桜の木になろう
「桜の木になろう」(さくらのきになろう)は、日本の女性アイドルグループ・AKB48の楽曲。楽曲は秋元康により作詞、横健介により作曲されている。2011年2月16日にAKB48のメジャー20作目のシングルとしてキングレコードから発売された[注釈 1]。楽曲のセンターポジションは前田敦子が務めた。 背景とリリース前作『チャンスの順番』から約2ヶ月ぶりのシングルで、2011年のシングル第1弾。 楽曲のシングル盤は「Type-A」の「初回限定盤」と「通常盤」、「Type-B」の「初回限定盤」と「通常盤」、サイト「キャラアニ」を通して発売された「劇場盤」の5種類がリリースされている。「劇場盤」はCDのみの形態であり、それ以外の4種類はDVDが付属している。「Type-A」および「Type-B」それぞれにおける「初回限定盤」と「通常盤」は収録トラックが同一であり、「初回限定盤」のみ「全国握手会イベント powered by ネ申テレビ」の参加券が封入されている。「劇場盤」には「劇場盤発売記念大握手会」参加券およびメンバー個別生写真1枚が封入されている。「Type-A」および「Type-B」のDVDの特典映像には、「桜の木になろう」の選抜メンバーによる「ガチ私服ファッションショー」映像が、それぞれ別タイプで収録されている。シングルのカップリング曲では「アンダーガールズ」が結成され、全形態共通のカップリング曲「偶然の十字路」を歌唱している。また、前々作『Beginner』リリース時に行われた、アメーバピグのチームピグ指名戦にて1位になった「MINT」による「キスまで100マイル」がType Aに、ボーカルチームとダンスユニットを組み合わせたユニット「DIVA」による「エリアK」がType Bに、さらに前作『チャンスの順番』に続き「チーム研究生」による「黄金センター」が劇場盤に、それぞれ収録されている。当初、MINT、DIVA共に18thシングル時のみの単発ユニットとみられていたが、カップリング・ユニットとして継続されることとなった。DIVAは、メンバーの希望によって復活した[1]。 初選抜はゼロで、前々作『Beginner』と同一の選抜メンバーとなった。 キャッチコピーは「僕はいつまでも ここにいる」。楽曲のセンターポジションは前田がつとめた。 ジャケットはMr.ChildrenのCDジャケットを手がけたこともある森本千絵が担当。 楽曲は2011年2月18日に放送された『ミュージックステーション』で披露されている。 2013年2月6日に発売された柏木由紀のソロデビューシングル『ショートケーキ』(Type-A)には、柏木歌唱によるアコースティック・バージョンが収録されており、同アレンジには押尾コータローがギターで参加している。 アートワーク
チャート成績『桜の木になろう』のシングルCDは、発売前日の2011年2月15日付オリコンデイリーシングルチャートで推定売上枚数約65万5000枚を記録。自身の前々作『Beginner』が記録していた枚数(2010年10月26日付、約56万8000枚)を抜き、デイリーシングルチャートでの推定売上枚数公開以降の最高枚数を更新した[注釈 2]。また、同じく推定売上枚数公開以降において、1日で60万枚以上を売り上げたのも本作が初となった[2]。また、集計初日のみで『Beginner』を除く自身の過去の全シングルの初動売上を上回った。同チャートでは集計2日目の2011年2月16日付で約10万1000枚を記録し、推定売上枚数の合計は75万枚を突破した。集計3日目の2011年2月17日付では約5万1000枚を記録し、3日で合計80万枚を突破した。集計4日目の2011年2月18日付で5万3000枚を記録したことにより、推定売上枚数の合計で『Beginner』の初動売上約82万7000枚を上回った。 2011年2月28日付オリコン週間シングルチャートで初登場1位を獲得。1位獲得は『RIVER』から7作連続となり、これは女性グループではピンク・レディー以来約32年8か月ぶり、史上2組目の記録[3][注釈 3]。最終的な初動売上は約94万2000枚に達した。これは歴代初動記録6位で、女性アーティストとしては宇多田ヒカルの『Addicted To You』に続いて2位(いずれも発売当時[注釈 4])。初動売上90万枚以上では同じく『Addicted To You』以来約11年3か月ぶり。2000年以降の作品としては最高記録[3]。また、『ポニーテールとシュシュ』から5作連続で初動売上が50万枚を突破している。これも2000年以降の作品としては最高記録。 2011年3月14日付オリコン週間シングルチャートにて、自身の『Beginner』に続く史上244作目、AKB48としては2作目のミリオンセラーを達成した。発売3週目での達成であり、3週以内のミリオン達成は女性グループとしては史上初、男性グループを含めるとSMAP『世界に一つだけの花』(発売2週目での達成)以来約8年ぶりの記録。また、『Beginner』のミリオンセラー達成も本作と同じ2011年内であり、同一年に2作品のミリオンセラーを達成したのは桑田佳祐(2001年に『波乗りジョニー』『白い恋人達』で達成)以来約10年ぶり[4]。なお、累計出荷枚数は2011年3月4日時点で115万枚となっている[5]。 ミュージック・ビデオ![]() 楽曲のミュージック・ビデオは、是枝裕和が監督を務めている。シングル曲のビデオとしては、「ポニーテールとシュシュ」のグアムロケ撮影以来となる屋外ロケが行われた。 ドラマ部分に出演している5名(小嶋陽菜・高橋みなみ・板野友美・前田敦子・大島優子)は現在20歳で、早世した友達(松井珠理奈、回想の形で登場)の元同級生である。小嶋は2浪中の受験生、高橋は大学生、板野と前田は社会人、大島は2歳半の娘を持つヤンママという設定となっている。松井の父親役に矢島健一が、母親役に中村久美が出演している。なおMVは、付属DVDに収録されたものとは別に複数のバージョンが存在する[注釈 5]。 CD付属のDVDに収録されている完全バージョンは全編ドラマで構成され、歌はBGMとなっているため歌唱シーンが一切ない。その他のバージョンでは、歌唱シーンがあっても全員着座しており、表題曲のMVにおいては、「桜の花びらたち2008」のMV以来3年ぶりに全く歌唱シーンの振付がない。ドラマのうち、大学のシーンは東京薬科大学で撮影され、同校の学生もエキストラ出演した[6]。 巨大な桜の木のシーンは茨城県常陸太田市内にある瑞竜小学校の瑞桜(ずいおう)の前で撮影された[7]。小学校は2012年3月に廃校となり、その後、瑞桜の至近距離に特別支援学校の新校舎が建設された。瑞桜の伐採は免れたものの景観が大幅に変わってしまい、MVの様な美しい景色を目にすることはできない。 5人が参る松井の眠る寺院や、大島が娘を遊ばせる公園などは神奈川県藤沢市内、5人が乗車するバスは、鎌倉市の国道134号七里ヶ浜海岸付近を走行する江ノ電バス、板野の勤務先のレストランは、東京都港区のバーク芝浦内のレストラン「Ocean dish Q'on」[8]でそれぞれ撮影された。なお、松井が母親とこの曲のMVを見た際、母親は「じゅりなが死んじゃったって思うとさ…」と言って号泣したという[9]。 メディアでの使用
シングル収録トラックType-A「初回限定盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一。
Type-B「初回限定盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一。
劇場盤
選抜メンバー→カップリング曲の歌唱メンバーは下記と異なる。詳細については「AKB48関連の楽曲一覧」を参照
収録アルバム脚注注釈
出典
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia