コサキンDEワァオ!
『コサキンDEワァオ!』(コサキンでワァオ!、Kosakin DE Wow[1])シリーズは、1981年10月から2009年3月までTBSラジオでレギュラー放送されたラジオバラエティ番組。特別番組時代を経て、2023年4月7日からはポッドキャスト番組として配信されている。パーソナリティはコサキン(関根勤・小堺一機)。 同局をキー局にJRN系各局でも放送されていた。 『コサキンDEワァオ!』は1994年10月から使用された番組タイトルだが(後述)、当記事ではそれ以前にTBSラジオにて小堺と関根(コサキン)がパーソナリティを務めた同じ趣旨の番組についても記述する。 番組変遷放送時間はTBSラジオでのもの。元々は生放送であったが、1990年代以降は録音放送が増えだし、2000年代には撮って出し方式による録音が基本となった。末期は公式サイト上で、火曜がハガキ・電子メールの締切である旨を告知していた[2]。
概要他のラジオバラエティの例に漏れず、リスナーからのはがき(ないしは電子メール)とパーソナリティのフリートーク中心で構成されるが、「意味ねぇ〜」のキャッチフレーズに代表される独特の世界観を作り上げてきた(後述)。 1981年10月8日に放送開始の長寿番組だが、当初は当時月〜金の帯番組『夜はともだち』を担当予定だった松宮一彦(TBS[注 4]アナウンサー(当時))が、木曜日に生放送のテレビ番組のレギュラー(『ザ・ベストテン』の中継リポーター「追っかけマン」)が入ったことによるピンチヒッターとしてのスタートだった。そのため、初期の番組表には松宮の名前だけがそのまま入っていた。翌1982年1月に、正式にレギュラー昇格した(以後、放送年月日の記述はすべてTBSラジオでの放送日)。 開始当時のタイトルは、小堺の苗字と関根の当時の芸名「ラビット関根」からつけたコンビ名「コサラビ(Kosarabi)」を冠し、『夜はともだち コサラビ絶好調!』となった。 放送時間と番組名はたびたび変わっている(前述)。タイトルに「コサキン」を冠するようになったのは、1985年10月7日開始の『コサキンワールドなんでもねぇんだよゲベロッチョ』。シリーズ終了まで使われた『コサキンDEワァオ!』の名前を冠するようになったのは1994年10月15日放送分から。『ワァオ!』の由来は、西郷輝彦の楽曲「真夏のあらし」の歌詞にある「この恋は「ワァオ!」」からきている。(なお、間の「DE」は、「パンチDEデート」というテレビ番組名が由来。) 元々は生放送だったが、二人のスケジュールが多忙になったことから、シリーズ後半は事前に収録したもの(原則として撮って出し形式)を放送していた。 2002年7月から2003年3月まではスカイパーフェクTV!2(現在のスカパー!e2)のC-TBSウェルカムチャンネルでも、スタジオ風景の映像を含めて放送されており、番組のダイジェスト版が毎週インターネット配信されていた。 1996年8月22日放送分で放送1000回、2006年4月1日放送分で放送1500回、2006年10月6日放送分で放送開始から25周年を迎えた。 2009年2月7日放送分で、同年3月いっぱいで終了することを発表[4]。 3月22日に赤坂サカスで記念の公開イベントが開催された。最終回で放送するイベントの録音も兼ねており、番組とゆかりのある「ずん」や水木一郎、冠二郎、イワイガワなどゲストが出演した他、終了後は来場者がコサキンの2人といつも番組製作に携わっていた鶴間政行、有川周一らとハイタッチをする「ふれあいイベント」で幕を閉じた。抽選による事前申し込みのリスナー100名を含め、1500人以上が詰め掛ける盛況で二人によるアンコール後もファンは一向に帰らず、鶴間が「コサキン以外に人生の楽しみを見つけて下さい」と挨拶、ようやく幕を閉じた。最終回(通算1655回)は翌週3月28日土曜日(TBSラジオ)放送分となった。 レギュラー番組終了後は、当番組と同じテイストのテレビ番組が放送され(後述)、2020年1月3日に特別番組『令和に復活♡ぼくたち『コサキンDEワァオ!』です、ワァオ!』として約11年ぶりにラジオでのコサキンが復活した。2023年4月7日からは、ポッドキャストでの配信としてレギュラー番組が再開した[5]。同時に年1~2回程度、TBSラジオ地上波での特別番組の放送、ならびに公開イベントも開催されている。 出演者パーソナリティ詳細は個人の記事を参照のこと。ここでは当番組特有のキャラクター付けについて補足する。
構成作家鶴間政行、有川周一[注 10][注 11]、舘川範雄、楠野一郎[注 12] 鶴間は番組開始当初からの構成作家で、番組構成のほか、コサキンのトークの相槌を打ったり、コサキンおよびリスナーがトークやネタで暴走した場合に流れを元に戻したりする「影の進行役」も担っていた。 有川・舘川・楠野は番組常連リスナー(ハガキ職人)を経て、スタッフ入りしている。ヘビーリスナーと呼ばれる古くからのリスナーは、構成作家陣(特に有川・舘川・楠野)を彼らの頭文字から「アタック隊」と称していた。 本来、芸能人がメインとなるラジオ番組では構成作家がスタジオに同席することはあっても、あくまで裏方であり、放送中に喋ることすら珍しいが、コサキンのラジオ番組では構成作家たちも本業とは別に、ほとんど番組のレギュラー『出演者』と化していた。オープニングでは小堺、関根に続いて自己紹介するほか、放送中にリアクションをとったり、コサキンの2人に振られてしゃべったりしていた。有川個人やアタック隊をメインにしたコーナー、企画も存在していた。 ネット局「コサキン ポッドキャストDEワァオ!」配信・放送局
「コサキンDEワァオ!」番組終了時のネット局
過去のネット局
ネタの傾向〜意味ねぇ、くだらねぇ〜『コサキンDEワァオ!』の番組テーマとも言えるキーワードは「意味ねぇ、くだらねぇ」。文字通り、ネタそのものの常識から逸脱した意味のなさ、くだらなさをもって笑いの基本としている。 代表的な「意味ねぇ」ネタとして、コサキンを含む有名人に対して「意味ねぇキャラクター付け」をしたものが挙げられるが、ネタの対象となる人物が起こした出来事を勝手な解釈で誇張したもの、もしくは当人のイメージとは正反対のキャラクターをでっちあげたものばかりで、ほとんどが"言いがかり"である。しかし、カツラ疑惑の人物を指す「小熊ちゃん」といった、一部には深い意味を想像させるネタもあった。 特に大物時代劇俳優(里見浩太朗、加藤剛、高橋英樹、平幹二朗、北大路欣也、伊吹吾郎、あおい輝彦、西郷輝彦、滝田栄など)や水野晴郎らを女性アイドルのように扱うネタや、宇津井健を題材にしたネタ[注 14]は、番組初期から最末期まで定番の投稿ネタとして扱われ続けた。 コサキンによるフリートークや投稿に対するコメントも、「中学二年生男子の放課後の雑談」と例えられるようなくだらなさや、テレビでは見せない「裏小堺・裏関根」と言うべき毒舌、そして欽ちゃんファミリーとしては稀な下ネタが混ざった内容となっていた。下ネタは直接的な名称・表現は避け、「意味ねぇ」比喩表現や番組独自の言い回しに置き換えることが多かった。 このような「意味ねぇ、くだらねぇ」ネタを扱う番組になったきっかけは、小堺と関根が『夜はともだち』の木曜日担当として番組を始めて間もない頃、ラジオ番組に不慣れな二人が迷走し、投稿ハガキも数枚程度しか届かなかったことにある。所属事務所の専務取締役(当時)である川岸咨鴻[注 15]に強く叱責され[注 16]、二人は番組を続けることがつらくなってしまった。そこで関根が小堺に「僕らは新人なので、自分から番組を辞めたいとは言えない。だから番組をクビになるようなことをしよう。一生懸命やったけどクビになりました、と言おう」と提案すると、小堺も同意した。そして後述のコサキンソングやくだらないネタ・トークを積極的に取り入れたところ、評判や投稿数が上向きになり、有数の長寿番組へと育つことになった[6][注 17]。小堺と関根は番組の開始当初について、初代ディレクターの杉浦利重が「とりあえず好きにやらせよう」と二人を叱ることなく見守ってくれたことや、番組2年目からディレクターを務めた門脇覚が、初めは一般リスナーも取り入れる内容にするよう進言したものの、次第に「もっと『意味ねぇ』を攻めましょう」とコサキンを牽引する存在になってくれたことに感謝を示している[7]。 番組の最後は、出演者・スタッフ全員で「パッホーン!」と叫ぶのが恒例となっていた。これは『欽ちゃんのどこまでやるの!?』でコサキンが「クロ子とグレ子」として演じていた時のギャグを流用したものである。このほかにも、当番組以外では通じない「意味ねぇ」用語・絶叫が多数存在していた。 主なコーナー『コサキン ポッドキャストDEワァオ!』では以下のコーナーのうち、「ラビーの絶叫」(2024年5月より)「コサキン情報局」「おはがき列島」の3コーナーで構成されており、さらに「情報局」はコサキンの2人のフリートーク(「おしゃべり情報局」に相当)とリスナーからのハガキ・メールの紹介(「おはがき情報局」に相当)で構成されるが、フリートークの盛り上がり具合に応じてそれのみに終始する場合もあるほか、その延長線上として全編ロケで収録する回や、スタジオにあるガチャガチャ機を回して出てきたカプセルトイを元にトークする「コサキンガチャトーク」が放送される回もある。また、2023年9月配信分までは過去の放送音源を公開するコーナー「コサキンアーカイブ」もあった。 「コサキンDEワァオ!」終了時の主なコーナー『欽グルス』以降は、「コサキンのフリートーク→情報局→リスナー参加型企画[注 18]→CD大作戦、コント劇場等→おハガキ列島」の構成から大きく変更することなく進行していた。 投稿コーナーでは、面白かった作品にはコサキンや鶴間が「あげましょう」とコメントし、投稿者にTBSラジオの記念品や番組グッズなどが贈られた。2002年8月7日放送分からは、番組で採用された全ての作品の中から最も面白かったものに「MVA(Most Valuable あげましょう)」が授与され、受賞者にはコサキンのお宝グッズが贈られた。
このうち、情報局、おハガキ列島は『欽グルス』時代から、CD大作戦、コント劇場は『無理矢理100%』『増刊号』時代から続いたコーナー。また、Who's Who?は『快傑アドレナリン』時代にも存在していた[注 29]。SS大賞も10年以上続いた企画である。 終了時以前の長期にわたったコーナー
テーマ曲オープニングスーパーギャング -コサキン無理矢理100%-
コサキン増刊号
コサキン快傑アドレナリン
OPは「Gridlock」の中間部分と「Samurai」の冒頭を繋ぎ合わせた音源を使用していた。 コサキンDEワァオ!(土曜18時台)
UP'S コサキンDEワァオ!
水曜JUNK コサキンDEワァオ!コサキンDEワァオ!(土曜24時台)エンディング
各コーナー使用曲
番組で使用された音源大別すると、既存曲をネタにした「コサキンソング」、番組独自の「ラビーの替え歌」、ゲストの発言を使った「TP」に分けられる。 コサキンソングコミックソング、「あまり聞かれない何だか妙な歌」、「意味不明な歌」、「おかしな歌」、「有名人の意外な歌」、ヒット曲であっても聴き方によって珍妙に聞こえる歌などを「コサキンソング」として紹介している。意味ねぇCD大作戦では、これら「コサキンソング」が使用されることが多い。2004年にブレイクした松平健の『マツケンサンバII』や1987年にブレイクした吉永小百合の『奈良の春日野』なども、ブレイクする以前から紹介していた。『伊集院光 日曜日の秘密基地』(TBSラジオ)の「おバ歌謡」や『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)の「あれなレコード あレコード」、『赤坂泰彦のミリオンナイツ』(JFN系)の「うさんくさいポップス」や『山下達郎のサンデー・ソングブック』(JFN系)の「珍盤・奇盤特集」など、コサキンソングと同様のコンセプトを持つコーナーが多数存在する。これらの企画で紹介された楽曲の中には、「コサキンソング」で紹介された曲も多い。 オンエア楽曲
など多数。 コサキンソング以外の使用曲
ラビーの替え歌番組当初から、小堺に内緒で録音して曲のコーナーでいきなり流すというドッキリ企画であったり、「意味ねぇイントロ&曲当てクイズ」「替え歌&イントロ当てクイズ」として独立した企画であったりなどで、関根が歌う替え歌を放送することは多々あった。曲当てクイズの場合、歌詞の大筋は有川、舘川らの構成作家が作り、関根がアドリブを付け足したりイントロや後奏で思いつきのセリフ・絶叫を作り上げる事が多い。放送時に初めて替え歌を聴かされる小堺が笑い転げることが多かったが、関根も大半は録音したことを全く覚えておらず、自分で笑ってしまうこともしばしばあった。『快傑アドレナリン』以降、曲当てクイズは消滅し替え歌も作られなくなったが、2000年代になって替え歌のリバイバルブームが起こり、往年の替え歌が久しぶりに放送されたり新曲が作られたりした事があった。総計で200曲以上にも及ぶレパートリーが存在している。
TP「コサキンDEワァオ!」になったあたりから、過去に出演したゲストの発言等がサンプリング音源で効果音のように番組中に挿入されることがあった。特に出演者が気に入ったTPはヘビーローテーションされ、「意味ねぇCD大作戦」でも頻繁に活用されていた。
テレビ番組1993年10月から半年間、TBS系列全国ネット『ザッツ!』枠で、コサキンの企画をそのままテレビ番組にアレンジした『コサキンルーの怒んないで聞いて!!』が放送された。司会は小堺・関根、ルー大柴が務めた。構成作家にはコサキン担当の4人のほか、君塚良一も迎えている。 TBSラジオでのコサキン番組終了後、1年の空白を経て、2010年4月からテレビ朝日が製作して同局系列の衛星放送であるBS朝日で放送[注 54]されるテレビ番組『コサキンDEラ゛ジオ゛!』が開始された(2013年4月まで)。小堺と関根のみが出演(ゲストを迎える場合有り)、横に控える舘川(構成)・鶴間・有川(共にブレーン)が資料提供や笑い声で参加、ラジオスタジオ風のセットに2人が対座してフリートークやナンセンスギャグ系の企画コーナーを進める構成など、同番組はテレビながらもラジオ時代の「コサキン」番組を色濃く継承した方法で製作されていた。 2014年10月から2015年9月までは、BSフジにて『コサキン道中 ぶらっぶらっぶらっ!』が放送された。旅番組の体裁を採ったバラエティ番組であるが、番組の流れとは関係なく、ラジオでのコサキン同様の即興コントのようなやり取りがしばしば繰り広げられていた。タイトルの「ぶらっぶらっぶらっ!」は、コサキンのコントに登場する意味のない擬音「ブラッブラッブラッ」に、「ぶらぶら歩く」という意味をかけていた。 2016年10月から2018年1月までは、MONDO TVにて『コサキンのラジオごっこ』が放送された。『コサキンDEラ゛ジオ゛!』と同様のラジオ収録風の番組スタイルで、投稿を含めた写真ネタを中心にしてトークを繰り広げた[6]。 番組内容の詳細はそれぞれの当該記事を参照のこと。 番組関連の公開イベント
※上記以外にも、小規模なイベント(主に番組本の発売時の記念イベント)が多数実施された。 レギュラー放送終了後の特別番組これまで、7度にわたって復活特番が放送されている。レギュラー時代からメンバーに変更はないものの、有川は参加していない。
関連商品番組発行の書籍番組から発行している書籍は、「コサキン本( - ぼん)」とも呼ばれる。
番組外で発行された書籍
その他の商品
関連項目
脚注注釈
出典
外部リンク
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