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服部 慎一郎(はっとり しんいちろう、1999年8月2日 - )は、日本将棋連盟所属の棋士。中田章道七段門下。棋士番号は322。 富山県富山市出身[1]。
棋歴
小学校3年生の夏、担任の先生に日本シリーズこども大会の案内をもらい、新潟で開催された大会で負けてくやしかったので強くなろうと思って本格的に将棋を始める[2]。小学校4年生まで魚津市立道下小学校に通い[3]、道下公民館(現・道下コミュニティセンター)の主催する将棋サークルに通っていた縁で、同施設ではInstagramやX(旧Twitter)を利用して服部を応援する投稿を行っている[4]。
小学5年生の時、関西研修会に入会[5]。
2013年、中学校2年時に奨励会へ入会。姉の大学進学に合わせて中学校3年時に富山から大阪へ転居する[6]と、関西将棋会館棋士室の常連となり腕を磨く。
2019年、奨励会三段時代に出場した第9期加古川青流戦では決勝まで駒を進め、池永天志四段に敗れたものの準優勝の結果を残した。
三段リーグでは初参加となる2017年第62回奨励会三段リーグで14勝4敗の好成績をあげるも、順位差から次点に留まり1期抜けとはならなかった(14勝をあげながら昇段とならなかったのは2006年第39回の豊島将之・伊藤真吾<2度目>以来5人目、6例目)。しかしその後も11勝、10勝、12勝とコンスタントに成績を残し続け、2019年第66回奨励会三段リーグで再び14勝4敗を記録。今度は順位差によって同じく14勝4敗だった西山朋佳をかわして2020年4月1日付での四段昇段プロ入りを決めた[1][7]。同期昇段は谷合廣紀、同日付でのプロ入りに編入試験合格者である折田翔吾がいる。
- 2020年度
初参加の第79期順位戦C級2組では8勝2敗と健闘。勝敗数では3位タイであったものの、順位の差から昇級次々点のリーグ5位に留まり、三段リーグに続き初参加ゆえの順位の低さが響く形となった。
- 2021年度
第10期の中止を挟んで2年ぶりの開催となった第11期加古川青流戦では、第9期決勝敗退後に残した「また来年、四段になってこの舞台に戻ってきたい」[8]の言葉通り、四段となって再び決勝まで進出。井田明宏四段との三番勝負を2勝1敗で制し、一般棋戦で初優勝した。
第80期順位戦C級2組では開幕7連勝と順調なスタートを切りながら終盤3局で2敗を喫したことで8勝2敗のリーグ4位に終わり、昇級を逃す結果となった。
第7期叡王戦では四段予選を勝ち抜き本戦トーナメントへ出場。八代弥七段、豊島将之九段、船江恒平六段を破り、同棋戦の四段予選勝ち抜き者としては初めて挑戦者決定戦へと進出したが、出口若武五段に敗れタイトル挑戦とはならなかった。
- 2022年度
第72期王将戦では一次予選から勝ち上がり、四段の棋士としては第66期の近藤誠也以来4人目[注釈 1]となる挑戦者決定リーグ入りを果たした[9]。リーグでは渡辺明名人・棋王、永瀬拓矢王座と当時のタイトルホルダー2人から白星を挙げたものの、2勝4敗の成績で陥落となった。
2022年9月30日、石川優太五段に勝利したことでプロ入り後通算100勝とし、五段に昇段した[10]。
第53期新人王戦では黒田尭之五段との決勝三番勝負を2勝1敗の成績で制し、前年の加古川青流戦に続き若手棋戦での優勝を果たした。
第64期王位戦では予選トーナメントで稲葉陽八段、糸谷哲郎八段、菅井竜也八段と3人のA級棋士と同ブロックとなるも、3人全員を直接対決で破り、本戦リーグ入りを決めた。
第35期竜王戦6組では昇級者決定戦を勝ち抜き5組へ、第81期順位戦C級2組では9勝1敗の成績でリーグ2位となりC級1組へ、それぞれ自身初昇級を決めた。
これらの活躍に加えて年度を通じて対局数(68局)で1位、勝利数(50勝)と連勝数(15連勝)で2位と各記録ランキングでも上位に入り、将棋大賞の最多対局賞と新人賞を受賞した。
- 2023年度
2023年4月20日に行われた第36期竜王戦5組ランキング戦準決勝で杉本和陽五段に勝利し、4組への2期連続昇級を決めると共に規定により六段へと昇段した[11]。
第82期順位戦C級1組では10戦全勝の成績をあげ、B級2組へと昇級した。
- 2024年度
第55期新人王戦では優勝した第53期以来2年ぶりとなる決勝三番勝負に進出。高田明浩五段を2連勝で破り、同棋戦2度目の優勝を飾った[12]。
第18回朝日杯本戦トーナメントの名古屋公開対局では、1回戦で丸山忠久九段に勝利、同日の午後実施の2回戦では初手合となる藤井聡太竜王・名人に勝利し、全棋士参加棋戦でベスト4に入った。
第83期順位戦B級2組では、9回戦の時点で8勝1敗の成績をあげてB級1組へと昇級を決めると共に、規定により七段へと昇段した。
第37期竜王戦4組では昇級者決定戦を勝ち抜き3組へと昇級。順位戦、竜王戦ともに3期連続での昇級となった。
2024年度は年間を通じて高勝率を維持し、2月5日時点での勝率は9割(36勝4敗)に達していた[13]。直後に3連敗を喫するなど年度最終盤に入り数字を落としたものの、最終的に当時歴代7位となる勝率.843(43勝8敗)で将棋大賞の勝率一位賞を受賞した[14]。
人物・棋風
- 定跡にとらわれない力戦調の将棋を好む。
- 同様の棋風で知られる山崎隆之には奨励会時代、多くの練習将棋を指すなど目をかけられており、服部自身もプロ入りに際して対局したい棋士に山崎の名前を挙げている(2021年の朝日杯二次予選で公式戦初対局、結果は服部の勝ち)。
- 苗字にかけた「忍者」「ニンニン」の異名で呼ばれることがあり、自身もX(旧Twitter)では「忍者服部」のアカウント名を用いている。
- 趣味はランニング。
- 大阪市立中央高校時代、友人と漫才コンビ「もぐら部隊」を結成し、文化祭や路上で活動していた経験を持つ[6][15]。プロ入り後の2024年にも冨田誠也とコンビ「もぐら兄弟」(ネタ担当は池永天志)を結成し、M-1グランプリ2024予選に参加(結果は1回戦敗退)している[16][17]。
昇段履歴
- 関西研修会
- 0000年00月00日 : 関西研修会 入会(当時11歳、小学5年生[5])
- 2011年06月00日 : 関西研修会 C2クラス昇級[18]
- 2012年06月00日 : 関西研修会 C1クラス昇級[19]
- 2012年08月00日 : 関西研修会 B2クラス昇級[20]
- 2013年01月00日 : 関西研修会 B1クラス昇級[21]
- 2013年03月00日 : 関西研修会 Aクラス昇級(奨励会6級入会資格)[22]
- 関西奨励会
- 2013年04月00日 : 6級(関西奨励会 入会)[1]
- 2017年10月00日 : 三段(第62回奨励会三段リーグ戦〈2017年度後期〉からリーグ参加)[1]
- 四段昇段以降
主な成績
棋戦優勝
- 加古川青流戦 1回(第11期 2021年)
- 新人王戦 2回(第53期 2022年、第55期 2024年)
- 優勝回数:合計 3回
非公式戦優勝
将棋大賞
- 第50回(2022年度) 最多対局賞、新人賞
- 第52回(2024年度) 勝率一位賞
在籍クラス
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始 年度
|
(出典)順位戦
|
(出典)竜王戦
|
期
|
名人
|
A級
|
B級
|
C級
|
0
|
期
|
竜王
|
1組
|
2組
|
3組
|
4組
|
5組
|
6組
|
決勝 T
|
|
1組
|
2組
|
1組
|
2組
|
2020
|
79
|
|
|
|
|
|
C251
|
8-2
|
34
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
0-1/昇3-1
|
2021
|
80
|
|
|
|
|
|
C206
|
8-2
|
35
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
1-1/昇7-1 (5位)
|
|
|
|
35
|
(6組昇決 5位決定戦 勝利 → 5組昇級)
|
2022
|
81
|
|
|
|
|
|
C205
|
9-1
|
36
|
|
|
|
|
|
5組
|
|
--
|
4-1 (2位)
|
2023
|
82
|
|
|
|
|
C125
|
|
10-0
|
37
|
|
|
|
|
4組
|
|
|
--
|
0-1/昇6-0
|
2024
|
83
|
|
|
|
B222
|
|
|
9-1
|
38
|
|
|
|
3組
|
|
|
|
--
|
4-1 (2位)
|
2025
|
84
|
|
|
B111
|
|
|
|
-
|
39
|
|
|
2組
|
|
|
|
|
--
|
-
|
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
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年度別成績
公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2020年度
|
39 |
28 |
11 |
0.7179 |
[30]
|
通算成績
|
年度
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021年度
|
55 |
43 |
12 |
0.7818 |
[31]
|
94 |
71 |
23 |
0.7553 |
[32]
|
2022年度
|
68 |
50 |
18 |
0.7352 |
[33]
|
162 |
121 |
41 |
0.7469 |
[24]
|
2023年度
|
49 |
33 |
16 |
0.6734 |
[34]
|
211 |
154 |
57 |
0.7298 |
[35]
|
2024年度
|
51 |
43 |
8 |
0.8431 |
[36]
|
262 |
197 |
65 |
0.7519 |
[37]
|
2021-2024 (小計)
|
172 |
126 |
46 |
|
|
通算
|
262 |
197 |
65 |
0.7519 |
[37]
|
2024年度まで
|
著書
脚注
注釈
- ^ 四段の棋士のリーグ入りは有森浩三(第34期)が初、屋敷伸之(第39期)が2人目となる。
- ^ 2022年9月30日対局分までの通算成績として記載されている「99勝31敗」[23]は、同日時点で未放映のテレビ対局(第31期銀河戦)の予選対局成績(1勝0敗、2022年8月23日対局)を含めておらず、前述の通算成績「99勝31敗」に未放映対局成績(1勝0敗)を含めた成績は「100勝31敗」。
- ^ 2023年3月31日までの通算成績は「121勝41敗」[24]。2023年4月20日までの4月の対局結果は3局(2勝1敗)[25]で、六段昇段日の2023年4月20日時点での通算成績は前述の「121勝41敗」に4月20日までの成績(2勝1敗)を含めて「123勝42敗」。
- ^ チーム稲葉(第5回)のメンバーは稲葉陽(リーダー)、出口若武、服部。
- ^ チーム中部(2024)のメンバーは杉本昌隆(監督)、藤井聡太、豊島将之、八代弥、服部。
出典
関連項目
外部リンク
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タイトル 保持者 【7名】 |
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九段 【27名】 (引退1名) |
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八段 【34名】 (引退2名) |
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七段 【45名】 (引退2名) |
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六段 【30名】 |
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五段 【19名】 |
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四段 【14名】 | 2025年04月1日付 昇段者 | |
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2025年10月1日付 昇段者 | |
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2025年度 引退者 【4名】 |
九段 福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
七段 木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
七段 増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
八段 長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
八段 有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
2023年度引退予定者 (現役継続中) |
七段 川上猛 ( 引退日未定 / 第38期竜王戦 5組在籍、4組昇級の場合は現役継続、引退日は2025年度以降)
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日本将棋連盟所属(現役棋士 171名 / 2025年度引退者 5名、2025年7月10日時点) △は2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは期首4/01付)。引退者の(日付)は引退日。 これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。2026年度 >> |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
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3組
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4組
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5組
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【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
| 女流棋士 | |
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アマチュア |
- 森下裕也アマ
- 荒田敏史アマ
- 関矢寛之アマ
- 竹内広也アマ
- (6組参加4名)
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奨励会員 |
- 山下数毅(三段、5組在籍)
- 齊藤優希(三段、6組参加、2025年4月四段昇段)
- (5組、6組参加各1名、計2名)
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次期から出場 |
【2025年04月昇段者】(2名):
齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場)
【2025年10月昇段者】(2-4名):(いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / ◎本戦出場 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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次期から 出場
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フリークラス 昇級者 | |
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奨励会三段リーグ 上位者 |
- 2025年10月1日昇段者(2-4名)
- 2026年4月1日昇段者(2-3名)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの(数字)は在籍可能残り年数(2025年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |
将棋大賞 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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前年度の活躍が対象 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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前年度の活躍が対象 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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前年度の活躍が対象 |
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一般棋戦優勝 3回 |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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関連項目 | |
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四段の棋士・三段リーグ上位者・女流棋士・アマチュアが参加。 |
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