STAND BY ME ドラえもん
『STAND BY ME ドラえもん』(スタンドバイミー ドラえもん)は、藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とする、2014年の日本の3DCGアニメーション映画。山崎貴と八木竜一と監督、山崎が脚本を務めた。藤子・F・不二雄の生誕80周年を記念して製作された。 本作では、原作第1話「未来の国からはるばると」[注 1]、しずかへのプロポーズから結婚までを描く「雪山のロマンス」「のび太の結婚前夜」[注 2]、ドラえもんとの別れと再会を描く「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」[注 2]、その他「たまごの中のしずちゃん」「しずちゃんさようなら」の原作7ストーリー[4][5]を再構築し、ドラえもんとのび太の出会いから別れ、のび太としずかとの愛が描かれる。 興行収入は国内で83.8億円、全世界合計では日本映画歴代6番目に多い183,442,714ドルを記録した。第38回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞を受賞した[6][7]。2020年には続編の『STAND BY ME ドラえもん 2』が公開された。 あらすじ
声の出演
製作従来のドラえもんのアニメとは異なる、懐かしくも新しいドラえもんであり[10]、2011年に公開された『friends もののけ島のナキ』の制作陣が再集結して制作される。 脚本を担当する山崎が版権元に企画書を提示したところ、「こんなに愛のあるプロットは初めて。ぜひやって下さい」と承諾され、制作が開始した[11][12]。制作期間3年のうち、キャラクター造形に1年半を費やして動きや表情を追求した。台詞収録後には声に合わせてCGアニメを製作し(プレスコ)[13]、のび太の町の背景には実写ミニチュアを使用した[14]。グローバル・イルミネーションなどの最新3D技術やサブサーフェイス・スキャタリング技術を用い、作中で登場する素材のリアルな質感を再現した[12]。 原作の連載で描かれてきたエピソードを厳選して繋ぎ合わせ、ドラえもんとのび太たちの出会いから別れを描いており[15]、子どもの頃にドラえもんに親しみ、大人になるにつれて自然に卒業していったすべての「子ども経験者」たちに見てほしいという願いを込めて製作した[16]という。作中の台詞は原作の良さを引き出すため、映画オリジナルのシーンや設定を除き、おおむね原作に沿っている[17]。山崎と八木の両監督は、ドラえもんを立体化するのはこの映画が初めてであるため、冒険ではなくドラえもんがいる日常を舞台にし、名作と言われる話を選んだ[4]。時代設定を1970年代半ばとし、自分たちが子どもの頃に見た風景を描いた[18]という。 なお、未来の練馬区を行くシーンでは、トヨタ自動車・パナソニック・江崎グリコ・森ビルのロゴが登場するが、いずれもプロモーションに協力した企業である。 スタッフ
音楽劇中歌
主題歌
公開全国319スクリーンで公開され、2014年8月9日、10日の2日間で興収7億6724万8000円、動員55万4911人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった[19]。公開3日間(8 - 10日)の動員は72万6739人、興収9億8825万7700円を記録した[20]。 日本だけでなく、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカの海外計59の国と地域(中国、韓国、台湾、香港、マカオ、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、インド、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、モルディブ、ブータン、アルジェリア、アフガニスタン、バーレーン、チャド、コモロ、ジブチ、エジプト、エリトリア、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モーリタニア、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、南スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、西サハラ、イエメン、イラン、エチオピア、イタリア、サンマリノ、バチカン、マルタ、モナコ、スイス、スペイン、フランス[21][22])でも公開された[23][24][25]。 評価ぴあの調査による初日満足度ランキングでも幅広い年齢層で支持を集め、92.6点をつけて第1位となっている[26]。NEWSポストセブンの調査によると、感動した場面として、「のび太が1人でジャイアンに立ち向かうところ」「結婚前夜のしずかちゃんとお父さんのエピソード」が多く挙げられたという[27]。 RHYMESTERの宇多丸は自身の番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』の映画批評コーナーにおいて「ドラ泣きっていう売りは心底下品だと思います」と苦言を呈した[28]。自らが原作の現役世代であることを踏まえて、『ドラえもん』における「感動」とは、「ドラえもんとの別れ=物語の終焉」がいずれ不可逆的に果たされる「のび太の成長」に伴って訪れるということを明確にしているが故にもたらされるものであると定義付けた上で、安易に「帰ってきたドラえもん」を1本の物話のクライマックスに据えることは単に「永遠の子供時代の肯定」に甘んじるものであり、結果として『ドラえもん』本来の感動とはかけ離れてしまっていると指摘している。 興行収入累計興収は公開40日目に70億円を[22]、公開76日目には80億円を突破し[25]、2014年公開作としては邦画第1位となった[30]。興行成績は公開から5週連続で第1位となった[31]。最終興行収入は約83.8億円で、2014年邦画興業収入では『永遠の0』に次ぐ第2位となった[1]。観客動員数は625万人に達し[32]、興行収入、観客動員数共に『ドラえもん』の映画作品としては歴代最高となった。 2015年2月15日から香港で公開され、7日間で4億7,000万円を突破し、全世界興行収入が2月27日に100億円を突破した[33]。 2015年5月28日から中華人民共和国で公開され、5月31日には1日で約8800万人民元を売り上げ、中国で公開されたアニメ映画の1日の興行収入で最高記録を更新し、4日間で2億3,700万人民元を突破した[34]。最終興行収入は美団調べで5.28億人民元(約104.8億円)。中国・香港合計の興行収入は9297万ドル(約114億円)[35]。 受賞
関連商品
脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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