリーとなるテレビアニメ第898話「ケーキが溶けた!」が放送された[6]。また、公開翌日の2018年4月14日と翌週の4月21日には本放送枠で妃英理が登場し、本作と同じく小五郎が容疑者になるエピソードである「容疑者・毛利小五郎」[7]が再放送された[8][9]。 本作は回想シーンを含め殺人事件は起きておらず、オリジナルキャラクターも1名、自殺したとされていたが生きていたため全員生存している。これは第16作『11人目のストライカー』以来6年ぶりである。 監督は『沈黙の15分』から前作『から紅の恋歌』まで7作連続で務めた静野孔文[注 2]に代わり、『モブサイコ100』などの立川譲が務める。前作までの公開日は4月の土曜日となっていたが、本作以降は金曜日に公開される[10][11][注 3]。 タイトルの漢字はそのまま読み、カタカナの当て字がない。このような例は、『業火の向日葵』以来3年ぶり、第1作『時計じかけの摩天楼』、第3作『世紀末の魔術師』、『瞳の中の暗殺者』と合わせて5作目となった[注 4]。 オープニング映像の演出は前作の流れを汲んでいるが、工藤新一の登場シーン・背景・テロップが一新されている。また、今作ではコナンの次に毛利蘭と小五郎が同時に紹介されているとともに、安室や少年探偵団のメンバー(吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦)のキャストがオープニングで初めて紹介された[注 5]。なお、少年探偵団が終盤に活躍するのは、第5作『天国へのカウントダウン』、『11人目のストライカー』以来、6年ぶり3度目となったが過去の作品とは異なり、阿笠博士が作ったドローンを操縦して自分たちが何をしているかなどの認知は全く無い。エンドロールでは『純黒の悪夢』と同じくエピローグシーンを挿入している。 本作のガイドブックとなる「名探偵コナン シネマガジン2018」が2018年3月31日に発売され[12]、小説版は小学館ジュニア文庫から2018年4月11日に発売された[13]。また、本作が公開された後の2018年5月7日には、本作のガイドブックを兼ねている安室の特集本「名探偵コナン 安室透/バーボン/降谷零シークレットアーカイブスPLUS: 劇場版『ゼロの執行人』ガイド」が発売された[14]。更に、2018年12月18日には、名探偵コナン初となる原画・設定資料集が発売された[15]。 エピローグ後の次回作予告では、ビルの上に立つ怪盗キッドの姿が映し出され、「またお会いしましょう。夜空に浮かぶ船の上で。」とキッドが呟いた後[16]、次回作の製作およびGW中の公開が決定した旨が告知された[注 6]。のちに次回作は、怪盗キッドがメインとなり、シンガポールが舞台となる『紺青の拳』だと発表された。 ストーリー江戸川コナンら少年探偵団が阿笠博士が新たに開発した高性能ドローンの飛行テストに付き合っていた頃、テレビでは5月1日に東京サミットが開催される東京湾の統合型リゾート施設「エッジ・オブ・オーシャン」の特集や、同じ日に任務を終えて火星から帰還する大型無人探査機「はくちょう」の話題が放送されていた。コナンがテレビを見始めた瞬間、エッジ・オブ・オーシャンにある国際会議場で大規模な爆発があり、現場を警備していた警察官が数名死傷したという臨時ニュースが流れる。灰原はテレビで流れた現場の監視カメラの映像に、一瞬だけ安室透の姿があったとコナンに指摘する。 現場の状況から当初は事故と思われたが、警視庁公安部の風見裕也によって遺留品から採取された指紋が毛利小五郎のものと一致したことが報告され、小五郎は逮捕されてしまう。公安の強引な捜査に憤りを募らせるコナンは、安室に小五郎逮捕の証拠は公安による捏造ではないかと問い詰めるもはぐらかされる。その頃、妃英理のもとに弁護士の橘境子が現れ、小五郎の弁護を申し出る。 東京サミット当日、コナン達は公判前整理手続のために裁判所に向かい、警視庁で安室や風見と再会。安室が去った後、コナンは取り調べた男を自殺に追い込んだ過去が安室にあることを風見から聞かされる。 警視庁の捜査会議では、IPアドレスを隠して複数のコンピュータを経由して標的に不正アクセスを行うソフト「Nor(ノーア)」が、現場のガス栓の遠隔操作に使用されていたことが判明した。その直後、都内各所で電気製品が次々暴発・発火し、人々は大パニックに陥る。コナンはこの事件をIoTテロと考え、国際会議場の爆破も同じ手口で行われたと推理する。 その後、コナンは1年前の「NAZU不正アクセス事件」で安室に追い詰められ自殺を図った羽場二三一の存在を知る。犯人の真の目的が大型無人探査機「はくちょう」のカプセルを警視庁に落とすことだと知ったコナンと安室は、東京地検へと向かい犯人と対峙する。 一連のテロ事件の犯人は、国際会議場爆破事件を担当した公安部の日下部誠検事だった。公安に協力する民間人「協力者」だった羽場を自殺に追い込んだ公安警察への復讐を誓う日下部だが、死んだはずの羽場が警視庁の屋上に立っている映像を見せられ「はくちょう」のコードを自白。コナンは少年探偵団に博士のドローンを操作させ、警視庁へのカプセル衝突を食い止める。 だが危機は終わっておらず、カプセルの新たな落下予測地点が蘭達の避難先であるエッジ・オブ・オーシャンである事が判明する。コナンは安室に協力を要請し、キック力増強シューズで放ったボールをカプセルにぶつけて衝突を阻止。コナンと「協力者」安室透の手によって、一連のテロ事件はようやく終息した。 登場人物レギュラーキャラクター→「名探偵コナンの登場人物」も参照
オリジナルキャラクター
スタッフ
音楽主題歌
サウンドトラック
収録曲
映像ソフト2018年10月3日に発売され[28]、初週売上はBDが約5万2000枚、DVDが約3万5000枚で総合部門の首位に輝いた[29]。 豪華版にはシリーズ初のオーディオコメンタリーが収録されている。出演者は高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹[28]。 プロモーション本作では「ZERO MISSION PROJECT」と題し、日本中の「ZERO」に纏わるプロジェクトが展開された。2018年2月からは「極秘任務-SECRET MISSION-」プロジェクトも並行して展開された。 2017年11月29日発売の『週刊少年サンデー』2018年1号で本作の公開日とタイトルが発表され、同時にティザービジュアルも公開された[30]。また、同年12月4日にはYouTubeにて特報映像が公開され[31][32]、2018年1月17日には、キャラクターに加えて宇宙空間や人工衛星も描かれたポスタービジュアルが公開された[33]。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、本作のプロローグと位置付けられたリアル脱出ゲームが『名探偵コナン・ザ・エスケープ〜ゼロの序曲〜』(めいたんていコナン・ザ・エスケープ ゼロのプレリュード)のタイトルで、2018年1月19日から同年6月24日までの開催が予定されている[34]。 →脱出ゲームの詳細については「名探偵コナン (アニメ) § リアル脱出ゲーム」を参照
2018年2月8日には、ゲスト声優に上戸彩と博多大吉が決定したことが発表された[35]。上戸はテレビシリーズ第437話「上戸彩と新一 4年前の約束」以来、12年ぶりの『コナン』シリーズ出演となる。 2月10日より公開された4DX/MX4D版『純黒の悪夢』では、本作のスペシャルメッセージ映像が上映されている[36]。 3月1日には、主題歌が福山雅治によって書き下ろされた楽曲「零 -ZERO-」であることが発表され[37]、予告編も公開された[38][39]。福山は『コナン』との初のタイアップであり[40]、『業火の向日葵』以来3年ぶりのビーイングに所属していないアーティストによる主題歌起用となる。 3月1日に更新された「サンデーうぇぶり編集部」の公式Twitter上では、安室透の電話番号が流出したことが判明した。これは「極秘任務-SECRET MISSION-」の一環で、通称は「シークレット安室コール」。流出した電話番号にかけると、本作に纏わる重要なメッセージが聞けるというものになっている。また、電話をかけた一部の人には、安室本人から直接秘密の電話が折り返しかかってくるという企画も同時開催された[41]。 3月10日未明(3月9日深夜)には、ゲスト声優に読売テレビアナウンサーの諸國沙代子が加わることが、同局の深夜番組『キューン!』で発表された[42]。その翌週の同年3月17日未明(3月16日深夜)には、同番組のスタジオにコナンの着ぐるみが登場し、本作のアフレコ台本を諸國に手渡した[43]。さらにその翌週の同年3月24日未明(3月23日深夜)には、前週に続いて登場したコナンの着ぐるみが持ってきたという形で、福山からのビデオメッセージが放送された[44]。なお、その翌週の同年3月31日未明(3月30日深夜)には、諸國が劇場版イベントの司会を今年から担当することも発表された[45]。同年4月7日未明(4月6日深夜)には、諸國がAPU MEGURO STUDIOを訪れて高木渉や浦上慶子による指導のもと、アフレコを行なう様子が放送された[46][注 10]。 3月16日には、本作の特報映像に合わせてヒロインの毛利蘭がJK用語を連発する特別映像「蘭ちゃんだってJK」が公開された[48]。 3月20日には、ゲスト声優の上戸彩と博多大吉による公開アフレコイベントが東京都内のスタジオで行われ、音痴で知られる大吉が主題歌「零 -ZERO-」を歌わされて苦笑する一幕もあった[49]。 同日発売の『Sho-Comi』8号と4月5日発売の『Sho-Comi』9号では2号連続で「名探偵コナン」の付録が展開された[50]。 3月23日発売の『CanCam』5月号の裏表紙には安室透が登場し、ロゴもコナン仕様になっている[51][52]。 4月3日には東京国際フォーラムにて完成披露試写会が開催され、出演者や青山剛昌らが舞台挨拶を行なった[53]。 4月7日からは、公開記念特番「上戸彩&博多大吉のトリプルフェイスを暴く!!」が各局で随時放送された[54]。 翌8日には「極秘任務-SECRET MISSION-」の一環として、コナンの着ぐるみが渋谷警察署を訪れ、一日署長を務めた[55]。 4月10日には「ZERO MISSION PROJECT」の一環として、NPO団体グリーンバードとコラボして、大阪の街のゴミを「ゼロ」にするゴミ拾い企画が実施された[56]。 4月14日にはTOHOシネマズ日比谷にて公開記念舞台挨拶が開催され、出演者らがコナンの着ぐるみと共に登壇した[57]。 4月18日発売の『週刊少年サンデー』21号の表紙イラストでは、青山の描き下ろしによりコナン・安室・福山が競演を果たしている[58]。 4月21日には、広島グリーンアリーナにて行われた福山のライブ「FUKUYAMA MASAHARU WE'RE BROS. TOUR 2018」に、コナンの着ぐるみが登壇した[59]。 5月11日には、本作と同時期に劇場公開されたアニメ映画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』とのコラボレーション[注 11]として、同作に登場するアムロ・レイとシャア・アズナブルがコナンや安室と並ぶ描き下ろしポスターが公開された[60]。 6月1日には、新宿ピカデリーにて開催された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』のフィナーレ舞台挨拶に登壇した古谷が、本作を話題にして会場を盛り上げる一幕もあった[62][63]。 6月28日には、デジタルハリウッド大学・駿河台キャンパスにて公開講座「監督・プロデューサーが語る 映画『名探偵コナン ゼロの執行人』ができるまで」が開催され、本作から監督の立川譲やプロデューサーの諏訪道彦が登壇した[64]。 10月19日から11月8日までは、期間限定で第20作『純黒の悪夢』以来2度目となる4Dアトラクション版が上映される予定で[65]、入場者プレゼントとして「青山剛昌描き下ろし 安室透からの執行認定証」とビジュアルポストカードのセットが10万人限定で配布される[66]。なお、同年10月19日にytvにて放送された『かんさい情報ネットten.』では4Dアトラクション版の特集が組まれ、劇場公開3週間前の最終チェックに出席した立川たちのコメントや、上映中の劇場内の様子が紹介された[67]。 興行成績全国384スクリーンで公開され、2018年4月14日と翌15日の初日2日間で観客動員数101万2,000人、興行収入12億9,600万円に達し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで初登場第1位となったうえ、最終興行収入68億9,000万円の前作『から紅の恋歌』との初動興行収入の対比で100.7%を記録したほか、公開初日の4月13日から3日間の累計で観客動員数128万9,184人、興行収入16億7,113万6,900円となった[68]。 公開2週目の週末となる2018年4月21日と翌22日の2日間では、観客動員数62万人、興行収入8億2,000万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで2週連続1位となった他、22日までの累計では観客動員数が247万5,903人、興行収入が32億3,312万8,800円を記録した[69]。 公開3週目の週末となる2018年4月28日と翌29日の2日間では、観客動員数45万3,000人、興行収入6億1,000万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで3週連続1位となった他、5月1日までの累計では観客動員数が374万人、興行収入が48億円を記録した[70]。なお、この週の観客動員ランキングには『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が2位に初登場しているが、この結果に日本国外では驚きの声が漏れている[71][72]。 公開4週目の週末となる2018年5月5日と翌6日の2日間では、観客動員数41万8,000人、興行収入5億5,200万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで4週連続1位となった他、公開から4週の累計では観客動員数が479万6,522人、興行収入が62億2,251万5,600円を記録した[73]。 公開5週目の週末となる2018年5月12日と翌13日の2日間では、観客動員数19万9,000人、興行収入2億7,700万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで5週連続1位となった他、公開から5週の累計では観客動員数が519万人、興行収入が67億円を記録した[74]。 公開6週目の週末となる2018年5月19日と翌20日の2日間では、観客動員数16万1,000人、興行収入2億1,800万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで6週連続1位となった[75]他、20日までの公開38日間の累計では観客動員数が552万6,858人、興行収入が72億176万3,500円を記録し、この時点で前作『から紅の恋歌』の興行収入68.9億円を超え、コナン映画歴代最高興行収入を更新した[76]。 公開7週目の週末となる2018年5月26日と翌27日の2日間では、観客動員数13万人、興行収入1億8,000万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで7週連続1位となった[77]他、5月28日までの累計では観客動員数が580万人、興行収入が75億7,000万円を記録し、コナン映画歴代最高興行収入の記録を伸ばした[78]。 公開8週目の週末となる2018年6月2日と翌3日の2日間では、観客動員数8万7,000人、興行収入1億2,000万円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングでは『デッドプール2』と『50回目のファーストキス』に敗れて3位となったものの、累計では観客動員数が602万人、興行収入が78億円を記録し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[79]。 公開9週目の週末となる2018年6月9日と翌10日の2日間では、映画観客動員ランキングで5位に後退したものの、累計興行収入が80億円を記録し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[80]。 公開10週目の週末となる2018年6月16日と翌17日の2日間では、映画観客動員ランキングで7位へさらに後退したものの、累計興行収入が82億円を記録し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[81]。 公開11週目の週末となる2018年6月23日と翌24日の2日間では、映画観客動員ランキングで5位にランクアップしたうえ[82]、6月27日までの累計では観客動員数が641万9,003人、興行収入が83億8,878万円を記録し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[64]。 公開12週目の週末となる2018年6月30日と翌7月1日の2日間では、映画観客動員ランキングで再び7位へ後退したものの、累計興行収入が84億5,000万円を記録し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[83]。 公開13週目の週末となる2018年7月7日と翌8日の2日間では、映画観客動員ランキングで8位へさらに後退したものの[84]、累計興行収入が85億円を突破し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[85]。 公開14週目の週末となる2018年7月14日と翌15日の2日間では、映画観客動員ランキングで8位をキープしたうえ[86]、累計興行収入が85億8,000万円を突破し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[87]。 公開15週目の週末となる2018年7月21日と翌22日の2日間では、映画観客動員ランキングで10位へ後退したものの[88]、2018年7月22日までの累計興行収入が86億3,000万円を突破し、コナン映画歴代最高興行収入の記録をさらに伸ばした[89][90]。 また、4Dアトラクション版の上映開始から初めての週末となる2018年10月20日から翌21日の2日間では、映画観客動員ランキングで9位にランクインし[91]、累計興行収入は10月23日時点で88.6億円となった[92]。 さらに、2018年11月7日には累計興行収入が91億円となったことがトムス・エンタテインメントより発表された[93]。その後、累計興行収入は同年11月末時点の情報で91.3億円[94]、同年12月中旬時点の情報で91.8億円となり[4]、日本映画製作者連盟の発表によって91.8億円で確定となった[95][注 12]。 評価ぴあの調査による初日満足度ランキングで満足度94.0を記録し、第1位となっている[96]。 2018年11月27日、第43回報知映画賞でアニメ作品賞を受賞した[97]。 2019年3月1日、第42回日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞。 影響安室透を100億の男に本作をきっかけに安室透への女性人気に弾みがついた結果、「安室透(降谷零)を100億の男に」をスローガンに興行成績100億円超えを目指す動きが起きた。安室透にハマった女性ファンらは「安室の女」、本作を劇場で鑑賞する行為は「執行される」とファンの間で呼ばれた。本作の興行成績や動員数を上げるため55回以上劇場に通った女性ファンの様子が小学館の書籍『シン・浪費図鑑』に「安室透で浪費する女」と題して収録され、東宝の広報担当者のインタビューも特別掲載された[98]。 東宝宣伝部で『劇場版名探偵コナン』広報を務めた青木郁弥と野口文子によると、この「100億の男」というパワーワードの出現は早く、2017年11月末の『ゼロの執行人』ティザーポスタービジュアル公開の時点ですでにSNSでは「安室透を100億の男にしなければ」とつぶやくファンがいたという[99]。 他作品への波及本作の興行成績は91.8億円で最終確定となり、翌年公開の『紺青の拳』も「キッド&京極真は何億の男になるのか[100]」と報じられたが93.7億円で最終確定となり、いずれも100億円の大台には届かなかった。しかし、本作における「安室透を100億の男に」運動は、劇場映画(特にアニメ映画)の日本における興行収入規模を表現する際に、劇中で最もフィーチャーされた男性キャラクターを映画作品の代名詞として扱う「○○億の男」ムーブメントの嚆矢となった。 2020年10月16日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行収入が100億円を突破した際、同作のメインキャラクター・煉獄杏寿郎にちなんだ「煉獄さん100億の男」がツイッターでトレンド入り[101]。その後、同作の興行収入が100億円単位で増加する度に「煉獄さん200億の男[102]」「煉獄さん300億の男[103]」がトレンド入りしている[注 13]。この動きにより同様の異名が付けられた既存の作品のキャラクターには、『千と千尋の神隠し』のハクに「308億の男」、『君の名は。』の立花瀧に「250億の男」、『ハウルの動く城』のハウルに「196億の男」などがある[101]。 なお、本シリーズとしては2023年に公開された第26作『黒鉄の魚影』で初めて興行収入が100億円を突破し、同作のメインとなった灰原哀が上記に倣い「100億の女」と呼称された[106]。 雑誌の品切れ・重版安室効果は興行成績にとどまらず、安室が表紙を飾ったアニメ雑誌『アニメディア』2018年6月号が1981年の創刊以来2度目の重版の他[107]、スピンオフ漫画『名探偵コナン ゼロの日常』の連載が開始された『週刊少年サンデー』2018年24号が品切れになり後日少年サンデーの公式アプリ『サンデーうぇぶり』にて無料で公開された[108]。さらに、安室が表紙を飾った『週刊少年サンデーS』の2018年6月号と7月号が同誌では史上初の重版となった[109]。 安室透グッズの好セールスと「降谷はんこ」の特需2017年公開の『純黒の悪夢』のヒット時点で、すでに安室透のぬいぐるみ「あむぬい」は赤井秀一のぬいぐるみ「あかぬい」と合わせて数万円での闇取引も発生するほど高騰する程の人気があった[98]。それにもかかわらず、本作で安室透関連グッズの売上やグッズのバリエーションは2017年より飛躍的に増加した。 中でも、安室の本名である降谷零の姓「降谷」は日本全国で約30人という珍しいものであるにもかかわらず、『ゼロの執行人』公開以降ハンコ屋での売上が上がって専用の注文フォームまで開設された[110]。 テレビ放送
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク
名探偵コナン映画作品
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