Stock (中森明菜のアルバム)
『Stock』(ストック)は、日本の歌手、中森明菜の12枚目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1988年3月3日にワーナー・パイオニアよりリリースされた (LP: L-12652, CT: LKF-8152, CD: 32XL-193)。 背景と構成『Stock』は、過去3年間に中森のシングル候補楽曲として制作された中から華やかな楽曲を集めたスタジオ・アルバムで、1988年3月3日にLP (L-12652)とコンパクトカセット (LKF-8152)とCD (32XL-193)の3形態で同時発売された[1][3][4][5]。 本作の帯にも、「AKINA "IN THE GROOVE" アナザー・シングルスとも呼べる珠玉の10曲を集めたニュー・アルバム!」との記述がある[6]。このアルバムはシングル楽曲を収録していない[5]。『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の馬飼野元宏はこのアルバムの楽曲的特徴について「ロック・テイスト」と指摘し、『オリコン・ウィークリー』では、「激しさ、パワー、スピード感という3大要素をフィーチャーして構成されたアルバム。」と解説している[5][4]。 本作3曲目の「CRYSTAL HEAVEN」には、当時の所属事務所の先輩でもあり女優の浅野ゆう子を迎え、YUKOのペンネームでこの楽曲で詞を提供している[4]。 シングル「AL-MAUJ (アルマージ)」発売の際、宣伝の一部でこのアルバムのタイトルを『FIRE WATER』と告知していた。 批評『オリコン・ウィークリー』は本作について、今後の中森の方針を示した作品とも言え、一段とシャープな女性心理をリズムに乗せた作品と評した[4]。『CDジャーナル』は本作について、性的な艶っぽさを感じさせると指摘した上で、「アキナの真骨頂発揮のアルバム」と批評し、各収録楽曲について、いつ頃製作されたものかを推測するのもファンにとっては楽しみの一つだと付け加えた[7]。『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の馬飼野元宏は「本盤の楽曲のクオリティもシングル曲と比肩するほどに高い。」と批評した[5]。『MUSIC MAGAZINE』の批評家の今井智子は「保守層狙いの歌謡曲の美学」が総体的に彩られており、「隠微な性欲を掻き立てる」と推察した[8]。また、岡本郁生は、挑発的な姿勢は明白であるが、ハードな楽曲の中にも、落ち着いた婀娜っぽさが欲しいと批評[8]。さらに、佐々木久美子は、一点集中の気迫が感じられ、この中森の潔さに最も興味を引かれると評した[8]。加えて、中村とうようは「大衆歌謡の人気第一スターのアルバムが、こんなに息つまるほど濃密でいいのだろうか。」と述べ、歌唱者も鑑賞者も幾分ゆとりの持てるような「隙間とか大まかなウネリのある作りにしなくていいものか、心配になる。」と指摘した上で、肯定的に評している[8]。 チャート成績『Stock』は、オリコン週間アルバムチャートの1988年3月14日付で初登場し、最高順位2位を記録した[9][10][1]。同チャートには、計16週に渡ってランクインしている[1]。形態別のオリコンチャートのうち、LPチャートでは最高順位1位を記録した[1]。また、カセットチャートでは計17週に渡ってランクインされた[1]。1988年度のオリコン年間アルバムチャートでは、14位を記録した。 ライブ・パフォーマンス本作リリース後の1988年7月20日より、本作と次作スタジオ・アルバム『Femme Fatale』を引っ提げた全国コンサート・ツアーFemme Fataleを開催した[11][6]。また、本作収録曲は音楽番組でも披露された。1988年8月19日放送のテレビ朝日系の音楽番組『ミュージックステーション』では本作2曲目の「夢のふち」を、翌年の1989年2月22日放送のフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』と同年3月3日放送の『ミュージックステーション』では本作1曲目の「FAREWELL」がテレビ披露された[12][13][14][6]。 収録曲
クレジット『Stock』のライナー・ノーツより[6]
リリース履歴
参照
外部リンク |
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