第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい95かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2015年(平成27年)8月29日から2016年(平成28年)1月1日まで開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会。
ガンバ大阪が2大会連続5回目の優勝を果たした。
概要
2014年11月13日に開催された日本サッカー協会 (JFA) 理事会においてレギュレーションが正式決定した[1]。参加チームは前回第94回大会までと同じ88チームであるが、開催規程が一部変更され、レギュレーションに複数の大きな変更があった。2015年7月2日に大会実施概要が公表された[2]。
日本サッカー後援会創立40年を記念し、この回から優勝チームには後援会が記念事業として寄贈した、「JFA杯」が贈られる。
決勝については、2016年1月1日に味の素スタジアムで行われることが決まり、2年ぶりの『元日決勝』が復活することになった。決勝会場については、記者会見したJFA専務理事の原博実が「3ヶ所が開催に立候補した。条件を鑑みて味スタに決まった」と説明している[5]。3ヶ所が具体的にどこかは明らかにされていないが、日刊スポーツはJFA関係者の話として「今回は、味スタと吹田市の新しいスタジアムから申請があった」と報じている[7]。原は「 (2016年以降は)新国立競技場が完成するまでは色々なところでやりたい。関西の可能性もある」と言及している[5]。
本大会では、NHKが「テレビ放送の同時配信の試験的な提供 (試験的提供A)」の一環として、決勝戦の模様をNHKスポーツオンライン天皇杯サイトおよびiOS/Android用スマートフォン・タブレット向けアプリ「NHK SPORTS」で総合テレビと同内容の同時無料配信を行った[8] ほか、準決勝以降の3試合については同サイト・アプリで試合中のハイライトシーンを好みのアングルから再生できる「マルチアングルクリップ動画」や試合中のスタッツデータ・走行ランキングなどの「リアルタイム競技データ」を提供している。
本大会ではポスター等に用いるメインビジュアルに、サッカー漫画「GIANT KILLING」 (ツジトモ)の登場人物である達海猛を起用している[9]。
日程
日程としては第93回大会に近い形となり、前述の通り2年ぶりに『元日決勝』が復活する。原は「スケジュールについては色々議論している。来年については大幅に変えることはできない」とした上で、「第97回大会 (3年後)以降から大きく変わる可能性がある」と説明しており、第96回大会までは現在の日程が大きく変わらないものの、以後は日程の抜本的見直しがあり得ることを示唆している[5]。
試合 |
開催日 |
参加チーム数変動 |
備考
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1回戦
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8月29日、30日
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72(2+22+1+47) → 36
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2014年のJ2リーグ2位以下[† 1]、JFLシード、都道府県代表の参加
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2回戦
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9月5日、6日、9日[† 2]
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48(36+12) → 24
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2014年のJ2リーグ1位以上[† 3] (シードチーム[† 4]除く)の参加
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3回戦
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10月10日、11日、14日
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24 → 12
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4回戦
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11月11日、14日、15日
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16(12+4) → 8
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J1シードチーム[† 4]の参加
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準々決勝
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12月26日
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8 → 4
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準決勝
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12月29日
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4 → 2
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決勝
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1月1日
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2 → 1
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出場チーム
以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム (クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。
J1リーグ
2015年のJ1リーグ所属の全18チーム。
J2リーグ
2015年のJ2リーグ所属の全22チーム。
JFLシードチーム
第17回日本フットボールリーグファーストステージ勝者。
都道府県代表
長崎・熊本・大分・鹿児島の4県代表は6月28日[10] に、福岡県代表は7月5日[11] に、島根・広島の2県代表は7月12日[12] に、香川県代表は8月1日[13] に、山梨・徳島・愛媛の3県代表は8月2日[14] に、岡山県代表は8月9日[15] に、沖縄県代表は8月12日[16] に、佐賀・宮崎の2県代表は8月16日[17] に、栃木・千葉・神奈川・愛知・三重・京都の6県代表は8月22日[18] に、それ以外の26都道府県代表は8月23日[19] に決定した。
試合結果
1回戦
ギラヴァンツ北九州 v J.FC MIYAZAKI
2回戦
松本山雅FC v ツエーゲン金沢
2015年9月5日 No.38 | 松本山雅FC | 2 - 1 | ツエーゲン金沢 | 松本市 | 16:03 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 松本平広域運動公園総合球技場アルウィン 観客数: 6,613人 主審: 木村博之 |
大分トリニータ v V・ファーレン長崎
2015年9月5日 No.39 | 大分トリニータ | 3 - 0 | V・ファーレン長崎 | 大分市 | 19:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 大分銀行ドーム 観客数: 2,285人 主審: 河合英治 |
横浜F・マリノス v MIOびわこ滋賀
2015年9月6日 (2015年10月11日)[A] No.40 | 横浜F・マリノス | 3 - 1 (延長) | MIOびわこ滋賀 | 横浜市 | 19:00 (13:00) |
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公式記録 (PDF) |
- 村上聖弥
2分
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競技場: ニッパツ三ツ沢球技場
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水戸ホーリーホック v ギラヴァンツ北九州
2015年9月5日 No.42 | 水戸ホーリーホック | 2 - 1 | ギラヴァンツ北九州 | 水戸市 | 18:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ケーズデンキスタジアム水戸 観客数: 1,451人 主審: 塚田智宏 |
ヴァンフォーレ甲府 v 順天堂大学
2015年9月5日 No.43 | ヴァンフォーレ甲府 | 3 - 2 | 順天堂大学 | 甲府市 | 15:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 山梨中銀スタジアム 観客数: 1,995人 主審: 吉田寿光 |
FC大阪 v 愛媛FC
2015年9月5日 No.44 | FC大阪 | 2 - 3 (延長) | 愛媛FC | 大阪市 | 18:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: キンチョウスタジアム 観客数: 1,186人 主審: 村上伸次 |
コンサドーレ札幌 v 横浜FC
2015年9月5日 No.46 | コンサドーレ札幌 | 1 - 0 | 横浜FC | 札幌市 | 13:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 札幌厚別公園競技場 観客数: 2,970人 主審: 岡部拓人 |
徳島ヴォルティス v FC岐阜SECOND
2015年9月5日 No.48 | 徳島ヴォルティス | 1 - 0 | FC岐阜SECOND | 鳴門市 | 18:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム 観客数: 1,442人 主審: 井上知大 |
モンテディオ山形 v カマタマーレ讃岐
2015年9月5日 No.50 | モンテディオ山形 | 3 - 1 | カマタマーレ讃岐 | 天童市 | 19:01 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: NDソフトスタジアム山形 観客数: 2,834人 主審: 山本雄大 |
名古屋グランパス v FC町田ゼルビア
2015年9月9日 No.53 | 名古屋グランパス | 0 - 1 | FC町田ゼルビア | 名古屋市 | 19:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 名古屋市港サッカー場 観客数: 1,481人 主審: 福島孝一郎 |
ジュビロ磐田 v アビスパ福岡
2015年9月5日 No.54 | ジュビロ磐田 | 0 - 1 | アビスパ福岡 | 磐田市 | 18:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ヤマハスタジアム 観客数: 3,368人 主審: 清水修平 |
大宮アルディージャ v 東京ヴェルディ
2015年9月6日 No.56 | 大宮アルディージャ | 3 - 1 | 東京ヴェルディ | さいたま市 | 18:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: NACK5スタジアム大宮 観客数: 3,851人 主審: 小屋幸栄 |
京都サンガF.C. v 流通経済大学
2015年9月6日 No.58 | 京都サンガF.C. | 4 - 0 | 流通経済大学 | 京都市 | 19:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 観客数: 1,195人 主審: 吉田哲朗 |
ジェフユナイテッド千葉 v FC岐阜
2015年9月6日 No.60 | ジェフユナイテッド千葉 | 1 - 0 | FC岐阜 | 千葉市 | 18:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: フクダ電子アリーナ 観客数: 3,133人 主審: 荒木友輔 |
- 注釈
- ^ 荒天のため73分16秒で中断し、そのまま中止となった (中断時点では1 - 1であった)。試合再開方法等について、JFAと主管サッカー協会が協議した結果、試合を中断した時点 (73分16秒)からの再開とし、試合記録も引き継がれることに決定した。また、交代人数も中断時点での残りの人数を適用し、出場選手も怪我等の理由がない限り中断時と同じメンバーで行うことになった。再開試合は2015年10月11日の13:00から、会場をニッパツ三ツ沢球技場から日産スタジアムに変更して行われた[20]。
3回戦
湘南ベルマーレ v 松本山雅FC
2015年10月10日 No.61 | 湘南ベルマーレ | 2 - 3 | 松本山雅FC | 平塚市 | 14:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: Shonan BMWスタジアム平塚 観客数: 3,646人 主審: 吉田寿光 |
大分トリニータ v 横浜F・マリノス
2015年10月14日 No.62 | 大分トリニータ | 0 - 1 (延長) | 横浜F・マリノス | 大分市 | 19:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 大分銀行ドーム 観客数: 2,847人 主審: 今村義朗 |
鹿島アントラーズ v 水戸ホーリーホック
2015年10月14日 No.63 | 鹿島アントラーズ | 0 - 0 (延長) (2 - 3 PK戦) | 水戸ホーリーホック | 鹿嶋市 | 19:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 茨城県立カシマサッカースタジアム 観客数: 4,492人 主審: 松尾一 | | PK戦 | |
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ヴァンフォーレ甲府 v 愛媛FC
2015年10月14日 No.64 | ヴァンフォーレ甲府 | 1 - 0 | 愛媛FC | 甲府市 | 19:01 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 山梨中銀スタジアム 観客数: 2,056人 主審: 岡部拓人 |
サガン鳥栖 v コンサドーレ札幌
2015年10月14日 No.65 | サガン鳥栖 | 0 - 0 (延長) (2 - 1 PK戦) | コンサドーレ札幌 | 鳥栖市 | 19:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ベストアメニティスタジアム 観客数: 2,895人 主審: 村上伸次 | | PK戦 | |
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アルビレックス新潟 v 徳島ヴォルティス
2015年10月14日 No.66 | アルビレックス新潟 | 1 - 2 | 徳島ヴォルティス | 新潟市 | 19:03 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: デンカビッグスワンスタジアム 観客数: 3,499人 主審: 西村雄一 |
藤枝MYFC v モンテディオ山形
2015年10月14日 No.67 | 藤枝MYFC | 1 - 2 | モンテディオ山形 | 天童市 | 19:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: NDソフトスタジアム山形 観客数: 2,281人 主審: 木村博之 |
FC町田ゼルビア v アビスパ福岡
2015年10月14日 No.69 | FC町田ゼルビア | 2 - 0 | アビスパ福岡 | 福岡市 | 19:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: レベルファイブスタジアム 観客数: 1,611人 主審: 扇谷健司 |
ベガルタ仙台 v 大宮アルディージャ
2015年10月14日 No.70 | ベガルタ仙台 | 0 - 0 (延長) (4 - 3 PK戦) | 大宮アルディージャ | 仙台市 | 19:03 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ユアテックスタジアム仙台 観客数: 3,276人 主審: 東城穣 | | PK戦 | |
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川崎フロンターレ v 京都サンガF.C.
2015年10月14日 No.71 | 川崎フロンターレ | 3 - 0 | 京都サンガF.C. | 川崎市 | 19:03 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 等々力陸上競技場 観客数: 5,124人 主審: 山本雄大 |
ヴィッセル神戸 v ジェフユナイテッド千葉
2015年10月14日 No.72 | ヴィッセル神戸 | 1 - 0 | ジェフユナイテッド千葉 | 神戸市 | 19:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 観客数: 2,277人 主審: 飯田淳平 |
ラウンド16 (4回戦)
ラウンド16 (4回戦)の抽選は2015年10月22日に日本サッカー協会ビル (JFAハウス)にて行われた[21]。今回の抽選では、これまでと異なりポットを2つ用いる方法で行われた。具体的には以下の方法で抽選が行われた。
- №73ホーム→№73アウェー→№74ホーム→…の順にトーナメントポジションに1から16の番号を割り当て、この番号の書かれたポット (A) を用意する。
- 3回戦勝者の12チーム+シード4チームの計16チームのチーム名の書かれたポット (B) の2つを用意する。
- まずAのポットを抽選し、続いてBのポットを抽選して、その時点でチーム名とトーナメントポジションを紐付ける。
- これを16回繰り返し、トーナメントの組み合わせを決定する。
試合日時・試合会場については抽選会翌日の2015年10月23日に発表された[22]。
ドロワーは日本サッカー協会 (JFA) 副会長の田嶋幸三、JFA専務理事の原博実、元日本代表でNHKサッカー中継解説者の福西崇史の3人。立会人はJFA会長の大仁邦彌、天皇杯実施委員会委員長の佐々木一樹[23]。
なお、今回の抽選会の模様の中継は2年ぶりにNHK BS1で生放送された[23]。中継のゲストは釜本邦茂、解説は宮澤ミシェル、進行役は一橋忠之と宮崎瑠依[24]。番組にはFC町田ゼルビア監督の相馬直樹とゲームキャプテンの平智広がマスコットの「ゼルビー」と共に中継にて出演、また前回優勝のガンバ大阪監督の長谷川健太が電話出演した。
ベガルタ仙台 v 松本山雅FC
2015年11月14日 No.75 | ベガルタ仙台 | 2 - 1 | 松本山雅FC | 仙台市 | 13:04 |
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公式記録 (PDF) |
86分 (OG) |
競技場: ユアテックスタジアム仙台 観客数: 5,802人 主審: 扇谷健司 |
サガン鳥栖 v モンテディオ山形
2015年11月14日 No.78 | サガン鳥栖 | 4 - 3 | モンテディオ山形 | 鳥栖市 | 17:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ベストアメニティスタジアム 観客数: 4,762人 主審: 西村雄一 |
徳島ヴォルティス v サンフレッチェ広島
2015年11月11日 No.80 | 徳島ヴォルティス | 1 - 2 | サンフレッチェ広島 | 鳴門市 | 19:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム 観客数: 3,154人 主審: 木村博之 |
準々決勝
準々決勝以降のマッチスケジュールは2015年11月18日に発表された[25]。
ベガルタ仙台 v 柏レイソル
2015年12月26日 No.82 | ベガルタ仙台 | 3 - 3 (延長) (3 - 5 PK戦) | 柏レイソル | 仙台市 | 13:05 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ユアテックスタジアム仙台 観客数: 11,388人 主審: 飯田淳平 | | PK戦 | |
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ガンバ大阪 v サガン鳥栖
2015年12月26日 No.83 | ガンバ大阪 | 3 - 1 | サガン鳥栖 | 吹田市 | 15:04 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 万博陸上競技場 観客数: 12,132人 主審: 松尾一 |
FC東京 v サンフレッチェ広島
2015年12月26日 No.84 | FC東京 | 1 - 2 (延長) | サンフレッチェ広島 | 諫早市 | 15:00 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 長崎県立総合運動公園陸上競技場 観客数: 9,933人 主審: 東城穣 |
準決勝
浦和レッズ v 柏レイソル
2015年12月29日 No.85 | 浦和レッズ | 1 - 0 (延長) | 柏レイソル | 調布市 | 13:05 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: 味の素スタジアム 観客数: 22,462人 主審: 吉田寿光 |
ガンバ大阪 v サンフレッチェ広島
2015年12月29日 No.86 | ガンバ大阪 | 3 - 0 | サンフレッチェ広島 | 大阪市 | 15:06 |
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公式記録 (PDF) |
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競技場: ヤンマースタジアム長居 観客数: 17,027人 主審: 佐藤隆治 |
決勝
決勝に駒を進めたのは、準決勝で柏に延長で勝利し9大会ぶりの優勝を狙う浦和と、準決勝でリーグ覇者の広島を破り連覇を目指すG大阪の顔合わせ。両者が天皇杯で顔を合わせるのは2010年の第90回大会準々決勝 (G大阪が延長で勝利)以来5大会ぶりで、決勝での対戦は第86回大会 (2007年元日、浦和が勝利)以来9大会ぶり。[26]。浦和とG大阪の両者は2015年シーズン5度目の対決で、ここまでG大阪の3勝1敗[注 2] であった[27]。浦和監督のミハイロ・ペトロヴィッチにとっては、未だ手にしたことのない年間タイトル獲得のチャンスとなる試合であり[28]、一方のG大阪にとっても前年は三冠を達成しながらこのシーズンはナビスコカップ・リーグ戦とも準優勝に終わっており、最後の「1冠」にかける試合となっていた[29]。また、G大阪監督の長谷川健太は現役時代を含めて7度目の元日天皇杯決勝で、過去の戦績は3勝3敗[注 3] ながらも監督となってからは元日の決勝に勝利したことがなく、自身の「元日勝ち越し」を願う試合ともなった[29]。また、この年のJ1リーグの結果によりG大阪のAFCチャンピオンズリーグ2016 (ACL2016) グループステージ進出と浦和のACL2016プレーオフ進出が決まっていたため、勝った方が天皇杯枠での出場権に振り替わり、浦和は天皇杯決勝の結果如何にかかわらずACL2016グループステージ出場に繰り上がって、リーグ戦4位のFC東京がACL2016プレーオフ進出になることが決定した[30]。
この試合には日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチが異例の視察に訪れた[31]。準決勝での負傷でMF柏木陽介を欠く浦和は試合開始早々にDF槙野智章がGK西川周作と接触し右手を負傷 (試合後に20針縫う重症と判明)[32]。一方リーグ戦レギュラーのDF岩下敬輔とMF大森晃太郎を欠くG大阪も12分にDF米倉恒貴が足の負傷でMF井手口陽介と交代を余儀なくされる[33] など、お互いに満身創痍の中での立ち上がりとなった。前半32分、G大阪MF倉田秋がセンターライン付近から浦和DF陣の背後に浮き球を送ると、これにG大阪FWパトリックが反応して抜け出し、右サイドを快足を飛ばしてドリブル。最後は浦和DF森脇良太を振り切って右足でゴールを決め、G大阪が先制する[34]。しかし浦和もその4分後、MF梅崎司が上げたクロスボールを浦和FW李忠成が頭で合わせるも左ポストに嫌われるが、そのこぼれ球を浦和FW興梠慎三が決めて同点に追いつき[35]、前半は1-1で終える。
後半も一進一退の攻防が続く中、迎えた後半8分のコーナーキック。G大阪MF遠藤保仁のキックにファーサイドにいたFWパトリックが浦和DF槙野智章のマークを一瞬の動きで振り切り、ゴール正面でフリーとなって右足で合わせてG大阪が再び勝ち越す[34]。浦和はこの後関根貴大・ズラタン・高木俊幸と攻撃的な選手を立て続けに投入して何とか反撃を試みる[35] が、G大阪は勝ち越し直後に4-4-2にシステムを変えてGK東口順昭を中心に強固なブロックを敷いてこれを守り抜き、G大阪が2-1で連覇を達成した。
トーナメント表
| ラウンド16 (4回戦) | | 準々決勝 | | 準決勝 | | 決勝 | | | | | | | | | | | | | | | | | 2015年11月14日
| | | | | | | | | | | ヴィッセル神戸 | 1
| | 2015年12月26日
| | 横浜F・マリノス | 0
| | | ヴィッセル神戸 | 0
| | 2015年11月11日
| | | 浦和レッズ | 3
| | | FC町田ゼルビア | 1
| | | 2015年12月29日
| | 浦和レッズ | 7
| | | 浦和レッズ (延長) | 1
| | 2015年11月14日
| | | 柏レイソル | 0
| | | ベガルタ仙台 | 2
| | 2015年12月26日
| | | 松本山雅FC | 1
| | | ベガルタ仙台 | 3 (3)
| | 2015年11月15日
| | | 柏レイソル (p) | 3 (5)
| | | 柏レイソル (延長) | 2
| | | 2016年1月1日
| | ヴァンフォーレ甲府 | 1
| | | 浦和レッズ | 1
| | 2015年11月15日
| | | ガンバ大阪 | 2
| | 川崎フロンターレ | 0
| | 2015年12月26日
| | | ガンバ大阪 | 2
| | | ガンバ大阪 | 3
| | 2015年11月14日
| | | サガン鳥栖 | 1
| | | サガン鳥栖 | 4
| | | 2015年12月29日
| | モンテディオ山形 | 3
| | | ガンバ大阪 | 3
| | 2015年11月11日
| | | サンフレッチェ広島 | 0
| | | FC東京 | 2
| | 2015年12月26日
| | | 水戸ホーリーホック | 0
| | | FC東京 | 1
| | 2015年11月11日
| | | サンフレッチェ広島 (延長) | 2
| | | 徳島ヴォルティス | 1
| | | | サンフレッチェ広島 | 2
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脚注
注記
- ^ 優勝したガンバ大阪はJ1・2位でACL出場権を獲得していたため、J1・4位のFC東京が繰上げでACLプレーオフ出場権を獲得。
- ^ ゼロックス杯でG大阪が勝利、リーグ戦は1勝1敗、チャンピオンシップ準決勝でG大阪が延長戦勝利。
- ^ 「元日決勝」ではなかった前回大会を含めると4勝3敗。
出典
外部リンク
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※取り消し線は中止となった大会 | 1920年代 | |
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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大会 - 予選 - 優勝 |
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| ナショナルチーム |
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国内リーグ |
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国内カップ |
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大学・育成年代 |
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国際大会 |
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