CRUISE (中森明菜のアルバム)
『CRUISE』(クルーズ)は、日本の歌手中森明菜の14作目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1989年7月25日にワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)よりリリースされた (LP: 25L1-80, CT: 25L4-80, CD: 29L2-80, GOLD CD: 36L2-5103)。 背景と構成『CRUISE』は、中森がワーナー在籍時に発表した最後のスタジオ・アルバムで、1989年7月25日にLP (25L1-80)とカセット (25L4-80)とCD (29L2-80)とGOLD CD (36L2-5103)の4形態で同時発売された[6][4][7]。 収録曲は、ミディアムやスローテンポの楽曲で構成された内容となっている[8][9]。また『ザテレビジョン』は、シングル「LIAR」同様に ″ロスト・ラブ″ を歌ったバラード中心の内容と指摘している[10]。それまでのシングル候補の曲を集めたもので、『Stock』のバラード編といった感じであると、当時のファンクラブ「MILKY HOUSE」の会報にて説明されていた[11]。 アルバム・タイトルの ″CRUISE″ は、″巡航″、″航海″ を意味する[12]。ちなみに、中森は当時トム・クルーズの大ファンであったという背景もあり、ダブル・ミーニングという訳ではないが、タイトルはすんなり決まったという[13]。レコーディングは、1989年4月3日から1989年4月4日にかけてニューヨークのザ・ヒット・ファクトリーで行われた[1][2][10]。また、本作との連動企画として、中森が編集長を務めたマガジン・タイプのファッションブック『CRUISE 中森明菜ファッションブック』(ほんの木)が、本作より1か月余り早い1989年6月16日に発売されている[14][12]。撮影は塚田和徳の手によって、パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京の4都市で行われ、その素材は本作のジャケットにも使用された[13]。 アルバムの特典には、カラー・ポスターに加え、LPの初回プレス分のみポートレートが2種類封入された[2][15]。LP盤でのリリースは本作が最後となっており稀少盤である[9]。そのために発売から30年経った現在も中古レコード市場やオークションなどではプレミア価格で取引されている。また、CDは国内プレス盤に加えてUSプレス盤も存在している(カタログ番号は同じ29L2-80)[† 1]。 CD-BOX『リプリーズ・パーフェクト・コレクション1982~1991』の中に収録されている本アルバムの楽曲は、ミックス違いがあったり(「URAGIRI」など イントロ部分で確認できる)、エンディングが再編集されている(「赤い不思議」「風は空の彼方」などに顕著である)。また「LIAR」においては、シングル・ヴァージョンは収録されているが、アルバム・ヴァージョンは収録されていない。 シングル「LIAR」が、本作からのリード・シングルとして1989年4月25日に発売された[2][16][9]。中森にとって通算23枚目のシングルとなったこの楽曲は、1989年のオリコン年間シングルチャートでトップ30入りした[9][17]。本作ではこの楽曲はアルバム・バージョンで収録され、4曲目に配置された[9][7][2][16]。 批評『CDジャーナル』は本作について、アップ・テンポな楽曲はなく、入念なアレンジによる揺るぎない深みのある出来と指摘し、さらに「テンションの高さは半端じゃなくて、他人事のようによそよそしいクールな歌唱に、時折のぞく激しさが聴き物。」と批評した[18]。批評家の堤昌司は、シングル「LIAR」のレビューの中で本作について言及し、「試行錯誤の末にたどり着いた到達点とまではいわなくても、良質なポップス・アルバムとして再評価されるべきかもしれない。」と評した[9]。 チャート成績『CRUISE』は、オリコン週間アルバムチャートの1989年8月7日付で初登場し、最高順位1位を記録した[19][4]。以降1989年8月21日付まで3週連続で1位を獲得した[4][20][21][22]。同チャートの100以内においては、計14週に渡ってランクインしている[4]。別集計となったGOLD CD盤 (36L2-5103)は、1989年8月7日付の同チャートで最高順位4位を記録し、100以内には計8週に渡りランクインした[19][4][20][23]。メディア別ではLP盤、CD盤、CT盤共にオリコンの週間LP、CD、カセットチャートで最高順位1位を記録し、100以内にはそれぞれ、計15週、計13週、計17週に渡ってランクインした[4]。1989年度のオリコン年間アルバムチャートでは、31位を記録した。 中森はデビューした1982年からこの1989年の8年間連続でのアルバム首位記録を獲得した[4]。 収録曲CD
クレジット
リリース履歴
脚注注釈
参照
参考文献
外部リンク |
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