西田 拓也(にしだ たくや、1991年8月25日[1] - )は、日本将棋連盟所属の将棋棋士。森信雄七段門下[1]。棋士番号は309[1]。
略歴
5歳の時に父が買ってきた本を読んで将棋を始めた[1]。
2003年、京都市立東和小学校6年時に第28回小学生将棋名人戦でベスト4(西日本大会で里見香奈に勝利し決勝大会に進出したが、準決勝で杉本和陽に敗退)[2]。
中尾修指導棋士七段に教わり、中尾の弟弟子の森信雄門下となり2005年4月に関西奨励会入会[3]。
三段リーグには2008年の第44回から参加するも、4期目に3勝15敗で降級点を取ってしまい、10期目には13勝5敗の成績を上げるも次点となるなど、なかなか四段昇段を決められず苦しんだ。
年齢制限が迫る中、勉強方法を変え研究会の数を減らし一人で研究する時間を増やしたのが転機となり[4]、17期目の第60回奨励会三段リーグ戦では開幕から14連勝と絶好調で、2017年2月4日に行われた例会で2位以内を確定し、最終日を待たずに四段昇段を決めた[3]。最終成績は15勝3敗(同時昇段は12勝6敗の杉本和陽)[1]。
2017年10月22日、第7期加古川青流戦3番勝負で、前期優勝者の井出隼平四段を2勝1敗で破り棋戦初優勝を果たした[5]。
2020年度の朝日杯将棋オープン戦では予選を勝ち抜き本戦進出。本戦では千田翔太(前回優勝者)と深浦康市を破り、四段でのベスト4進出と健闘するも、準決勝で三浦弘行に敗れた。
2021年2月19日付けで勝数規定で五段に昇段[6]。
2021年12月3日、第93期棋聖戦二次予選・決勝で菅井竜也に勝って本戦トーナメント出場。
2022年2月10日、第80期順位戦C級2組において本田奎に勝って9連勝を挙げ、最終局を残した状態でC級1組昇級を決めた。昇級日となった2月10日は師匠・森の誕生日で「師匠には心配をかけてばっかりで、いい報告ができると思うと嬉しいです」とコメントした[7]。
2024年の第74期王将戦では一次予選から勝ち上がり挑戦者決定リーグ入り。自身以外はA級棋士3人、B級1組棋士3人(うち元A級2人)という厳しいリーグの中で5勝1敗の好成績を挙げる。同じく5勝1敗だった永瀬拓矢との挑戦者決定プレーオフで敗れ、タイトル挑戦は逃したが成績2位でリーグ残留を決めた。
棋風
振り飛車党の攻め将棋[8]。得意戦法は振り飛車穴熊[3]。いきなり1手目7八飛戦法で、相手の意表を突くこともある[注釈 1]。
人物
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 2005年04月00日 : 6級(関西奨励会入会)[1]
- 2008年04月00日 : 三段(第44回奨励会三段リーグ〈2008年度後期〉からリーグ参加)[1]
- 2017年04月01日 : 四段(第60回奨励会三段リーグ成績1位) = プロ入り [1]
- 2021年02月19日 : 五段(勝数規定/公式戦100勝、通算100勝)[6]
- 2025年06月18日 : 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝、通算220勝123敗)[15][16]
主な成績
棋戦優勝
在籍クラス
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始 年度
|
(出典)順位戦
|
(出典)竜王戦
|
期
|
名人
|
A級
|
B級
|
C級
|
0
|
期
|
竜王
|
1組
|
2組
|
3組
|
4組
|
5組
|
6組
|
決勝 T
|
|
1組
|
2組
|
1組
|
2組
|
2013
|
|
四段昇段前
|
27
|
|
|
|
|
|
|
6組三段
|
--
|
0-1/昇0-0
|
2014
|
|
四段昇段前
|
28
|
四段昇段前
|
2015
|
|
四段昇段前
|
29
|
四段昇段前
|
2016
|
75
|
四段昇段前
|
30
|
四段昇段前
|
2017
|
76
|
|
|
|
|
|
C249
|
7-3
|
31
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
0-1/昇1-1
|
2018
|
77
|
|
|
|
|
|
C212
|
8-2
|
32
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
2-1/昇0-1
|
2019
|
78
|
|
|
|
|
|
C207
|
8-2
|
33
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
1-1/昇2-1
|
2020
|
79
|
|
|
|
|
|
C204
|
4-6
|
34
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
1-1/昇2-1
|
2021
|
80
|
|
|
|
|
|
C233
|
9-1
|
35
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
0-1/昇3-1
|
2022
|
81
|
|
|
|
|
C129
|
|
4-6
|
36
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
1-1/昇1-1
|
2023
|
82
|
|
|
|
|
C122
|
|
6-4
|
37
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
0-1/昇2-1
|
2024
|
83
|
|
|
|
|
C113
|
|
-
|
38
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
-
|
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
|
年度別成績
公式棋戦成績(四段昇段後)
年度
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
通算成績
|
2017年度
|
40 |
25 |
15 |
0.6250 |
[38]
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2018年度
|
48 |
32 |
16 |
0.6666 |
[39]
|
88 |
57 |
31 |
|
|
2019年度
|
38 |
25 |
13 |
0.6578 |
[40]
|
126 |
82 |
44 |
|
|
2020年度
|
39 |
21 |
18 |
0.5384 |
[41]
|
165 |
103 |
62 |
|
|
2017-2020 (小計)
|
165 |
103 |
62 |
|
|
通算成績
|
年度
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021年度
|
44 |
34 |
10 |
0.7727 |
[42]
|
209 |
137 |
72 |
0.6555 |
[43]
|
2022年度
|
41 |
22 |
19 |
0.5365 |
[44]
|
250 |
159 |
91 |
0.6360 |
[45]
|
2023年度
|
42 |
27 |
15 |
0.6428 |
[46]
|
292 |
186 |
106 |
0.6369 |
[47]
|
2024年度
|
47 |
32 |
15 |
0.6808 |
[48]
|
339 |
218 |
121 |
0.6430 |
[49]
|
2021-2024 (小計)
|
174 |
115 |
59 |
|
|
通算
|
339 |
218 |
121 |
0.6430 |
[49]
|
2024年度まで
|
- 公式戦通算100勝:2021年02月19日(通算100勝60敗)[6]
- 公式戦通算200勝:2024年10月21日(通算200勝112敗、第74期王将戦 王将リーグ 対近藤誠也戦)[50]
著書
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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タイトル 保持者 【7名】 |
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九段 【27名】 (引退1名) |
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八段 【34名】 (引退2名) |
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七段 【45名】 (引退2名) |
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六段 【30名】 |
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五段 【19名】 |
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四段 【14名】 | 2025年04月1日付 昇段者 | |
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2025年10月1日付 昇段者 | |
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2025年度 引退者 【4名】 |
九段 福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
七段 木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
七段 増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
八段 長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
八段 有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
2023年度引退予定者 (現役継続中) |
七段 川上猛 ( 引退日未定 / 第38期竜王戦 5組在籍、4組昇級の場合は現役継続、引退日は2025年度以降)
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日本将棋連盟所属(現役棋士 171名 / 2025年度引退者 5名、2025年7月10日時点) △は2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは期首4/01付)。引退者の(日付)は引退日。 これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。2026年度 >> |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
| |
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3組
| |
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4組
| |
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5組
|
【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
| 女流棋士 | |
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アマチュア |
- 森下裕也アマ
- 荒田敏史アマ
- 関矢寛之アマ
- 竹内広也アマ
- (6組参加4名)
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奨励会員 |
- 山下数毅(三段、5組在籍)
- 齊藤優希(三段、6組参加、2025年4月四段昇段)
- (5組、6組参加各1名、計2名)
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次期から出場 |
【2025年04月昇段者】(2名):
齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場)
【2025年10月昇段者】(2-4名):(いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / ◎本戦出場 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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次期から 出場
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フリークラス 昇級者 | |
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奨励会三段リーグ 上位者 |
- 2025年10月1日昇段者(2-4名)
- 2026年4月1日昇段者(2-3名)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの(数字)は在籍可能残り年数(2025年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |
一般棋戦優勝 1回 |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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関連項目 | |
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四段の棋士・三段リーグ上位者・女流棋士・アマチュアが参加。 |
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