久川綾
久川 綾(ひさかわ あや、1968年11月12日[6][7][8][9] - )は、日本の女性声優、歌手。大阪府貝塚市出身[6][7]。青二プロダクション所属[4]。 経歴生い立ち大阪府貝塚市の私鉄水間鉄道沿線で金物店を営む両親の元に誕生。小学1、2年生の頃にテレビで『さらば宇宙戦艦ヤマト』を見て声優を志す[9][10][11][12][13]。声優になるため上京していた頃は、アパートにヤマトのプラモデルを飾り、毎日それを励みに頑張っていたようであったという[9]。中学卒業後は羽衣学園高等学校に入学。中学と高校では卓球部に所属し、いずれもキャプテンを務めた[12]。高校時代に声優の勉強のために放送部を掛け持ちしていた[10][12]。 高校在学時に通信制を利用して勝田声優学院のレッスンを受けていた。高校時代は『オールナイトニッポン』や『MBSヤングタウン』の熱心なリスナーであり、受験勉強をあまりせずにラジオを聴いていた[14]。ラジオパーソナリティとしての原点はある意味ではこの時のリスナーとしての経験にある。『さらば宇宙戦艦ヤマト』のエンディングのテロップに「協力:青二プロダクション」と出ていたことから「青二に入ればいいんだ」と思い[15]、勝田久の『声優への道』で「然るべき養成所を出たらプロダクションに入れる」という可能性を知って[15]高校卒業後に上京し、養成所である青二塾東京校に1部8期生として入学[4]。『宇宙戦艦ヤマト』がなければ、久川は声優になっていなかったといい、真田志郎役の青野武に久川は「あの時のあのセリフで声優を目指しました!」と言っていたこともあったという[13]。1年で卒業し、青二プロダクションにジュニアとして仮所属となる。更に2年後には緑川光、遠藤みやこ、小山裕香らと共に準所属となった。 キャリア
『ジム・ヘンソンのストーリーテラー』ではリディア役で日本語吹き替えデビューを担当していた。また、『キテレツ大百科』のエキストラ(少女A)役でデビュー[11][16]。その後、『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV』のボーダー役で初の準レギュラー[9]。『新ビックリマン』のプッチー役で初レギュラーとなるが[11]、セリフが「プッチー」のみというキャラクターだった。また、同年に『魔法使いサリー(1989年版)』で春日野すみれ役を担当。翌1990年には、『RPG伝説ヘポイ』のミーヤ・ミーヤ役でメインヒロインを、OVA『魔物ハンター妖子』の妖子役で主人公を、それぞれ初めて担当した[9][注 1]。1990年にはこのほか、赤塚不二夫原作のアニメ『もーれつア太郎』のレギュラーキャラクターであるモモコに声をあてている。同年にはOVA『気ままにアイドル』の夏樹役で初主役を果たしている[9]。 1992年から1997年にかけてテレビ朝日系列にて放送された『美少女戦士セーラームーン』シリーズにおいて、水野亜美 / セーラーマーキュリー役を担当[9][注 2][注 3]。オーディションでは月野うさぎ役で受けていた[11]。 1993年のOVA『ああっ女神さまっ』のスクルド役、1994年のテレビアニメ『ママレード・ボーイ』(朝日放送〈現:朝日放送テレビ〉)の鈴木亜梨実役などを担当。歌手活動やラジオパーソナリティなども行う。1994年、『まっ昼ま王!!・濡れてにアワー!!』に『美少女戦士セーラームーン』としてメイン担当声優全員で出場を果たした。 1997年には『少女革命ウテナ』の薫幹役で少年役を担当し、『爆転シュート ベイブレード』の金李役、『フルーツバスケット』の草摩由希役など、少年役も担当するようになっていった。 2005年、アニメ吹き替え『スター・ウォーズ ドロイドの大冒険』のオーレン・ヨム役で少女役として担当するようになった。 現在まで2013年、久川自身が声優になるきっかけとなった『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作『宇宙戦艦ヤマト2199』で新見薫役として声をあてる。 2018年より、2017年11月16日に死去した鶴ひろみから『ドラゴンボール』シリーズのブルマ役を引き継ぐ[注 4]。オーディションテープを聴いた原作者の鳥山明から指名されて決定した[17]。久川は鶴から託されたと感じたという。共演者からも「誰からも文句の言いようがない決定」と語られた[17]。 特色音域はE - G[4]。方言は泉州(岸和田・貝塚・河内)弁[4]。 デビューより清楚だが芯がある女性を数多く演じてきた[18]。役の幅は広く1990年代後半からは、主人公のライバル、快活な女性、男性キャラクターのレギュラーも多く演じている[18]。 歌手として人前に出るのが恥ずかしいため、イベントなどでは着ぐるみを着て誤魔化していた。そのため"着ぐるみ声優"という異名を取る。歌手活動を始めたばかりの頃のイベントでは緊張しすぎて歌詞が飛ぶことがままあったが、逃げるように着ぐるみでイベントに出演したら受けたのでそのまま着ぐるみを着るようになった[19]。 久川は声優を志望したばかりの頃、声優が歌もラジオもグラビアもこなさなければならないという認識はなかった。そもそも人前に顔を出すのが嫌で、声優のマイクの前で演じられるという仕事の性質に魅力を感じていた。『新ビックリマン』のオリン姫のキャラソンを歌うことが決まった際には、キャラソンという言葉自体をあまり理解していなかった[15]。 1990年代の声優は演じているキャラクターを背負っていて「イメージを壊さないでください」という風潮があったが、「声優はいろんなキャラクターを演じているから、キャラクターはあくまで演じたもののひとつ。本人のパーソナルが存在するんだよ」という葛藤があり、「正直な自分をさらけ出したい」という気持ちから下ネタや青少年や女子の性の悩みに答えるなどして『久川綾のSHINY NIGHT』では素の自分を出した。当時演じていた『美少女戦士セーラームーン』で水野亜美が天才キャラであったことから「それを演じている声優なら、レースカーテンの窓辺でツルゲーネフの『窓辺』でも読んでなさい」といった声やカミソリ入りで「パーソナルは出すな!」「キャラクターのイメージをブチ壊すな!」といったお便りが事務所に届いていた[20]。 人物資格・免許は動物介護士、愛玩動物飼養管理士(ペットアドバイザー)2級、ジュニア野菜のソムリエ、弓道弐段、アクティブスリープ指導士(ベーシック)、冷凍生活アドバイザー、温泉ソムリエ、動物介護ホーム施設責任者[4]。 趣味は犬と温泉めぐりドライブ、犬猫里親会ボランティア[4]。特技は飼い主に対するしつけの相談、モラル向上のアドバイス、犬と泊まれる旅館・ホテルの宿泊及び運営アドバイザー[4]。 『美少女戦士セーラームーン』の声優を担当していた頃、失恋したことをきっかけに教習所に通って免許を取得した。失恋を知った父は心配して自身の車をプレゼントした[19]。 エピソード若手時代のある時ラジオパーソナリティーを務めていたら、自分のことを誰だか知らずにリスナーになっていた自動車運転手から「久川さんはインディーズ声優ですか?」と素性を見抜かれた[22]。 久川本人は覚えていない様子だが『久川綾のSHINY NIGHT』内の発言によって「大きなお友達」という言い回しを広めた人物とも言われている。2017年のインタビューではその場のノリで言ったと振り返っている[15]。 自身初のソロアルバム『AYA〜時間を紡いで〜』のリリースに関しては、最初は本人が自信が無かったため拒否していたが、制作会社の関係者と会ってその人たちから全面バックアップすることを約束されて実行に立った。実行に至った理由としては他に「ここで歌をやっておけば、歌手の役が来た時に気持ちがわかる」という考えもある。後に作詞・作曲を行い、エッセイや写真集を出したのも同様の理由による[23]。 『ああっ女神さまっ』のスクルド役は歌のオーディションで決まった。歌う歌は何でもよかったので斉藤由貴の『MAY』を歌ったが、ポニーキャニオンの須賀正人プロデューサーがポニーキャニオンの社員に聞かせると、社員たちは「14歳くらい?」と言ったので、須賀は久川を合格にしたという[24]。 『電脳戦隊ヴギィ'ズ★エンジェル』では主人公のヴギィ役を演じていたが、ヴギィは男の子的な喋りであり、久川は男の子役を演じたかったこともあり、願ってもない役だったという[9]。 『セーラームーン』に出演していたことから、講談社から毎月『なかよし』が送られており、『カードキャプターさくら』を読んで「このケロちゃんって、かわいいな」と思っていた。「亜美ちゃんしかできないと思われるのは嫌で、悪女や男の子もやりたい。ケロちゃんみたいな丸い顔をして関西弁のオッサンみたいなキャラクターもやれたら嬉しい」と思っていたところ、ある号の『なかよし』に「カードキャプターさくら アニメ化決定!」と出ており、事務所で『セーラームーン』を担当していたマネージャーが『カードキャプターさくら』の担当と分かり、「このケロちゃんのオーディションを受ける人は決まってるんですか?」と聞いたところ「決まっているよ」と返され、「私も受けられませんか?」とお願いした。当時250人ほど声優がおり、他の役者が受けようとして収拾がつかなくなるため割り込みは本来ならルール違反であったが、特別に参加者としてねじ込んでもらった[25]。 『ハートキャッチプリキュア!』では月影ゆり / キュアムーンライト役を担当。女児・少女向けアニメの戦うヒロインを演じるのは水野亜美役以来で、演じたことについて「いつの時代も子供達の憧れの的戦う美少女を演じられて本当に幸せでした」[26]「大きな作品に巡り会えるのって、人生で一度あるかないかだと思っていたので、まさか再び戦う美少女を演じられるなんて夢にも思いませんでした。本当に幸せで、役者冥利に尽きます」[27]と語っている。 交友関係冬馬由美と井上喜久子は本人にとって「実力も人柄も素晴らしく大好きな先輩」で、本当の姉妹のようにかわいがってもらった[25]。また井上とは仲良しである[2]。 三石琴乃とは、1歳年上で感覚的に一番近くて「こうしたいよね」という意見がよく一致していた。三石の人柄について、一生懸命すぎて倒れちゃわないか心配だったくらいに頑張り屋さんであると評している。『美少女戦士セーラームーンCrystal』で三石が続投と聞いたときに素直に「やったー!」と思った。同作で水野亜美役を引き継いだ金元寿子とは他の作品で共演したことがあるが、その際に久川は「世代交代したんだから、私に気をつかわないでね。私もできるだけ代表作に『セーラームーン』を入れないようにするから」と言った。すると金元は恐縮しつつ水野亜美に対する愛を熱く語った。自身も「宝物を共有する人ができた感覚で嬉しかったです」と述べている[24]。 出演太字はメインキャラクター。 テレビアニメ
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