株式会社東日本放送(ひがしにっぽんほうそう、英: HIGASHI NIPPON BROADCASTING Co.,Ltd.)は、宮城県を放送対象地域とし、テレビジョン放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者である。
略称はkhb(K.K Higashinippon Broadcastingから)。コールサインはJOEM-DTV(仙台 28ch)。本社は仙台市太白区にある。
ANN系列のフルネット局で、リモコンキーIDはキー局のテレビ朝日と同じ「5」である。
概要
宮城県内最後発の民放テレビ局であり、準キー局である毎日放送と朝日放送との腸捻転解消後のNETテレビ(テレビ朝日)系列の系列局としては初めての開局であり、NETテレビ時代に開局させたフルネット局としては、khbが最後の開局となった[注釈 1]。
また、局名の頭に「東西南北」のいずれかが入り、後ろに「〇日本放送」が付く民間の放送局はkhb、北日本放送(KNB・富山県、日本テレビ系列)、西日本放送(RNC・岡山県・香川県、日本テレビ系列)、南日本放送(MBC・鹿児島県、TBS系列)がある。khb以外の3つの放送局はいずれもラジオ・テレビ兼営局(ラジオは3局ともJRN・NRN系列)で、4局の中では唯一のテレビ単営局で、なおかつアナログ親局がUHFだった。
さらに、東北地方におけるテレビ朝日系列の基幹局でもある。東北6県(一部は新潟県も含む)のテレビ朝日系列局に向けても番組を多く制作・発信し、強いリーダーシップを発揮している。特に2021年(令和3年)9月に太白区のあすと長町の社屋が操業を開始した際に、東北の他の5県の系列全局の支社を長町の社屋に移転・集約し、結びつきをさらに深めている。在仙局の中でブロックネット番組を最も多く制作している局で、年に1回のペースで、全国ネットの特別番組を制作している。
2009年(平成21年)10月1日から、2010年(平成22年)の開局35周年に向けた新キャッチフレーズ「いいことつなごう KHB」を採用した。
2021年(令和3年)10月1日から、前述の新社屋移転にともない、略称表記を英文小文字の「khb」とし、新キャッチフレーズ「あすとつながるミテケロ 5ch」を採用した。2025年の開局50周年時は「あすとつながるミテケロ 50th」となっている。
東北地方のテレビ朝日系列局では、初めて略称表記を英文小文字化した。同系は英文小文字の略称表記を行う局が他系列よりも多く、北から長野朝日放送(abn)、山口朝日放送(yab)、愛媛朝日テレビ(eat)、長崎文化放送(ncc)[3]が既にあり、khbは5局目にあたる。更に2024年10月1日より6局目として隣接する山形テレビ(yts)もCI導入により英文小文字の略称表記を採用した[4]。また、略称ではないがキー局のテレビ朝日もロゴで英文小文字を採用している。
仙台市太白区に本社・演奏所を置く民間放送局は、東北放送(tbc)以来通算3局目(コミュニティFM局のエフエムたいはくは除く)となった。同区には、仙台放送(OX)も2004年(平成16年)まで本社・演奏所を置いていた。
本社・演奏所
かつて存在した施設
- 初代社屋(仙台市青葉区上杉2-50-2)- 開局した1975年から1991年9月まで
- 愛宕上杉通り側に所在し、勝山企業が営む勝山酒造、勝山ボウル、勝山スケーティングクラブと隣接していた。本社屋上には、送信所や中継局などへと向けた電波送受信用の大きな鉄塔を設置していた。
- 1991年(平成3年)9月に双葉ヶ丘に社屋・演奏所機能を移転した後は、「KHB別館」となったが、後に解体した。それからしばらくは上記施設の有料駐車場となっていた。2011年(平成23年)の東日本大震災と同敷地内の再開発で勝山ボウル自体が閉鎖・解体した[9]。跡地は、2022年(令和4年)3月に竣工した住友不動産のマンション「シティテラス上杉」敷地内の一部となった。
- 斜め向かいには、2004年(平成16年)に仙台放送の本社・演奏所が太白区茂ヶ崎から移転している。
- 2代目社屋(仙台市青葉区双葉ヶ丘2-9-1)- 1991年9月から2021年9月まで
- 営業センター・KHBプラザ(仙台市青葉区本町2-15-1 ルナール仙台1F)
- 本社が中心部から離れた双葉ヶ丘にあったため、本社営業拠点とグッズ物販の施設を兼ねていた。
- 2021年(令和3年)9月20日、仙台市太白区あすと長町に新社屋を移転することにともない、先行して9月3日をもって閉鎖し、新社屋に移転・統合した。
支局
- 気仙沼支局 - 〒988-0085 宮城県気仙沼市三日町1丁目1
支社
施設内関連会社
- ケー・エイチ・ビー開発(khb開発)
- 東北朝日プロダクション:一部の番組の制作。本社内に事務所設置。
- トラストネットワーク仙台事業部:上記同様。本社、コンテンツセンター内に設置。
情報カメラ
現在
過去
- 双葉ヶ丘本社 - 本社屋上の鉄塔突端に置かれ、青葉区丘陵部の住宅街越しに仙台の中心部を望む。本社の情報カメラで撮影した夜景が放送終了時のクロージングで使われたことがある。
- 勾当台公園(三井アーバンホテル仙台→ホテルコムズ仙台屋上) - 同局が実名で登場した映画『ゴールデンスランバー』でも大詰めの場面で使われた。東日本大震災でビルが全壊し、現在の場所に移設した。
ロゴマーク
初代ロゴマーク(開局 - 2021年9月30日)
- ロゴマークの配色は、社章ロゴマークは赤のみだったが、略称ロゴマークは赤か青緑のいずれかを使用していた。
- 2021年(令和3年)9月21日の社屋移転から9月30日まで、10月1日のロゴマーク全面変更に合わせるため、対外向けや放送上では継続して使用していた[注釈 3]。このため、9月30日まであすと長町の社屋壁面にはロゴマークの看板は一切掲げられていなかった。
- 2023年時点でも速報!甲子園への道の取材協力のロゴは初代のものを使用している。
2代目ロゴマーク(2021年10月1日 - )
- デザインは乃村工藝社(アートディレクター・鈴木不二絵)が担当[14]。
- 略称も大文字(「KHB」)から小文字(「khb」)へ変更。同時に「khb5」とし、リモコンキーIDの「5」を全面に推し出した。
マスコットキャラクター
- 地元宮城県の出身で漫画家のいがらしみきおによるデザインの「ぐりり」を採用。khbが1990年(平成2年)から行ってきたグリーンキャンペーンのキャラクター「ぐりりん」の子という設定というものである[15][16]。
- 2021年(令和3年)10月1日のロゴマーク変更と同時に、ロゴマークを手掛けた乃村工藝社によりキャラクターデザインが変更[14]。
送信所一覧
地上デジタル放送
テレビ朝日系列のリモコンキーID地図
地上アナログ放送
2012年3月31日停波
1975年10月1日の本放送開始と同時に開局した中継局は●を付けている[18]。
在仙民放では最後発であるが、中継局未設置は白石越河、羽出庭、大張の3局のみ(アナログ放送のみ。デジタル放送は3局ともデジタル新局として設置された)と先発局との設置数の差は比較的少なかった。
廃止されたテレビ中継局
完全停波以前に廃止された中継局に限りこちらに参照
資本構成
企業・団体は当時の名称。出典:[19][20][21][22][23][24]
2021年3月31日
資本金 |
発行済株式総数 |
株主数
|
10億円 |
2,000,000株 |
20
|
株主 |
株式数 |
比率
|
テレビ朝日HD |
540,000株 |
27.00%
|
朝日新聞社 |
400,000株 |
20.00%
|
宮城県 |
200,000株 |
10.00%
|
宮城商事 |
175,000株 |
08.75%
|
河北新報社 |
120,000株 |
06.00%
|
七十七銀行 |
100,000株 |
05.00%
|
仙台銀行 |
100,000株 |
05.00%
|
日本経済新聞社 |
100,000株 |
05.00%
|
三井住友銀行 |
50,000株 |
02.50%
|
東北電力 |
50,000株 |
02.50%
|
過去の資本構成
1978年3月31日
資本金 |
授権資本 |
1株 |
発行済株式総数
|
10億円 |
20億円 |
500円 |
2,000,000株
|
1992年3月31日
資本金 |
授権資本 |
1株 |
発行済株式総数 |
株主数
|
10億円 |
20億円 |
500円 |
2,000,000株 |
40
|
2003年3月31日 - 2009年3月31日
資本金 |
発行済株式総数
|
10億円 |
2,000,000株
|
2015年3月31日
資本金 |
発行済株式総数 |
株主数
|
10億円 |
2,000,000株 |
23
|
沿革
移転当初のあすと長町社屋外観
- 9月20日:本社・演奏所を青葉区双葉ヶ丘から太白区あすと長町1丁目へ移転。
- 10月1日:あすと長町への社屋移転が完了。同時にロゴマークを小文字の「khb」に変更すると共にぐりりのデザインを一新[7][14]。
ネットワークの移り変わり
ANN系列の変遷
元来、宮城県のNETテレビ[注釈 9]系列局は、1970年(昭和45年)開局の宮城テレビ(MTB[注釈 10])であった。当時、朝日新聞社が全国朝日系テレビネットワークを構築すべく、全国各地にUHF新局の開局申請を行い、その結果他系列と相乗りになる形で、曲がりなりにも朝日系のテレビ局が開局した。宮城テレビも読売新聞や毎日新聞等の相乗りながら、一応は朝日系のテレビ局としてANNにも加盟していた。
しかし、宮城テレビはその後、視聴率が良かった日本テレビ系列の番組に傾斜することとなり、編成から外れたNET系番組は先発VHF局の東北放送(TBC)や仙台放送(OX)でも相当数が放送された。一方で新たにUHF局が免許される可能性が出て来たため、朝日系としては新局開局に注力することになった。こうして1975年(昭和50年)に、KHBが開局したのと同時に、宮城テレビは日本テレビ系列に一本化された[30]。
主な番組
現在放送中の自社制作番組
- ブロックネット
- 県域放送
-
- khbお天気情報(月曜 - 金曜 5:20 - 5:25、土曜 11:40 - 11:45、17:55 - 18:00 ほか)
- 突撃!ナマイキTV(月曜 - 金曜 9:55 - 11:05)[注釈 11]
- チャージ!(月曜 - 木曜 16:35 - 19:00、金曜 16:35 - 18:55)
- ガヤガヤ(火曜 - 木曜 24:50 - 24:56)
- 東北の聖地を訪ねて(毎月第2土曜 10:30 - 10:45)
- アルヨ(月曜 - 金曜 11:35 - 11:40)
- めざせ!頂点(最終土曜 9:30 - 10:00)
- サンデーチャージ!&スポーツ(日曜 16:30 - 17:25)
- khbスーパーベースボール(東北楽天ゴールデンイーグルス戦)[注釈 12]
- Jリーグベガルタ仙台戦実況中継(2017年 - 2022年は放送は無かった。2023年に復活)
- 夏の高校野球宮城大会実況中継(開会式と準決勝 - 決勝までの中継)
- 高校野球ハイライト(開催期間中毎日放送、月曜 - 金曜 18:50 - 19:00、土曜 17:55 - 18:00、日曜 17:25 - 17:30)
- khbラグビースペシャル(仙台スタジアム(ユアテックスタジアム仙台)で行われる大学リーグもしくはトップリーグ公式戦、当日深夜に放送。)
テレビ朝日系列番組(遅れネット)
※特に表記のないものはテレビ朝日制作。
テレビ東京系列番組
再放送枠
- 午後のワイド劇場(月曜 - 金曜 13:45 - 15:38)
- ドラマプレミア(月曜 - 金曜 15:38 - 16:35)
- ニッポンめしあがれ(土曜 6:00 - 6:30)
- ポツンと一軒家(日曜 10:53 - 11:50)
- 家事ヤロウ!!!(不定期放送)
その他の番組
過去に放送されていた自社制作番組
- 夕方帯
-
- 東北+新潟のANN系列ブロックネット
-
- 東北地方のANN系列ブロックネット
-
- 深夜番組
-
- 広報番組
-
- おはようみやぎ 大好き!こどもTV(宮城県広報番組 1977年7月 - 1993年3月)
- みやぎこどもステーション(宮城県広報番組、1993年4月 - 1998年3月)
- タッチ・ザ・みやぎ(宮城県広報番組、1998年4月 - 1999年3月)
- アンの風にのって(宮城県広報番組、1999年4月 - 2001年3月)
- みやぎ情報クリップ(宮城県広報番組、2001年4月 - 2003年3月)
- 仙台市だより(仙台市広報番組、1980年4月 - 1986年6月)
- せんだい555(仙台市広報番組、1986年7月 - 1998年3月)
- せんだい自由時間(仙台市広報番組、1998年4月 - 2000年3月)
- 東北大学の新世紀(東北大学との共同制作)
- イシなび
- そのほかの番組
-
- 特別番組
- 特記事項のあるもの以外は全国ネット
過去に放送されていた他系列の番組
テレビ東京系列番組
制作局の表記のない番組は東京12チャンネル→テレビ東京制作(又は幹事)。
- バラエティ・情報
- アニメ・子供向け
- 特撮・ドラマ
その他の番組
- UHFアニメ
- その他
- 再放送扱い
旧本社時代の主なネット番組
上杉時代(1975年10月1日 - 1991年9月22日)
★の番組は本社が双葉ヶ丘に移転した後もしばらくネットされていたもの。また、☆の番組については現在も放送中。
双葉ヶ丘末期~あすと長町移転(2021年9月19日まで)
★の番組は双葉ヶ丘末期に開始したもの。また、■の番組はあすと長町移転後に終了、☆の番組については現在も放送中。
アナウンサー
男性
女性
過去に在籍したアナウンサー(異動・退職)
男性
- 1982年
- 1992年
- 1994年
- 1997年
- 2007年
- 2013年
- 2017年
- 渕井亮太( - 2022年3月、気象予報士(2022年3月取得)、現在は企画事業部)
- 2018年
- 石井秀幸(→地元・静岡市のコミュニティFM局・エフエムしみずのパーソナリティ)
女性
- 1982年
- 1988年
- 1989年
- 1992年
- 石川亜紀子( - 1997年、→福島放送を経て、東京でフリーアナウンサー)
- 熊本恭子( - 1999年、→東京でフリーアナウンサー)
- 1994年
- 1996年
- 森島由香(現姓・小田)
- 用稲千春( - 2002年、東京でフリーアナウンサーだったが現在は活動停止、セント・フォース所属)
- 1998年
- 2000年
- 2001年
- 2004年
- 2005年
- 2008年
- 2009年
- 2011年
- 2013年
- 2015年
- 高山香織( - 2017年3月、元名古屋テレビ放送アナウンサー)
- 2016年
- 2018年
- 2021年
- 長谷川直子(1970年代 - 1980年代初頭に在籍、→東京でフリーアナウンサー)
恒例の主催イベント
東日本大震災による番組編成
その他
- 社内・外含め“ひがしにほんほうそう”と呼ぶ人が多い[40]。
- 金曜の深夜にアダルト系のVシネマを放送したことがある[注釈 27]。
- 2003年(平成15年)から2005年(平成17年)にかけて、韓国ドラマを独自に放送していた。2003年(平成15年)といえば、NHKが衛星放送で冬のソナタを放送していた時期で、本格的な韓流ブームの前であった。最初に放送された「真実」(主演:チェ・ジウ)は、宮城と北海道のみの放送という極めて珍しいケースであった。
- 2010年(平成22年)1月に公開された映画「ゴールデンスランバー」において、劇中でのローカルニュースにおいて同社のスタジオが使用され、同社アナウンサーが劇中の架空ニュースを読み上げるシーンがあるほか、主人公が自身の無実を公に伝えるため、テレビ番組へ出演しようとするシーン[注釈 28] において、同社の中継車や機材が使用されている。
- 長町新社屋の近隣にはコミュニティFM局「エフエムたいはく」があり、2021年(令和3年)の新社屋移転に合わせて当局アナが出演する広報番組の放送や、エムエムたいはくの生番組・収録番組等に当局アナがゲスト出演する等の広報活動を行っていた。
脚注
注釈
出典
外部リンク
|
---|
地上波 フルネット局 24局 | |
---|
地上波 クロスネット局 2局 | |
---|
BSデジタル | |
---|
CSチャンネル3 | |
---|
旧加盟局 | |
---|
国内支局 | |
---|
関連新聞・スポーツ新聞社8 | |
---|
関連項目 | |
---|
脚注

1ANNでは報道部門のみの参加。NNNフルネット局(NNNのニュース番組は全て同時ネットしているため)。 2NNN、FNN/FNSとのクロスネット局。ANNでは報道部門のみの参加。 3加盟局が運営・出資する衛星放送(CSチャンネル) 4旧EXは2014年に現EXに放送免許を譲渡。 5旧ABCは2018年に現ABCに放送免許を譲渡。 6一般番組供給部門のみの参加。 7旧KBCは2023年に現KBCに放送免許を譲渡。 8母体新聞社及び加盟局と友好関係のある新聞社。
|