渡辺 和史(わたなべ かずし、1994年10月6日 - )は、将棋棋士[1]。豊川孝弘七段門下[1]。棋士番号は319[1]。東京都新宿区出身[1]。東京都立白鷗高等学校・附属中学校[2]、大正大学文学部歴史学科(日本史コース)卒業[3]。
棋歴
プロ入りまで
1999年(5歳頃)、父が突然仕事帰りに将棋の盤と駒を買ってきた事がきっかけに始める[1][4]。
2006年、第31回小学生名人戦[5]・第5回全国小学生倉敷王将戦 高学年の部東京都代表[4][6]。
関東研修会を経て、2008年に関東奨励会入会[4]。
奨励会三段リーグは、第54回(2013年度下期)より参加[1]。初参加の成績は1勝17敗に終わるも、師匠の豊川孝弘から「まだ先がある。二段に落ちてもいいくらいの気持ちで」と励まされ、のびのびと指せるようになったという[4][7]。第65回(2019年上期)三段リーグにて、現行制度で最多タイ(達成当時)の勝利数となる16勝2敗の成績を挙げ、リーグ1位で四段昇段プロデビューを決めた[1]。
プロ入り後
デビューとなった2020年度から活躍し、31勝15敗と大きく勝ち越した。また、この成績により第71回NHK杯の「総合成績優秀者」による予選シード権を手に入れると、本戦1回戦でも井上慶太に勝利した[注釈 1]。
2021年度は、順位戦2期目となる第80期順位戦にて、9勝1敗(1位)の成績でC級1組への昇級及び五段への昇段を果たした。特に最終局は「勝てば昇級が確定、負ければ6位」という状態になったが、相手は「勝てば降級点回避」が決まる長谷部浩平との大勝負だった。結果、渡辺は長谷部との激闘を制したが、「最後はたまたま勝ちが転がり込んできた感じで反省の内容」と振り返っている[8]。また、歴代7位タイとなる20連勝を達成し、将棋大賞の連勝賞を受賞した。
2022年度は、開幕5連敗とつまずいたものの、10月から連勝を重ね第81期順位戦にて、B級2組への昇級と六段昇段を果たした。また二年連続での連勝賞(18連勝、歴代10位タイ)を受賞した。
棋風
人物・エピソード
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 研修会(関東研修会)
_________
- 0000年00月00日 : F2クラス(関東研修会入会、2003年5月以前)[14]
- 2003年09月00日 : F1クラス [15]
- 2004年03月00日 : E2クラス [16]
- 0000年00月00日 : D2クラス
- 0000年00月00日 : D1クラス
- 0000年00月00日 : C2クラス
- 2006年09月00日 : C1クラス [17]
- 2007年05月00日 : B2クラス [18]
- 0000年00月00日 : B1クラス
- 0000年00月00日 : A2クラス
|
- 奨励会(関東奨励会)
(5級 - 二段)
- 2008年06月00日 : 5級 [19]
- 2008年09月00日 : 4級 [19]
- 2009年03月00日 : 3級 [20]
- 2009年10月00日 : 2級 [21]
- 2010年01月00日 : 1級 [21]
- 2010年05月00日 : 初段 [22]
- 2011年07月00日 : 二段 [23]
|
- 2013年04月03日 : 三段(第54回奨励会三段リーグ戦〈2013年度後期〉からリーグ参加)[1]
- 2019年10月01日 : 四段(第65回奨励会三段リーグ戦成績1位) = プロ入り [1]
- 四段昇段以降
主な成績
将棋大賞
- 第49回(2021年度) 連勝賞(20連勝、2021年10月7日-2022年3月18日)
- 第50回(2022年度) 連勝賞(18連勝、2022年10月1日-2023年2月21日)
在籍クラス
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始 年度
|
(出典)順位戦
|
(出典)竜王戦
|
期
|
名人
|
A級
|
B級
|
C級
|
0
|
期
|
竜王
|
1組
|
2組
|
3組
|
4組
|
5組
|
6組
|
決勝 T
|
|
1組
|
2組
|
1組
|
2組
|
2019
|
78
|
四段昇段前
|
33
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
0-1/昇3-1
|
2020
|
79
|
|
|
|
|
|
C249
|
6-4
|
34
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
2-1/昇2-1
|
2021
|
80
|
|
|
|
|
|
C225
|
9-1
|
35
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
3-1/昇1-1
|
2022
|
81
|
|
|
|
|
C128
|
|
9-1
|
36
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
5-1 (2位)
|
2023
|
82
|
|
|
|
B223
|
|
|
6-4
|
37
|
|
|
|
|
|
5組
|
|
1-1
|
5-0 (1位)
|
2024
|
83
|
|
|
|
B210
|
|
|
-
|
38
|
|
|
|
|
4組
|
|
|
--
|
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順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
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年度別成績
公式棋戦成績(四段昇段後)
年度
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
通算成績
|
2019年度
|
6 |
3 |
3 |
0.5000 |
[46]
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2020年度
|
46 |
31 |
15 |
0.6739 |
[47]
|
52 |
34 |
18 |
|
|
2019-2020 (小計)
|
52 |
34 |
18 |
|
|
通算成績
|
年度
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021年度
|
43 |
31 |
12 |
0.7209 |
[48]
|
95 |
65 |
30 |
0.6842 |
[49]
|
2022年度
|
42 |
29 |
13 |
0.6904 |
[50]
|
137 |
94 |
43 |
0.6861 |
[51]
|
2023年度
|
36 |
20 |
16 |
0.5555 |
[52]
|
173 |
114 |
59 |
0.6589 |
[53]
|
2021-2023 (小計)
|
121 |
80 |
41 |
|
|
通算
|
173 |
114 |
59 |
0.6589 |
[53]
|
2023年度まで
|
脚注
注釈
- ^ 2回戦では、師匠の豊川を1回戦で破った千田翔太と対局し敗北。
- ^ 第80期順位戦C級2組11回戦・長谷部浩平四段 戦(2022年3月10日対局)の対局開始前時点の渡辺の通算成績は、棋譜中継コメント(4手目)より「渡辺の(略)通算成績は57勝29敗(0.663)」[25]。この対局に勝利し「通算58勝29敗」。
この成績には未放送のテレビ棋戦である「第30期銀河戦本戦Cブロック4-6回戦」の3局(3勝0敗、2021年12月-2022年2月対局、2022年4月以降放送)[26][27][28]および「第72回NHK杯予選」の3局(3勝0敗、2022年2月対局、2022年3月下旬に対局結果公開)[29]の対戦成績を含めておらず、この未算入の「6勝0敗」を「58勝29敗」に加算して「通算64勝29敗」。
- ^ 第81期順位戦C級1組11回戦・都成竜馬七段 戦(2023年3月7日対局)の対局開始前時点の渡辺の通算成績は、棋譜中継コメント(7手目)より「渡辺の(略)通算成績は84勝43敗(0.661)」[32]。この対局に勝利し「通算85勝43敗」。
この成績には未放送のテレビ棋戦である「第31期銀河戦本戦Dブロック4-6回戦」の3局(3勝0敗、2022年12月-2023年1月対局、2022年4月以降放送)[33][34][35]および「第73回NHK杯予選」の3局(3勝0敗、2023年2月対局、2023年3月下旬に対局結果公開)[36]の対戦成績を含めておらず、この未算入の「6勝0敗」を「85勝43敗」に加算して「通算91勝43敗」。
- ^ 2024年5月9日時点で公開された渡辺の通算成績は116勝59敗[38]。この成績には未放送のテレビ棋戦である「第32期銀河戦本戦Dブロック7回戦」の1局(0勝1敗、2024年4月3日対局、2024年6月27日放送)[39]および「第74回NHK杯 本戦」の1局(0勝1敗、2023年5月12日放送)の対戦成績を含めておらず、この未算入の「0勝2敗」を「116勝59敗」に加算して「通算116勝61敗」。
- ^ 2023年7月12日の100勝達成局の次の対局は第82期順位戦B級2組2回戦・対及川拓馬七段戦(2023年7月19日)で[54]、この対局開始前時点での通算成績は棋譜中継コメント(3手目)より「渡辺の今年度成績は6勝4敗(0.600)/(略)/通算成績は100勝47敗(0.680)」[55]。
出典
関連項目
外部リンク
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タイトル 保持者 【7名】 |
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九段 【27名】 (引退1名) |
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八段 【33名】 (引退2名) |
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七段 【46名】 (引退2名) |
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六段 【29名】 |
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五段 【19名】 |
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四段 【15名】 | 2025年04月1日付 昇段者 | |
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2025年10月1日付 昇段者 | |
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2025年度 引退者 【4名】 |
九段 福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
七段 木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
七段 増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
八段 長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
八段 有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
2023年度引退予定者 (現役継続中) |
七段 川上猛 ( 引退日未定 / 第38期竜王戦 5組在籍、4組昇級の場合は現役継続、引退日は2025年度以降)
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日本将棋連盟所属(現役棋士 171名 / 2025年度引退者 5名、2025年5月15日時点) △は2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは期首4/01付)。引退者の(日付)は引退日。 これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。2026年度 >> |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
| |
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3組
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4組
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5組
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【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
| 女流棋士 | |
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アマチュア |
- 森下裕也アマ
- 荒田敏史アマ
- 関矢寛之アマ
- 竹内広也アマ
- (6組参加4名)
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奨励会員 |
- 山下数毅(三段、5組在籍)
- 齊藤優希(三段、6組参加、2025年4月四段昇段)
- (5組、6組参加各1名、計2名)
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次期から出場 |
【2025年04月昇段者】(2名):
齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場)
【2025年10月昇段者】(2-4名):(いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / ◎本戦出場 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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次期から 出場
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フリークラス 昇級者 | |
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奨励会三段リーグ 上位者 |
- 2025年10月1日昇段者(2-4名)
- 2026年4月1日昇段者(2-3名)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの(数字)は在籍可能残り年数(2025年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |
将棋大賞 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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表記の前年度の成績・活躍が対象(数字は連勝数)。3月末日時点で連勝継続中の場合は次年度扱い。 |
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