北島 忠雄(きたじま ただお、 1966年1月4日 - )は、将棋棋士。関根茂九段門下。棋士番号は214。東京都出身。日本将棋連盟理事(2003年5月-2005年5月、2011年5月-2013年5月)。
1988年、東京都立代々木高等学校卒業[1]。
棋歴・実績
プロ入りに苦労した棋士の代表例である。
奨励会を抜けるのに15年かかり、四段昇段したのは29歳のときである。奨励会の同期には日浦市郎・小野敦生・中田功・佐藤秀司がいるが、北島が四段昇段した当時、彼らは全員トーナメントプロとして相応の実績を挙げ、五段以上に昇段していた。
しかしながら、プロ入り後は相応の活躍をし、順調に出世する。
第39期(1997年度)王位戦予選でタイトル(棋聖)経験者の田中寅彦・後に二冠となる久保利明などに勝利し紅組リーグ入り。初代竜王の島朗に勝利したものの、残留ならず。次期王位戦でも予選を勝ち抜き、白組リーグ入り。当時タイトルホルダー(棋聖)だった郷田真隆に勝利したものの、再びリーグを陥落した。
第54期(1995年度)より参加した順位戦ではC級2組在籍5期目となる第58期(1999年度)において8勝2敗・45人中3位の成績を修め、C級1組に昇級した。第61期(2002年度)も、C級1組において8勝2敗の好成績を修めたが、B級2組への昇級には至らなかった(仮に最終局で、北島自身が勝ち、勝数上位だった堀口一史座・勝数同点で北島より順位が上位だった屋敷伸之の両者が負けていたら、北島が昇級していた。しかし、堀口・屋敷ともに勝利し、昇級を阻止された形となった)。
2003年に六段に昇段。これは、竜王戦の昇段規定の一つである「竜王ランキング戦通算3回優勝」の条件によって昇段した初のケースである(竜王戦歴代本戦出場者 を参照)。
第22期竜王ランキング戦3組準決勝(2009年4月9日)で勝ち、自己最高の2組へ昇級。また、同年度、第17期銀河戦においては予選と本戦を勝ち抜き、16名で行われる決勝トーナメントに進出し、さらに羽生善治を破るなどしてベスト4入り。準決勝で阿久津主税(この期の優勝者)に敗れる。
人物・棋風
- 居飛車党。温和な性格と語り口であるが、将棋では激しい戦法を用いることが多い。
- NHK BS2で放送される「囲碁・将棋ジャーナル」の司会を務めたことがある。
- 2003年に日本将棋連盟の理事選挙に出馬し当選、主にメディア・出版業務を担当するが、2005年の選挙では落選。
- 2011年に日本将棋連盟の理事選挙に出馬し当選。主に総務部・電子メディア部を担当。2013年まで務めた。
弟子
棋士となった弟子
名前 |
四段昇段日 |
段位、主な活躍
|
小山怜央 |
2023年4月1日
|
四段
|
(2023年4月1日現在)
- 小山は2014年第70回全日本学生名人戦に優勝[2]、2015年にアマチュア名人戦で優勝し、奨励会三段編入試験の権利を得て受験したが、2勝3敗で不合格に終わった[3]。その後2022年9月13日、第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選6組準決勝での勝利により、公式戦の成績を良い所からみて10勝5敗(勝率6割6分7厘)として「棋士編入試験」の受験資格を得た。編入試験(全5局、3勝合格/3敗不合格)は3勝1敗として棋士編入試験合格とした。
女流棋士となった弟子
名前 |
女流プロ入り日 |
段位、主な活躍
|
内山あや |
2020年12月1日
|
女流初段
|
岩崎夏子 |
2024年4月1日
|
女流2級
|
(2024年4月1日現在)
昇段履歴
- 1980年00月00日: 6級 = 奨励会入会
- 1983年00月00日: 初段
- 1995年04月01日: 四段 = プロ入り
- 1999年06月03日: 五段(勝数規定/公式戦100勝)[4]
- 2003年10月01日: 六段(竜王ランキング戦通算3回優勝)[5]
- 2014年08月14日: 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝)[6]
主な成績
在籍クラス
年度別成績
公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
1995
|
31 |
19 |
12 |
0.6129 |
[9]
|
1996
|
42 |
25 |
17 |
0.5952 |
[10]
|
1997
|
43 |
27 |
16 |
0.6279 |
[11]
|
1998
|
38 |
23 |
15 |
0.6053 |
[12]
|
1999
|
41 |
23 |
18 |
0.5610 |
[13]
|
2000
|
34 |
21 |
13 |
0.6176 |
[14]
|
1995-2000 (小計)
|
229 |
138 |
91 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2001
|
36 |
18 |
18 |
0.5000 |
[15]
|
2002
|
35 |
26 |
9 |
0.7429 |
[16]
|
2003
|
35 |
19 |
16 |
0.5429 |
[17]
|
2004
|
33 |
15 |
18 |
0.4545 |
[18]
|
2005
|
32 |
19 |
13 |
0.5938 |
[19]
|
2006
|
34 |
20 |
14 |
0.5882 |
[20]
|
2007
|
32 |
17 |
15 |
0.5313 |
[21]
|
2008
|
28 |
12 |
16 |
0.4286 |
[22]
|
2009
|
28 |
12 |
16 |
0.4286 |
[23]
|
2010
|
27 |
14 |
13 |
0.5185 |
[24]
|
2001-2010 (小計)
|
320 |
172 |
148 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2011
|
33 |
14 |
19 |
0.4242 |
[25]
|
2012
|
25 |
8 |
17 |
0.3200 |
[26]
|
2013
|
24 |
9 |
15 |
0.3750 |
[27]
|
2014
|
27 |
10 |
17 |
0.3704 |
[28]
|
2015
|
28 |
17 |
11 |
0.6071 |
[29]
|
2016
|
33 |
12 |
21 |
0.3636 |
[30]
|
2017
|
25 |
9 |
17 |
0.3600 |
[31]
|
2018
|
25 |
10 |
15 |
0.4000 |
[32]
|
2019
|
27 |
10 |
17 |
0.4138 |
[33]
|
2020
|
29 |
12 |
17 |
0.4138 |
[34]
|
2011-2020 (小計)
|
326 |
113 |
213 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021
|
24 |
6 |
18 |
0.2500 |
[35]
|
2022
|
22 |
6 |
16 |
0.2727 |
[36]
|
2023
|
24 |
5 |
19 |
0.2083 |
[37]
|
2021-2023 (小計)
|
68 |
17 |
51 |
|
|
通算
|
896 |
438 |
458 |
0.4888 |
[38]
|
2023年度まで
|
脚注
関連項目
外部リンク
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タイトル 保持者 【7名】 |
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九段 【27名】 (引退1名) |
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八段 【34名】 (引退2名) |
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七段 【45名】 (引退2名) |
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六段 【30名】 |
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五段 【19名】 |
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四段 【14名】 | 2025年04月1日付 昇段者 | |
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2025年10月1日付 昇段者 | |
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2025年度 引退者 【4名】 |
九段 福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
七段 木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
七段 増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
八段 長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
八段 有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
2023年度引退予定者 (現役継続中) |
七段 川上猛 ( 引退日未定 / 第38期竜王戦 5組在籍、4組昇級の場合は現役継続、引退日は2025年度以降)
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日本将棋連盟所属(現役棋士 171名 / 2025年度引退者 5名、2025年7月10日時点) △は2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは期首4/01付)。引退者の(日付)は引退日。 これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。2026年度 >> |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
| |
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3組
| |
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4組
| |
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5組
|
【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
| 女流棋士 | |
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アマチュア |
- 森下裕也アマ
- 荒田敏史アマ
- 関矢寛之アマ
- 竹内広也アマ
- (6組参加4名)
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奨励会員 |
- 山下数毅(三段、5組在籍)
- 齊藤優希(三段、6組参加、2025年4月四段昇段)
- (5組、6組参加各1名、計2名)
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次期から出場 |
【2025年04月昇段者】(2名):
齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場)
【2025年10月昇段者】(2-4名):(いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / ◎本戦出場 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
|
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次期から 出場
|
フリークラス 昇級者 | |
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奨励会三段リーグ 上位者 |
- 2025年10月1日昇段者(2-4名)
- 2026年4月1日昇段者(2-3名)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの(数字)は在籍可能残り年数(2025年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |