歌ネタ王決定戦
歌ネタ王決定戦(うたネタおうけっていせん)は、毎日放送が2013年から2021年まで開催していたお笑いのコンテスト[1]。同局では、決勝の生放送番組も制作していた。 概要披露できるネタを「歌ネタ」に限定したお笑いのコンテスト。主な審査観点は「面白さと音楽性」。「歌ネタ」の範囲・定義に関しては幅広く解釈されている。 このコンテストは、『M-1グランプリ(漫才)』『R-1グランプリ(ピン芸)』『キングオブコント(コント)』に続く賞レースイベントを目指し企画された[2]。一方で、歌ネタ王決定戦事務局の長谷川昌男マネジャーは「先発(前述の先に開催されていたお笑いのコンテスト)には敬意を表したいが、一方で芸人を追い詰めるみたいな大会になっている。歌ネタは気楽に受けられるメリットがある」と、他のお笑いコンテストと異なる点もアピールしている[2]。この意向もあり、エントリーの基準も他の大会に比べて緩やかなもの(詳細は後述)となっている。 大会は準決勝まで全国各地で開催されるが、決勝戦の中継・放送については、原則として関西ローカルに限定。2020年の第8回大会からは、Paravi(MBSが加盟するJNNの基幹局・TBSテレビが運営する動画配信サービス)を通じて決勝戦のライブ配信を実施することによって、関西以外のエリアでも決勝戦を視聴できるようになった。 第1回の決勝戦では、お笑いのプロである「笑いの審査員」5名と、音のプロである「音の審査員」5名で「歌ネタ」を審査していた。第2回以降の決勝戦は審査員をこのように区別していないが、ミュージシャンや演奏家が審査に加わる回もある。 変遷2013年には、1月11日に第1回大会『歌ネタ王決定戦2013 presented by マルハン』の開催を発表する[3][4]とともに、大会へのエントリー受付を開始した。大会の冠スポンサーはマルハンで、優勝者には賞金500万円を贈呈。 2014年には、MBS漫才アワード(2003年から前年まで毎年1回開催されていた漫才のコンテスト)を終了させることや、MBSが主催するお笑い関連のコンテストを「歌ネタ王決定戦」に集約させることを同局が発表[5]。4月11日には、第2回大会『歌ネタ王決定戦2014』の開催を発表するとともに、大会へのエントリー受付を開始した。マルハンが大会のスポンサーを降板したが、新規の冠スポンサーが付かなかった影響で、大会の規模を前回から縮小。優勝者への賞金も300万円に減額された[6]が、副賞として、エースコックからスーパーカップ10年分が贈られた[7]。 2015年には、4月24日に第3回大会『歌ネタ王決定戦2015』の開催を発表するとともに、大会へのエントリー受付を開始[8]。優勝者への賞金は300万円で、エースコックからのスーパーカップ10年分に加えて、マンダムからルシード薬用スカルプデオシャンプー10年分が贈呈された。 2016年には、4月1日に第4回大会『歌ネタ王決定戦2016』の開催を発表するとともに、大会へのエントリー受付を開始[9]。優勝者への賞金と副賞は第2回大会と同じだが、優勝者(かまいたち)の冠番組をMBSテレビで制作する権利が加わったため、大会終了後の12月26日には『かまいたちの世界で100万つかいきれ! MILLION ¥ TRAVEL』という特別番組が同局の深夜枠で放送された[10]。 2017年には、4月14日に第5回大会『歌ネタ王決定戦2017』の開催を発表するとともに、大会へのエントリー受付を開始[11]。優勝者への賞金・副賞は前回大会と同じで、優勝者(藤崎マーケット)の冠番組の制作も予定されていたが、実際には制作が見送られた。なお、MBS動画イズムでは決勝戦と並行して、「〜愛と笑いの大応援団 ライブ配信スペシャル〜」(すち子&真也とかまいたちがMCとして決勝戦の舞台裏を伝える特別番組)を配信。決勝戦の放送終了後には、当大会にまつわる「らいよんチャン」(MBSテレビの番組宣伝メインキャラクター)のコスプレ画像をLINE上の「おしゃべり らいよんチャン」アカウントから提供した。提供期間は放送終了から30分間で、優勝者の芸名をトーク画面へ正確に入力することを提供の条件に定めていた[12]。 2018年には、4月13日に第6回大会『歌ネタ王決定戦2018』の開催を発表するとともに、大会へのエントリー受付を開始[13]。優勝賞金は前回大会と同額(300万円)だったが、エースコックから提供される副賞が、焼きそばモッチッチ10年分に変更された。また、LINE LIVEでは決勝戦と並行して、藤崎マーケットのMCによる「裏側スペシャル」のライブ配信を実施した。 2019年には、4月12日に第7回大会『歌ネタ王決定戦2019』の開催を発表するとともに、大会へのエントリー受付を開始[14]。優勝者には前回大会と同額の賞金が贈呈されたが、この大会では副賞の提供を見合わせている。また、LINE LIVEでは決勝戦と並行して、「歌ネタ王決定戦2019 藤崎マーケットのウララインLIVE」のライブ配信を実施した。 2020年には、年頭から日本国内で新型コロナウイルスへの感染が拡大している状況で、7月3日に第8回大会『歌ネタ王決定戦2020』の開催を発表。同日から、大会へのエントリー受付を開始[15]。優勝賞金は前回と同額で、副賞としてエースコックから「すこやか和膳 もち麦麺」10年分を贈呈。ただし、新型コロナウイルスへの感染拡大防止に配慮することが、投稿動画のネタ収録の条件に追加された。決勝戦については、一般の観客を入れない方式(実際には久間田琳加・ゆきりぬ・大関れいかなどの「スタジオゲスト」とWeb映像配信システム経由による20名の「リモート観覧客」が参加)で開催。その一方で、Paraviを通じて決勝戦のライブ配信「歌ネタ王決定戦2020 完全ライブ配信〜2016王者かまいたちがウラもオモテも全てみせます!〜」を初めて実施している。 2021年には、『歌ネタ王決定戦2021 FINAL』の開催を6月12日に発表するとともに、同日から大会へのエントリー受付を開始した[16]。決勝戦では前年に続いて、Paraviでの動画ライブ配信を実施。優勝賞金は300万円で、副賞として大森屋から「バリバリ職人シリーズ」(3種類の味付海苔の詰め合わせ)・竹本油脂から「圧搾純正胡麻油」・エースコックから「ワンタンメン」をそれぞれ1年分贈呈した。 大会終了後の動きお笑いのコンテストとしての開催を終了することが発表された後に、毎日放送の代表取締役社長へ就任した虫明洋一は、コンテスト以外の方法で「歌ネタ」を披露できる機会の確保を考えていることを就任後初めての社長定例会見(7月30日)で明言[17]。『歌ネタ王決定戦2021 FINAL』決勝戦の4日後(2022年10月3日)には、「(コンテストの要素を排した)新たな歌ネタの祭典」と銘打って、『歌ネタFES』(歴代の大会の優勝者・決勝進出者・審査員が参加する事前収録の特別番組)を関西ローカルで15:30 - 17:00に放送した[18]。 2022年には、『紅白歌ネタグランプリ2022』というタイトルの派生番組を、11月23日(水曜日・勤労感謝の日)の20:00 - 21:57に放送。RKB毎日放送が同時ネットを実施したほか、放送の直後からは、本編のアーカイブ動画をTVerで配信している。 「歌ネタ」の定義コンテスト側からは「歌ネタ」の定義に関しては、はっきりと明言されていない。ただし、大会公式サイト内の『漫画劇場〜歌ネタとは?〜』「審査ってどうなってるの」編では「音楽要素があって面白ければOK」と紹介されている。また一方で、同サイト内の大会概要の項には「今、リズムに乗ったネタがおもしろい!」という紹介文があるため、「歌ネタとはリズムに乗ったネタ」としても概ね区別できる。同サイト内では歌ネタの例としてAMEMIYAの「冷やし中華はじめました」、2700の「右ひじ、左ひじ」、嘉門達夫の「替え歌」を挙げている。これらのネタは過去にM-1グランプリ(テツandトモ)、キングオブコント(2700)、R-1ぐらんぷり(AMEMIYA)でも行われたことがある。 公式サイト内の『漫画劇場〜歌ネタとは?〜』「歌ネタって何?」編では、歌ネタに関しては「結構自由なもの」と前置きし、歌ネタで表現できることとして以下の例を挙げている。 著作権管理などの関係のため、日本以外の楽曲を使用したネタ(加工・編集)は原則として使用禁止となっている。原曲をモチーフにした替え歌もすべて禁止となる。なお、クラシック系の曲は使用可能。 「歌ネタ王」への道のり※以下は各ラウンドの各年における変更点を中心にまとめる。 エントリー出場資格については、プロ、アマ、キャリア、所属事務所は不問。ピン、コンビ、即席ユニット等での出場も可能である(8人以上のグループでの参加は要相談。また、未成年者は親権者の承諾が必要)。
1回戦ネタ披露時間は2分。
準決勝大阪と東京で開催。ネタ時間は3分[注 1]。
敗者復活2018年から1枠分設けられている決勝進出枠で、辞退組と決勝進出組を除いた準決勝上位10組を対象に、LINEアプリで投票を実施。投票期間の終盤に対象を投票数の多い上位数組にまで絞り込んだうえで、決勝当日の本戦直前に1組を選出する。ただし、選出・発表の方法は年によって異なる。
2018年
2019年
2020年
2021年
決勝戦ネタ時間は3分、ネタ順は事前に抽選、2回戦制トーナメントを戦い優勝を決める。MBS系列のテレビ局で放送される。主なルールとしては、二段階の勝ち上がり方式を採用。1stステージで3分間の歌ネタを披露。審査員の得点で上位数組が最終ステージに進出する。同点の場合は、準決勝での点数が高い方が上位となる。最終ステージでは、1stステージとは別の歌ネタを3分間披露。同点の場合は、1stステージでの点数が高い方が上位となる。ただし、第3回では「最終ステージで同点だった場合には同時優勝」というルールが適用された。
決勝戦出演者司会・出場者紹介
審査員※表記は座席順。太字は優勝者に投票、または最高得点を付けた審査員。
歴代優勝者
歴代の決勝結果
第1回(2013年)
第2回(2014年)
第3回(2015年)
第4回(2016年)
第5回(2017年)
第6回(2018年)
第7回(2019年)
第8回(2020年)
第9回(2021年)
準決勝進出者2013年度 ※1回戦開催日エントリーNo順と追加合格、計97組
2014年度 ※50音順、計81組
2015年度 ※準決勝開催日エントリー順と辞退、計75組
2016年度 ※準決勝開催日エントリー順と辞退、計68組
2017年度 ※準決勝開催日エントリー順、計75組
2018年度 ※準決勝開催日エントリー順と辞退、計70組
2019年度 ※準決勝開催日五十音順、計72組
2020年度 ※五十音順、計35組
2021年度 ※五十音順、計69組
特別番組
関連番組
スタッフ第9回放送分
過去のスタッフ
放送局
配信
エピソード
脚注注釈
出典
外部リンク
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