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元自衛隊員・北朝鮮研究者の「宮田敦司」とは別人です。 |
宮田 敦史(みやた あつし、1981年6月5日 - )は、将棋棋士。所司和晴門下。棋士番号は241。埼玉県吉川市出身。聖学院中学校・高等学校出身[1][2][3]。
棋歴
将棋を始めたのは小学2年生の頃[4]。
詰将棋を解く能力に優れるなど、終盤の読みの正確さで、「終盤はコンピュータに聞け。 それでダメなら宮田に聞け」といわれ、終盤でのスピード感、正確無比なフィニッシュから、「スーパーあつし君」のニックネームで呼ばれる。後述のとおり詰将棋解答選手権に7回出場して6回優勝。永世解答選手権者の称号が検討されたほどの圧倒的な実力をもつ[5]。
デビュー以来、7割前後の年度勝率を連発し、特定の棋戦で派手な実績はなかったものの、同じ所司門の渡辺明、松尾歩とともに実力者であるとされている。
初参加の第15期(2002年度)竜王戦6組で優勝し、5組昇級。挑戦者決定トーナメントでは、初戦で同門の松尾歩に敗れる。
2度目の参加となる第62期(2003年度)順位戦C級2組で9勝1敗・1位の成績を収め、C級1組へ昇級(五段昇段)。
第17期(2004年度)竜王戦5組準決勝で敗れるも、昇級者決定戦を制し、4組へ昇級。
2004 - 2005年度、朝日オープン将棋選手権にて、2年連続でベスト8。
体調不良により2006年夏頃から不戦敗が続き、2006年12月20日から2008年3月31日までの間は、休場届により休場した。休場届の前、第37期(2006年)新人王戦では、準決勝を不戦敗とした。2007年5月に退院し、体力回復後は研究会を7つも掛け持ちして参加したり、連日将棋会館の控え室で他の棋士と一緒に深夜まで対局の検討に参加するなど精力的に将棋の研究を続けていた。
公式戦への復帰は予定通り2008年4月。この年度は全棋士中1位の勝率0.757(28勝9敗)を挙げ、順位戦の降級点も消すなどする見事な復帰を果たし、将棋大賞で初の受賞(勝率1位賞)をした。
2012年、54期王位戦予選を勝ち抜き王位リーグに出場。大石直嗣に勝利したのみで1勝4敗に終わり、リーグ陥落を余儀なくされた。
エピソード
「詰将棋解答選手権」のチャンピオン戦において過去6回(第1回 - 第3回、第5回 - 第6回、第10回)優勝するという無敵ぶりで、詰将棋を解く力はプロアマを含む将棋界でトップクラスである。第3回の開催にあたっては、宮田が出場しなければ参加者のレベルが下がるため、宮田が出場するかどうかで問題を差し替えることも検討されていたという。その実績から、2017年には藤井聡太とともに門脇芳雄賞[注 1]を受賞している。
2009年1月4日放送の「大逆転将棋2009」では、詰将棋の早解きコーナーへ初参戦して優勝。前年の同コーナーでのプロ棋士の成績が惨たんたるものであったため、宮田は優勝のインタビューで「日本将棋連盟の面目を保った」と語った。2010年1月1日放送の「大逆転将棋2010」では、広瀬章人との競り合いの末、2連覇(宮田100問、広瀬99問)。
棋士仲間との研究会に参加したときのこと。宮田がお茶を湯飲みに入れている途中に、他の棋士が「この手はどうでしょうか」と宮田に話しかけたところ、宮田はうっかりお茶を注ぐのをやめずに、あふれさせてしまった。宮田の将棋に対する集中力の高さを示す逸話である。
また、2008年度A級順位戦最終局「将棋界の一番長い日」(2009年3月3日)の生中継(NHK BS2)において、同門の渡辺明竜王(当時)とともにゲスト解説をした際は、テレビ画面に自分の姿が映し出され続けているにもかかわらず、局面に集中して考え込み、コメントが少なくなったり、カメラに背を向けてしまうような所作が見られた。
ドラえもんに対する造詣が深く、同じくドラえもんに詳しいと称する瀬川晶司と『将棋世界』誌の企画でドラえもんに関するクイズ対決を行ったことがある(結果は微差で宮田が勝った)。
『太鼓の達人』の達人としても知られ、行きつけの店ではマスターと呼ばれる。太鼓の実力を見せようと某女流棋士をゲームセンターに誘ったが、あっさり断られる[5]。
カラオケに行った際、1曲目に『ハレ晴レユカイ』を歌うが、納得がいかなかったのか2曲目に Perfume の『ポリリズム』でのどを整えてから『ハレ晴レユカイ』に戻ったという[5]。
昇段履歴
- 1992年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
- 1997年12月00日 : 三段(第23期奨励会三段リーグからリーグ参加)
- 2001年10月01日 : 四段(第29期奨励会三段リーグ成績1位) = プロ入り
- 2004年04月01日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算68勝27敗)[6]
- 2010年09月03日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝、通算188勝105敗)[7]
- 2018年05月25日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝、通算338勝220敗)[8]
主な成績
非公式戦
将棋大賞
在籍クラス
年度別成績
公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2001
|
11 |
8 |
3 |
0.7273 |
[11]
|
2002
|
43 |
30 |
13 |
0.6977 |
[12]
|
2003
|
41 |
30 |
11 |
0.7317 |
[13]
|
2004
|
39 |
27 |
12 |
0.6923 |
[14]
|
2005
|
41 |
26 |
15 |
0.6341 |
[15]
|
2006
|
28 |
8 |
20 |
0.2857 |
[16]
|
2007
|
3 |
0 |
3 |
0.0000 |
[17]
|
2008
|
37 |
23 |
14 |
0.7568 |
[18]
|
2009
|
37 |
23 |
14 |
0.6216 |
[19]
|
2010
|
30 |
15 |
15 |
0.5000 |
[20]
|
2001-2010 (小計)
|
310 |
190 |
120 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2011
|
26 |
12 |
14 |
0.4615 |
[21]
|
2012
|
36 |
22 |
14 |
0.6111 |
[22]
|
2013
|
35 |
19 |
16 |
0.5429 |
[23]
|
2014
|
33 |
15 |
18 |
0.4545 |
[24]
|
2015
|
38 |
21 |
17 |
0.5526 |
[25]
|
2016
|
38 |
24 |
14 |
0.6316 |
[26]
|
2017
|
38 |
26 |
12 |
0.6842 |
[27]
|
2018
|
30 |
14 |
16 |
0.4667 |
[28]
|
2019
|
35 |
19 |
16 |
0.5429 |
[29]
|
2020
|
34 |
15 |
19 |
0.4412 |
[30]
|
2011-2020 (小計)
|
355 |
187 |
168 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021
|
26 |
13 |
13 |
0.5000 |
[31]
|
2022
|
35 |
21 |
14 |
0.6000 |
[32]
|
2023
|
31 |
15 |
16 |
0.4839 |
[33]
|
2021-2023 (小計)
|
92 |
49 |
43 |
|
|
通算
|
746 |
431 |
315 |
0.5777 |
[34]
|
2023年度まで
|
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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タイトル 保持者 【7名】 |
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九段 【27名】 (引退1名) |
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八段 【33名】 (引退2名) |
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七段 【46名】 (引退2名) |
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六段 【29名】 |
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五段 【19名】 |
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四段 【15名】 | 2025年04月1日付 昇段者 | |
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2025年10月1日付 昇段者 | |
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2025年度 引退者 【4名】 |
九段 福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
七段 木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
七段 増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
八段 長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
八段 有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
2023年度引退予定者 (現役継続中) |
七段 川上猛 ( 引退日未定 / 第38期竜王戦 5組在籍、4組昇級の場合は現役継続、引退日は2025年度以降)
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日本将棋連盟所属(現役棋士 171名 / 2025年度引退者 5名、2025年5月15日時点) △は2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは期首4/01付)。引退者の(日付)は引退日。 これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。2026年度 >> |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
| |
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3組
| |
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4組
| |
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5組
|
【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
| 女流棋士 | |
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アマチュア |
- 森下裕也アマ
- 荒田敏史アマ
- 関矢寛之アマ
- 竹内広也アマ
- (6組参加4名)
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奨励会員 |
- 山下数毅(三段、5組在籍)
- 齊藤優希(三段、6組参加、2025年4月四段昇段)
- (5組、6組参加各1名、計2名)
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次期から出場 |
【2025年04月昇段者】(2名):
齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場)
【2025年10月昇段者】(2-3名):(いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
|
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次期から 出場
|
フリークラス 昇級者 | |
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奨励会三段リーグ 上位者 |
- 2025年10月1日昇段者(2-4名)
- 2026年4月1日昇段者(2-3名)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの(数字)は在籍可能残り年数(2025年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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前年度の活躍が対象 |