無良 崇人(むら たかひと、1991年2月11日[3] - )は、日本の元フィギュアスケート選手(男子シングル)。同じくフィギュアスケート選手だった無良隆志は実父である[5]。
主な実績として、2014年四大陸選手権優勝、2008年・2012年・2015年・2016年・2017年全日本選手権各3位、2013年世界選手権8位など。
アマチュア引退後は、プロスケーター・解説・タレント(スポーツ出身タレント)などで活動している。
同じくプロで活躍中の橋本誠也、川原星と3名で結成されたスケーティングパフォーマンスユニット「TEAM ORANGE CHEERS」[6][7][8]としても活動中。
人物
2013年4月24日、4月8日に一般女性と結婚したことを発表[9]、同年5月に長女が誕生した。のちに第二子誕生も、2019年8月、婚姻関係を解消[10]。
フィギュアスケート界では羽生結弦と並ぶ、大のイヤホンマニア。アイスショーなどで羽生と一緒になる際はほとんどイヤホンの話ばかりしているという(他にイヤホンの話ができる人間が周囲にいないという事情もある)[11]。
またモータースポーツにも造詣が深く、2019年4月に国内A級ライセンスを取得、5月に国内最大規模のワンメイクレースである86/BRZレースでレーサーデビューを果たしている[12][13]。
2024年、一般女性と結婚[14]。
経歴
2008年NHK杯での演技
東京都出身。駒場学園高等学校から倉敷翠松高等学校に移り、2009年4月より中京大学に在籍[15]。中学3年で習得した3回転アクセルの高さや幅は世界でも屈指[16][17]。
1994年にスケートを始める。2002年と2003年の全日本ノービス選手権Aクラスを連覇、2005-2006シーズンから3季出場したISUジュニアグランプリでは4度表彰台に上った。2007-2008シーズンに全日本ジュニア選手権で初優勝する。2008-2009シーズンからシニアクラスに移行し、フィンランディア杯で初出場初優勝を飾った。全日本選手権では自身初の表彰台となる3位に入り、世界選手権への初出場を決めたが、結果SP13位・フリー16位の総合15位に留まった。
バンクーバーオリンピック開催の2009-2010シーズンは、ケガにより予定されていたGPシリーズを欠場した。全日本選手権には出場したものの、結局10位に終わってしまった。
2011-2012シーズンは全日本選手権でSP12位と大きく出遅れたが、FSで挽回し5位となった。この結果を受けて派遣された四大陸選手権のSPでは当時のパーソナルベストを大きく上回るスコアで2位と躍進、FSではミスが出て6位に終わったものの、総合で5位入賞を果たした。
2012-2013シーズン、エリック・ボンパール杯でGPシリーズ初優勝。全日本選手権では3位になり、4年ぶり2回目の世界選手権の代表に選出。世界選手権ではSP11位と出遅れるも、FSでは5位と健闘し総合8位入賞を果たした。
2013-2014シーズン、スケートカナダで10位。FSのプログラムを前シーズンの物に戻して挑んだNHK杯では6位。全日本選手権では6位に留まり、ソチ五輪日本代表選出を逃した。織田信成の現役引退により補欠繰り上げ出場となった四大陸選手権では、SPでほぼノーミスの演技を披露し、パーソナルベストを更新してトップに立つ。FSでは1位の小塚崇彦に次ぐ2位だったが、総合成績でもパーソナルベストを記録して首位となり、自身ISUのチャンピオンシップス初優勝を果たした。続くチャレンジカップでもSP2位、フリー首位の総合優勝を達成する。洋菓子のヒロタが新たに設立したフィギュアスケートクラブ「HIROTAクラブ」に所属し、6月6日付けで鳥取県スケート連盟の選手として登録された[18]。
2014-2015シーズン、オフシーズンの間にイリヤ・クーリックに指導を仰ぐ[19]。ロンバルディアトロフィーでは2位、スケートカナダではGPシリーズ2勝目を挙げる。FSで170点を超え、合計得点も250点を超えるパーソナルベストを記録した。NHK杯でも3位、初の代表選出となったGPファイナルでは5位。同年の全日本選手権では総合5位となったが、全日本4位だった町田樹が現役を引退することになり、世界選手権日本代表も辞退したことから、無良が補欠登録から繰り上がり2大会ぶり3回目の世界選手権日本代表に選出されることとなった[20]。しかし、その後の四大陸選手権では7位に留まり2連覇を逃す。さらに世界選手権でもSPで3アクセルが1回転半になる等のジャンプ失敗が響いて23位と大きく出遅れてしまい、FSでは同日本代表の小塚崇彦に続いて2番滑走、FSのみでは12位と挽回するも結局総合16位に終わった。最後の戦い国別対抗戦において、SP、FSで計19ポイントを獲得し団体日本の3位に貢献。スコアでは247.80を獲得し復調の兆しを見せシーズンに幕を下ろす。
2015-2016シーズン、スケートアメリカで10位と不振が響き、NHK杯は2年連続の3位となるも、2年連続のGPファイナル出場は成らず。全日本選手権では3位で3大会ぶり3回目の表彰台に登り、四大陸選手権へは5年連続で代表選出されたが、世界選手権は日本男子シングルが2枠に減少された事も有り、代表選出はならなかった。四大陸選手権では5位に終わったが、SP、FSの自己ベストを更新した。
2016-2017シーズン、USインターナショナルクラシックで銀メダルを獲得。スケートカナダではSPで2位だったが、FSで順位を落とし8位に終わった。エースの羽生結弦がインフルエンザで急遽欠場となった全日本選手権では2年連続で3位に入ったが、四大陸選手権・世界選手権男子シングルへの代表入りは共に逃している。
2017-2018シーズン、スケートカナダでは完成度重視のため4回転サルコウを回避することを宣言。しかし、フリーで冒頭の3回転アクセル以外のジャンプ全て失敗し、最下位に沈んだ[21][22]。
平昌オリンピックの日本代表選考がかかった全日本選手権のSPでは3位発進となり、残り1枠を争うライバル田中刑事を追う形となった。しかし、FSでは予定していた4回転トゥループ2本を1本に減らすことを選び慎重に滑ったが、4回転ジャンプを2本決めた田中に差を広げられ総合3位に終わり、惜しくも自身念願の冬季オリンピック日本代表入りは一度も成らなかった。演技後に「もう1回(4回転)トーループをやっても良かったかなという気持ちも有りますが」と漏らすも「自分の中では満足してます」と述べ、4年後の北京オリンピックは目指さないと公言。平昌五輪の代わりに派遣された、四大陸選手権では合計3本の4回転ジャンプに挑んだが、全て失敗し自己最低の12位に沈み、これが現役選手として最後の試合となった。
世界選手権は補欠1番手登録され、羽生結弦が怪我の為欠場したため出場の機会が回ってきたが、無良も世界選手権への出場辞退を表明(代替選手は補欠2番手の友野一希)。2018年3月16日、浅田真央座長のアイスショー「浅田真央サンクスツアー」会見の席で、自ら現役引退することを発表した[23]。
現役引退後
プロフィギュアスケーターとしてアイスショー「フレンズ・オン・アイス[24]」、「Dreams on Ice[25]」、「THE ICE[26]」、「浅田真央サンクスツアー[27]」などに出演。
ゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」の公式イベント「「艦これ」鎮守府“氷”祭り in 幕張特設泊地 -氷上の観艦式-[28]」出演時には、スケートに魅了されたファンからヒロタの「無良崇人選手応援セット」に予想数を大幅に上回る注文が集まり、発送に遅延が生じることとなった[29]。翌2019年に展開された艦これ×HIROTA コラボキャンペーンも、店頭販売が一時的に販売休止になるなど好評を博した[30]。このことから、同ゲームのファンからは「提督」の愛称で呼ばれている。
主な戦績
2008-09から(シニア)
2007-08まで(ジュニア)
詳細
2004-2005 シーズン
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開催日
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大会名
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SP
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FS
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結果
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2004年11月20日 - 21日
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第73回全日本フィギュアスケートジュニア選手権(大阪)
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12 43.14
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11 86.58
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12 129.72
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プログラム使用曲
出演
脚注
- ^ 「プロフィール」『PASSION 2009 フィギュアスケート男子シングルフォトブック』双葉社、2009年2月、p.105
- ^ 『フィギュアスケートDays Plus 2008-2009男子シングル読本』ダイエックス出版、2008年9月、p.30
- ^ a b c 『フィギュアスケート選手名鑑 2006』新書館、2005年12月、p.39
- ^ “【お知らせ】フィギュアスケート無良崇人選手 現役引退 ~ プロ転向へ”. NPO法人アイススポーツ鳥取 (2018年3月17日). 2020年10月25日閲覧。
- ^ 斎藤貴子編『COLORS フィギュアスケート男子シングルフォトブック』あおば出版、2006年2月、p.104
- ^ “ORANGE CHEERS|無良崇人|橋本誠也|川原星|公式サイト”. TEAM ORANGE CHEERS. 2020年10月25日閲覧。
- ^ ““チームオレンジチアーズ” がデビューします!”. 無良崇人選手応援ページ~空も跳べるはず~ (2019年1月30日). 2020年10月25日閲覧。
- ^ “「MIDTOWN ICE RINK in Roppongi」無良崇人さん率いるチームオレンジチアーズが登場!”. 東京ミッドタウンマネジメント株式会社 (2019年1月29日). 2020年10月25日閲覧。
- ^ “結婚のご報告” (2013年4月24日). 2020年10月25日閲覧。
- ^ “【ご報告】” (2019年8月10日). 2020年10月25日閲覧。
- ^ 無良崇人選手がeイヤホンにご来店! - eイヤホンのブログ・2015年6月19日
- ^ “氷上からサーキットへ。フィギュアスケーター無良崇人が86/BRZで念願のレースデビュー”. auto sport web (2019年5月21日). 2020年10月25日閲覧。
- ^ “【カーレース参戦:結果】無良崇人氏 出場 / TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race / 2019年5月18日~19日 SUGO(宮城県)”. NPO法人アイススポーツ鳥取 (2019年5月19日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ “プロフィギュアスケーターの無良崇人さん 再婚を発表「昨年ご縁がありお付き合いさせていただいていた」”. スポニチ. https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/12/31/kiji/20241231s00041000362000c.html 2025年1月1日閲覧。
- ^ 2009年04月14日 AFP BB news フィギュア・無良、目指せバンクーバー
- ^ 『Cutting Edge 2008 日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック』DAI-X出版、2007年12月、p.86
- ^ 斎藤貴子編『フィギュアスケート07-08シーズンフラッシュバック』実業之日本社、2008年3月、p.40
- ^ 男子フィギュア 無良崇人選手(HIROTAクラブ所属)が鳥取県スケート連盟に選手登録
- ^ オフに長野五輪金メダリストのクーリック氏に指導を仰ぎ「いっぱいいっぱいで4回転していたが、3回転をちょっと多く回るだけと意識を変えた」
- ^ フィギュア:世界選手権代表 男子は羽生、小塚、無良 毎日新聞 2014年12月29日閲覧
- ^ 無良崇人は最下位「1から崩してやり直したい」 日刊スポーツ 2017年10月29日閲覧
- ^ 無良 ジャンプでミス連発…まさかの最下位に青ざめる「何と言っていいか…」 スポーツニッポン 2017年10月29日閲覧
- ^ 無良崇人が引退「役目終わった」羽生演技見届け決意」 日刊スポーツ 2018年3月16日記事
- ^ “荒川静香フレンズオンアイス2018 完全版”. 日テレプラス (2018年11月). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “フィギュアスケート『Dreams on Ice 2018 特別版』CS放送・TBSチャンネル2にて 8月4日(土)午前11時からTV初独占放送!”. PRTIMES (2018年7月). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “世界のトップスケーターが集結!「LOTTE presents THE ICE 2018 完全版」日テレプラスで9月16日(日)に放送!”. PRTIMES (2018年9月). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “浅田真央サンクスツアー 〜浅田真央が全国に感謝を届けます〜” (2018年~2021年 エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “「艦これ」鎮守府“氷”祭り in 幕張特設泊地 -氷上の観艦式-”. 「艦これ」鎮守府"氷"祭り 第一遊撃部隊 (2018年7月14日~2018年7月15日 エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2018年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月27日閲覧。
- ^ “提督さすがです 「艦これ氷まつり」の影響で洋菓子のヒロタ・無良崇人選手応援セットに遅延が発生してしまう”. ねとらぼ (2018年7月23日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ “「艦これ」HIROTAコラボキャンペーン”. HIROTA (2019年4月16日). 2020年10月28日閲覧。 by Wayback Machine
- ^ Japanese stars debut programs at 'Dreams on Ice'
- ^ a b 「2008全日本選手権レポート 男子シングル」『フィギュアスケートDays vol.8』ダイエックス出版、2009年2月、pp.26-29
- ^ a b 「フィギュアスケート振付師ファイル」『フィギュアスケートDays vol.8』ダイエックス出版、2009年2月、pp.76-77
- ^ 「無良崇人 シニアで見せた男気」『フィギュアスケートDays vol.8』ダイエックス出版、2009年2月、pp.22-25
- ^ a b 『Cutting Edge 2008』p.90
- ^ 当初は「皇帝」だったが、東日本選手権から「ヴァイオリン協奏曲」に変更した
- ^ 『Cutting Edge 2008』p.84, p89, p90
- ^ a b 青嶋ひろの「振付師に聞く 第4回 阿部奈々美」『フィギュアスケートDays vol.3』DAI-X出版、2007年5月、p.66-69
- ^ “【深海大サーカス「不思議の国の1YB3H」-1YB3H’s Adventures in Wonderland-】”. C2機関 (2019年8月4日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ “無良崇人 / 2019年8月3日 (土)・4日 (日) ・15日(月) 艦これ 深海大サーカス「不思議の国の1YB3H」無良提督 参戦”. ORANGE CHEERS | 無良崇人 | 橋本誠也 | 川原星 | 公式サイト (2019年8月7日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ “無良崇人/2020年1月3日(金)鎮守府新春 New Year Special Live! 2020”. ORANGE CHEERS | 無良崇人 | 橋本誠也 | 川原星 | 公式サイト (2019年12月10日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ “無良崇人 / 2020年11月1日 富士スピードウェイ 鎮守府鰻祭り 出演予定”. ORANGE CHEERS | 無良崇人 | 橋本誠也 | 川原星 | 公式サイト (2020年10月19日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ “無良崇人/2019年4月12日 VR映像 2作品同時リリース /『オペラ座の怪人』×無良崇人 / 近すぎるトップアスリート ~フィギュアスケ”. ORANGE CHEERS | 無良崇人 | 橋本誠也 | 川原星 | 公式サイト. 2019年4月14日閲覧。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
無良崇人に関連するカテゴリがあります。
ISUグランプリシリーズ(1995-) |
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名称の変遷: スケートカナダ(1973年-現在) / ISUグランプリシリーズ スケートカナダ(1995年-現在) |
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名称の変遷:ラリック杯(1987-2003)/ISUグランプリシリーズ ラリック杯(1995-2003)/ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(2004-2015)/フランス杯(2016)/フランス国際(2017-2021)/フランスグランプリ(2022-) |
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