BITTER AND SWEET (中森明菜のアルバム)
『BITTER AND SWEET』(ビター・アンド・スウィート)は、日本の歌手中森明菜の7枚目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1985年4月3日にワーナー・パイオニアよりリリースされた (LP: L-12593[5], CT: LKF-8093)。レコード初リリース時の価格2,800円[5]。 背景『BITTER AND SWEET』は、中森にとって8枚目のアルバムで、このアルバムの帯及びディスクジャケットにも"8TH ALBUM"と表記されている[6][1]。スタジオ・アルバムとしては通算7枚目にあたる[7]。このアルバムは、1985年4月3日にLP (L-12593)とコンパクトカセット (LKF-8093)の2形態で同時発売後、同年4月25日にはCD (32XL-61)でも発売された[1][7]。このアルバムの特典として、LP、カセット、CD予約先着50万名にポスターが付いた。 本作は井上陽水、EPO、角松敏生、神保彰ら作曲陣を迎え、各収録曲でミュージシャン・チームを変えてレコーディングが行われた[8]。このアルバムのプロデュースは、前スタジオ・アルバム『POSSIBILITY』に続き島田雄三が担当した[5][1][9]。アルバムのレコーディングは、アオイスタジオ、チェリーアイランドスタジオ、一口坂スタジオ、Sound Inn Studio、Sedic Studio、Freedom Studioで行われた[1]。 本作収録曲は音楽番組でも披露され、1986年1月15日放送のフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』で、8曲目の「恋人のいる時間」をテレビ披露した。この他、「DREAMING」と「予感」がNHK総合テレビの音楽番組『ヤングスタジオ101』にて、「BABYLON」はTBS系『だぅもありがと!』にて披露された。 本作収録の3曲目である「予感」が、1985年12月21日リリースのミニ・アルバム『MY BEST THANKS』にて再録(リマスタリング・リミックス)された[1][10]。1986年2月25日発売のオリジナル・カラオケ(9)にはフェイド・アウトが少し長いヴァージョンが収録されている。また同曲は、1995年12月に発売のベスト・アルバム『true album akina 95 best』でも新録された[1][11]。 LPでは、曲終りから次曲開始前までの間が無く、連続して次の曲が始まる仕様となっている[注 1]。 本作リリース後の1985年7月6日からは、本作を引っ提げた中森の全国コンサート・ツアー『BITTER & SWEET』が開催された[12][13][1]。 シングル「飾りじゃないのよ涙は」が、本作からのリード・シングルとして1984年11月14日に発売された[14][1][15]。本作では、この楽曲はニュー・リミックス・ヴァージョンとして収められ、1曲目に配置された[6][1]。この楽曲は1985年のオリコン年間シングルチャートでトップテン入りを果たした[16]。 1985年5月1日には、本作5曲目の「BABYLON」が、12インチシングル「赤い鳥逃げた」のB面としてヴァージョンを変え収録された[1][17][18]。 批評『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の馬飼野元宏は本作の作家陣について「従来と異なるのは、フュージョン系、サウンド重視のミュージシャンを多く起用している点。」と指摘している[7]。作品については、「強固なサウンドに負けない明菜の伸びやかなヴォーカルも聴き所。」と批評している[7]。 森脇美貴夫は「シングルヒットした『飾りじゃないのよ涙は』は悪くないが、これまでの彼女の歌の中でとび抜けていいってわけじゃないし、他の歌もそれほどよくない。どうでもいいっていうか、平凡な歌のオン・パレード。ちょっと面白いと思ったのは『BABYLON』で、ラップをやってる彼女は可愛い迫力があって好き。『DREAMING』のようにボサノバっぽいアダルト・ムードの歌はまだどこか無理しているというか不自然で好きになれない。アイドルのアルバムだって言ってしまえばそれまでだが、あれこれ色んなタイプの歌を歌い過ぎて、まるでトータル性がなく聴きづらい。それは前々から言われてることだから…」などと評している[5]。 チャート成績本作は、オリコン週間LPチャートの1985年4月15日付で初登場し最高順位1位を記録後、翌週の1985年4月22日付も1位を記録し、通算で2週連続となる1位を獲得した[19][3]。同チャートには、計20週に渡ってランクインしている[3]。本作のカセット盤(規格品番: LKF-8093)もオリコン週間カセットチャートで最高順位1位を記録し、同チャートには計24週に渡ってランクインしている[3]。1985年のオリコン年間アルバムチャートでは9位を記録した。 収録曲
クレジット『BITTER AND SWEET』のライナー・ノーツより[1]
リリース履歴
セルフカバー→詳細は「飾りじゃないのよ涙は」を参照
本作の1曲目として収録された「飾りじゃないのよ涙は」は、楽曲提供した井上陽水によってセルフカバーされている[7][22]。また、本作の3曲目として収録された「予感」も、楽曲提供した飛鳥涼(現ASKA)がセルフカバーしており、飛鳥が1988年8月にリリースしたソロ・アルバム『SCENE』にこのセルフカバーが収録されている[23][24][25][7]。更に、本作6曲目に収録の「UNSTEADY LOVE」も、楽曲提供した角松敏生によりセルフカバーされ、角松が2000年1月にリリースしたセルフカバー・アルバム『The gentle sex』に、この楽曲のセルフカバーが収録された[26][7]。 参照注釈出典
外部リンク |
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